![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134768968/rectangle_large_type_2_74b851e85bce8730648da5f8d7afc544.jpeg?width=1200)
(‘67) Scott Walker / Scott
ビートルズと比肩するほどの人気を(主に日英で)誇ったウォーカー・ブラザーズのスコット・ウォーカーのソロ・デビュー・アルバム。通称「スコット1」。グループ時代からのアイドル的人気を一手に引き受けた今作は全英3位のヒットを記録。
彼が敬愛するジャック・ブレルのカヴァー3曲と自作3曲を中心に、映画主題歌のカヴァーもある。オーケストラを大々的に取り入れ、なんとも雰囲気のあるふくよかな音をバックに、スコットは深遠に沁み渡る歌声を響かせる。英国的な湿り気のある哀愁を帯び、ドラマティックに朗々と歌い上げる彼の声や音楽性には、デヴィッド・ボウイが、トム・ヨークが、ジャーヴィス・コッカーが、アレックス・ターナーが、多大な影響を受けている。
大学生の時からの僕のバイブルとも言えるロック・ガイド「ロッキング・オンが選んだ究極のロック名盤500」でジャケット写真を見た時、「ノエル・ギャラガーじゃん」と見紛ったのが本作。その後本名がノエル・スコット・エンゲルと知った時に妙に納得した記憶がある。初めて聴いたのはThe Last Shadow Puppetsの影響源としてスコット・ウォーカーが挙げられたのがきっかけで、このアルバムも凄く好きになった。古い映画を観た時のしんみりとした美しさが立ち昇る感じがたまらない。今考えると、20歳そこそこでこのアルバムの滋味を楽しむとは、自分の渋いセンス(とちょっとした背伸び感覚)にニヤついてしまう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?