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小品集「ねずみ色のややくらい方」

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心血を注いだ一連の短編作品集。人間の精神世界の発現を、ややくらい印象を伴う生物たちに託して。
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記事一覧

【創作短編】bbBEELZEBUBBUZZESss(後)

人は学習する。 羽根を持つものからは飛び方を学ぶ。鰭や水掻きを持つものからは泳ぎを学ぶ。…

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のねずみ
3年前
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【創作短編】bbBEELZEBUBBUZZESss(中)

実際、蠅の声はその小っぽけな虫の躯ひとつから発せられているとは信じられないほど、地声から…

のねずみ
3年前
4

【創作短編】bbBEELZEBUBBUZZESss(前)

さっきっから、 珈琲茶碗[コーヒーカップ]の縁の所に、1匹の黒い蠅が留まって、せわしなく手…

のねずみ
3年前
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【創作短編】ゴ前ゴ時ゴ十ゴ分

 部屋の窓から、斜めに向こうを見上げた先、電柱の横棒に影のように、滞った黒い鴉…… <Ⅰ…

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のねずみ
3年前
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【創作短編】とかげとかげ

 長い髪をかきあげた、その下の、透けるほど白い、女の、肌の上に、毒々しく彫られた黒蜥蜴の…

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のねずみ
3年前
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【創作短編】きらわれものの夢

 あなたについての怖ろしい夢を見てから、以来ずっと、私は不安で、いてもたってもいられなか…

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のねずみ
3年前
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【創作短編】megumo #1

 おれの臍に巣くった《蜘蛛》が、女の指のような生白い、脚をひろげて、しがみついた腹からおれを、見上げてくる…… <壱>  はじめは全然何も気づかなかった。よっていつが「はじまり」であったのかをおれは知らない。徐々に、臍が内部から盛り上がってくるような気が、しだしてからでさえ、――自分の臍を毎日くわしく点検する習慣なんておれには無かったし、何より、わかりやすい異常感、痛みとか、痒みとか、熱とかいったようなものを、一向身体に感じなかったので、ちらと目に留めても、おや、ダニにで

【創作短編】megumo #2

ー前話(#1)からのつづきー <弐>  『人面瘡[じんめんそう] 』……というものの話は、もち…

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のねずみ
3年前
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【創作短編】megumo #3

ー前話(#1)(#2)からのつづきー <参>  ここに到る頃には、もはや、まともな医者に診ても…

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のねずみ
3年前
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【創作短編】megumo #4(終)

ー前話(#1)(#2)(#3)からのつづきー <肆>

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のねずみ
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