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NFTのライセンスプラットフォームBored Jobsについて解説

NFTmeijinの今村です。様々なNFTの分析やコミュニティ運営を行なっています。第10回となる今回は「NFTのライセンスプラットフォームBored Jobs」について説明します。特に

  • Bored Jobsとは何か

  • どこが革新的なのか

  • Bored Jobsの懸念点

について解説します。

Bored Jobsとは何か?

Bored Jobsをひとことで言うと、自分の保有するNFTを企業にライセンスして対価を得たいNFT保有者と、そのようなNFTをIPとして起用したい企業とをつなぐマッチングサイトです。

たとえば、あるBAYCホルダーが、「自分のBAYCをどこかの企業に使ってもらい、ライセンス収入を得たい」と考えたとします。
このとき、このホルダーはBored Jobsに登録申請をします(※申請時には、貸したいNFTが入っている自分のウォレットアドレス、自分のNFTをどんなプロジェクトに使ってほしいか、Twitterのハンドルネームなどを記入します)。
Bored Jobsは審査を行った上で、このBAYCのNFTを起用したい企業とのマッチングを行います。
これがBored Jobsが提供する、NFT保有者向けのサービスになります。

また、NFTをIPとして起用したい企業も、Bored Jobsに申請を行います(※申請時には、想定するプロジェクトの内容、どんなNFTを起用したいのか&その用途、おおよその予算、プロジェクトのスタート時期などを記入します)。
Bored Jobsは審査を行った上で、NFTの保有者とマッチングを行います。
マッチングが上手くいき、契約が成立した時点で、Bored Jobsに対してその契約金額の15%を手数料として支払います。

これがBored Jobsの概略です。

では、このBored Jobsですが、どのような点が革新的なのでしょうか。

どこが革新的なのか?

ひとことで言うと、NFTのライセンスに伴うさまざまな問題を解決できる点が革新的です。

例えばNFTの保有者で「自分の持ってるNFTを企業にライセンスし、収益を得たい」と考える人は多いものの、実際にそれを実現できる人はほとんどいませんでした。
なぜかというと、NFTの保有者からは「どの企業がNFTを起用したがっているのか?」という点が見えなかったからです。

同様に、NFTを起用したい企業側も「NFT保有者のうち、どの人がNFTをライセンスしたがってるのか?」という点が見えませんでした。
加えて、NFT保有者は匿名で、連絡先もわからない人が多く、企業側からのアプローチも困難でした。

この両者をつなぎ、可視化して、取引をサポートする仕組みを作ったのが、Bored Jobsの最も革新的な点だと思います。

また、Bored JobsはNFTのライセンスを行う際に必要な契約書のフォーマットを整備しました。

NFTのライセンス市場はまだ立ち上がったばかりです。
NFTをIPとして起用した経験がある企業もほとんどなく、法的な知見も業界全体であまり蓄積されていません。

ゆえに、企業がNFTをIPとして起用したい場合、弁護士を起用して案件ごとに一つ一つ丁寧に規約を読み、契約を詰めていく必要がありました。
これだとどうしてもコストが嵩んでしまい、NFTを起用したくても、なかなか気軽に行うことはできません。

この問題を解決するため、Bored Jobsのチームは、PLAN (Product Licensing Agreement for NFTs)という契約書のテンプレートを整備しました。
もちろん全ての状況に適しているわけではなく、状況に応じて修正する必要はあります。
ただ、このようなある程度統一されたフォーマットの存在は、ライセンス契約に関する手間やコストの削減につながります。

今後は弁護士チームを強化し、法務関連のサービスもさらにアップデートしていくとのことです。楽しみですね。
このような点も、Bored Jobsの革新的な点であり、業界に対する貢献だといえます。

このようにBored Jobsは、NFTを保有する人にとっても、NFTをIPとして起用したい企業にとってもメリットがあるサービスです。

個人的にはとても面白いサービスだなと思うのですが、懸念点はあるのでしょうか。
まだ始まったばかりですが、今後想定されうる懸念点を考えてみました。

Bored Jobsの懸念点について

ひとことで言うと、「Bored Jobsがサービスを継続できるだけの十分な収益を上げられないかもしれない」という点です。

まず、NFTをIPとして起用したい企業があまり集まらない可能性があります。
世の中にはディズニーやポケモンをはじめ、たくさんのキャラクターがあります。
NFTをIPとして起用したい会社も、当然どのキャラクターを起用するかを検討します。

その時に、例えばNFTとしては最も有名なものの一つであるBAYCですら、他のキャラクターと比較されることになります。
ここで、どれだけの企業がBAYCを選ぶのか?と言うのは、正直誰にもわかりません。
仮にあまり選ばれなかった場合、Bored Jobsのサービスは行き詰まるかもしれません。

また、Bored Jobsは契約金額の15%を受け取りますが、その契約金額自体が低くなることも考えられます。
NFT保有者によっては、収益よりも自分の保有するNFTが企業に使われたという実績を優先し、かなり安い金額でライセンスに応じる可能性もあるからです。
こうなった場合も、Bored Jobsはあまり収益を上げられないかもしれません。

このような懸念点はあるものの、総じてBored Jobsはとても面白い事業をしていると私たちNFTmeijinは認識しており、引き続き見守っていこうと考えています。

なお私たちNFTmeijinは、NFTに関する総合的なコンサルティング事業を行っておりますが、その一環として、このBored Jobsの利用に関心のある企業の方に向けたサポートも行っています。
ご興味のある方は、DMお問い合わせフォームからご相談いただけたら幸いです。

また、私たちは審査制クローズドコミュニティNFTmeijin Labを運営しています。
コミュニティ内では、本記事に関する感想やnoteに載せていないNFT分析記事など、さまざまな話題が飛び交っています。
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