超能力開発と山林修行
前回、前々回と守護霊からおすすめを受けた「日本霊異記」の編者、景戒さんの熱い思いにグッと来たことについて記事にさせていただきましたが
この「日本霊異記」他にも多くの気付きを得ることがありました。
それは古代の人々の病気治癒と呪力に関するものです。
「日本霊異記」には病気に関する内容を持つものが4分の1ほどあります。
それだけ当時の世俗の人々にとっても、病の治療は最も切実で現実的な願望であったことがわかりますが
そこには治療者として僧(呪術者)が登場してきます。
当時、仏教的な考え方では病は前世、現世の因縁であって、どんな病であってもそれを癒やすにはそうした因果を解き明かす必要があり、その病を癒やすためにはその因果を解き明かす存在として僧(呪術者)の力が必要とされていたのです。
日本霊異記には多くの僧(呪術者)が登場し、病治癒の呪力や験力を発揮しておりますが、その多くが山林修行によって、その力を獲得されたことの記載がなされています。
実際、この本が舞台とする奈良時代から平安時代にかけては山林で修行する僧たちが多く現れるようなのですが、その中でも後世においてもその名を轟かしているのは、役行者(634〜706)でしょう。
役小角が登場するもので信頼に値する資料といえば、この「日本霊異記」と「続日本紀」が代表的なのですが
日本霊異記は仏教説話集なので、仏教者からの立場から優婆塞=仏教修行者として役小角が描かれておりますが、読み解くと、実際のところは仏教にとどまらず、道教、神仙道修行者としての面が色濃いのも確かです。
これは後の世の仏教教義や宗派による分類以前の、宗教を超えての呪力や霊力を市井の人のために駆使した実践的霊能者だったことに他なりません。
のちに神変大菩薩と号される程に人々から仰がれたのも、現実生活に活かすことができた、その類まれざるサイキックセンスによるものでしょう。
霊的探求の先生であるタカテルさんによると事実「役行者はこの日本におけるサイキックにおける指導霊団のトップ」なのだそうです。
また役行者が修行した葛城山系は渡来系氏族が多く分布していたようですし、役行者の出自の家系は賀茂氏に使えていたとされ、賀茂氏といえば元をたどれば古代から日本国建国に関わる重要な氏族で、そのルーツは古代ユダヤはたまたシュメールにいきます。(ここらへんの古代史についてはより勉強を重ねてどこかいずれ整理を試みたいと思っております。)
さて、山岳修験道の開祖の役行者はもちろんのこと、中国から持ち帰った密教思想と山岳信仰を合体させて真言密教というどこの国にも存在しなかった新しい形の仏教をつくった空海をはじめ、この日本においては古代から類まれざる験力獲得、能力開発のために「山」での修行が欠かせません。
でもなぜ、山なのでしょうか?海じゃだめだったのでしょうか?草原じゃだめなのでしょうか?
結論やっぱり「山」であらねばならなかったのだと思います。
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