NFTって結局なんなの?世界一わかりやすくNFTのことを解説したい

ネットで検索すれば「ノンファンジブルトークンの略でイーサリアムのERC721云々」とか書いてありますが、いきなり難しい話をされても困るので専門用語や技術的な話はすべて省きます。だって「インターネットって何?」と聞かれたときに「元々は軍事技術として開発されてTCP/IPが云々」とか言わないしね。

 

普通の人が、「NFTって何なのよ!」と思ったときの役に立てばよし。

というわけで、NFTとは何か。

「デジタルデータに”有限”という概念を持ちこめるようにする技術」

です。

いやまだわかりにくいですがな。というわけで解説します。

そもそも現実世界とデジタル世界(デジタルデータを扱うパソコンやインターネット)の大きな違いは、モノに有限性があるかどうかです。

現実のモノ、たとえば缶コーヒーもテレビも服もみかんも、数に限りがあります。すごく当たり前の話ですよね。

一方、デジタルデータは無限に複製(コピペ)できます。音楽データもイラストデータも動画データも、コピペすれば一瞬で「まったく同じモノ」を作れてしまいます。

 

だから現実世界とデジタル世界において、「モノの価値」には大きな違いありました。現実世界では、モノを作るためにコストがかかります。たとえば缶コーヒーを作る場合は、材料費・人件費・輸送費などが最終的な価格に大きく影響しています。○○費というお金的な話だけではなく、そもそもコーヒー豆も、輸送する車も、加工する人も有限です。

もしコーヒー豆が世界的に希少になった場合、缶コーヒーの価格が上がるだろうと想像つきますよね。このように材料自体も有限なので、その「希少性」も価格に大きく影響します。

「モナリザ」みたいに、そもそも世界に一つしか存在しない、つまり唯一無二であることが高い価値に結びついているものもたくさん存在します。

 

一方、デジタルの世界ではコピペすればどんなデータも無限に、しかもほぼコストゼロで複製できます。イラストデータをコピーしたときに、どこかで絵の具のような材料が消費されることもありません。有名イラストレーターさんのイラストも、唯一無二なんてことはなく誰でもコピーできます。そして、イラストの原本とコピーデータを見分けることはできません。

 

つまりデジタルの世界には「有限(数に限りがある)」という概念は無く、「希少性」という価値基準もなく、「唯一無二」という特性も存在しません。

 

いや、存在しませんでした。そこに「有限」という概念を持ち込むのがNFTです。

どうやって持ち込んでいるのか。

絶対に改ざんされず、複製されず、消滅もしない証明書をデジタルデータに付与する

という方法です。

「絶対に改ざんされず、複製されず、消滅もしない証明書」。これがNFTです。

 

例えばあるイラストのNFT(証明書)を作った場合。そのイラストがツイッターにアップされれば、誰でも無限にそのイラストをコピーできます。しかし、そのイラストのNFTはコピーされません。

「NFT付きのイラスト」と「NFTがないコピーイラスト」の区別ができるようになるんです。ということは「NFT付きのイラスト」は世界にただ一つ、唯一無二となります。

 

これによって「希少性」や「唯一無二」という特性がデジタルデータに付与されるので、今までデジタルの世界に存在していなかったあらたな価値基準が生まれます。それが人間の所有欲をかきたてるんです。

 

最近ニュースとかでも「デジタルイラストのNFTが何億で売れた」なんて話がありますよね。デジタルイラストなんか誰でも見れるしコピーもできる。でも「ただひとつの本物」を所有できるなら、そこにお金を払う人がいるのはなんとなく理解できるのでは。

【ワンピースの尾田栄一郎先生が描いた世界でひとつだけのデジタルイラスト】[1] 

これなら、お金を払ってでもほしい人がたくさんいるのは理解できますよね。

 

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NFTが活用されるのはイラストだけではなりません。デジタルデータならなんでもいいんです。でも、あらたに生まれた概念・価値なので、いったいどんなデジタルデータに価値が生まれるのかは、まだ誰にもわかりません。

今NFTを買っている人たち、騒いでいる人たちは

デジタルデータに「希少性」「唯一無二」「所有欲」という新たな価値を持ち込んだらどうなる?

というお題にワクワクしているということです。それはビジネスチャンスかもしれないし投資のチャンスかもしれないと。

 

以上、こんな理解で「○○がNFT化」みたいなニュースを読めば、何が起きてるのかわかりやすいのではないでしょうか。

 


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