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SoD, 第9章、”非正規兵”と主人公の対話2,十字軍の狂信者

<トロルクロウ・ウッズにて。1の続き、レンドたちとのバトルに勝利した場合の成り行き>

レンド
「よっしゃ、よっしゃ!あんたの勝ちだ。あんたの聞きたがってたことを教えてやろう。俺はカヴァとファレル(仲間の名)に会う前はあるハンティングの一団にいたんだが、たまたま十字軍とぶつかったんだ。やつらは俺にどちらか選べと言った。やつらのために戦うか、尻に帆かけて逃げ出すか。俺が逃げたりするもんか。それにやつらはたんまり払ってくれた」
主人公
「あなたは十字軍の兵士だったの?」
レンド
「俺は十字軍のいちばん偉い将軍のひとり、ハーフオークのバーゲスト*ってやつの親衛隊に入りたいって志願したんだ」
主人公
「なぜそんなに熱心に彼に仕えたいと思ったの?」
コーウィン
「私はバーゲストのことを聞いたことがある。彼はドラゴンスピア戦争で戦ったの―殺し合いが大好物の連中のあいだじゃ伝説的存在よ」
レンド
「俺はバーゲストを尊敬してた。やつは強力な戦士で、丁重にもてなされてる―そんないい待遇をされてるハーフオークをあんた何人見たことがあるってんだ?やつはきっと俺を親衛隊に入れてくれる、同じ種族の者に昇進のハシゴを上らせてくれると俺は思ってた。が、断られた。やつは俺に見向きもしなかった」
「俺は、やつに俺をはねつけた仕返しをしてやると誓った。やつの”白い閃光”団がボアレスキール橋を押さえたと聞いた時、おれはチャンスだと思ったのさ」
主人公
「私たちの敵は同じだわ。一緒にやつと戦うのが一番得策よ。十字軍について聞かせてもらえることはある?」
レンド
「ありがとうよ。俺はやつらと少しの間しかいなかったが、十字軍には二種類のやつらがいる。傭兵連中と、ほんとの信者どもだ。傭兵のほうが戦士としちゃ上だが、しかし”光を灯された”やつらは危険な連中だ。熱狂的で、大義のためにすすんで―いや、大喜びで死にやがるんだ。あいつらを見くびっちゃいけねえ」
コーウィン
「話せることはそれで全部?」
レンド
「ああ、大体のとこは。ドワーフのカーム中尉ってのが”白い閃光”団の新兵を訓練してるやつだ…これは役立つかね?」
主人公
「役立つかも。ありがとう」
レンド
「俺たちゃやることがある。後でもっと話すとしよう」


*the Barghest と言われているからアダ名だろう。バーゲストは英古伝承に登場する大きな黒犬のバケモノ。変化の能があり、死を予告したり実際に人を襲って殺したりするとされた。D&Dでは地獄ゲヘナ生まれのモンスター、人面(ゴブリン面?)狼体で、若いうちは人の世に出てきて人間を襲って食らうとか。シェイプシフター(ゴブリンorウルフに変身)でもある由。

*この後キャンプに戻ってオティルダ中尉にこの次第を話すと…やっぱり中尉の不安と不信感は変わらないのでした。

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