見出し画像

SoD, 第10章、ヴォギルンとラサードの会話、真実はひとつ?

<アンダーグラウンド・リヴァーの地上にて。ラサードは一途なモンク僧、ヴォギルンは酒と女と歌に生きる吟遊詩人(スカルド)>

ラサード
「では、あなたは今まで全生涯を人々の物語を学ぶことに費やしてきたのですか、ヴォギルン?」
ヴォギルン
「そうさな、全部の時間ではないな。いくらかは酒に、もっといくらかは淑女がたに使った。わかるか?あんたにはわからんかもな。しかし、な、それよりずっとたくさんの時間を物語を学ぶのに使った」
「どの物語にも、それを語った先達の数だけ多くのヴァージョンがある。スカルドはそこから選び取って、そして自分だけの物語を作らなければならん」
ラサード
「それでは、自分が語っていることが真実かどうかどうやってわかるんです?」
ヴォギルン
「ハッ、ハッ!あんたは真実を求めてるのかね、それとも事実かね?事実なら単純だ、事実は変わることがない―事実なら誰にだって学べる!真実は、しかし―そう単純じゃない」
ラサード
「でも、究極的には、真実はひとつしかないはずです―真実はひとつだけ。そうではありませんか?」
ヴォギルン
「あんたはスカルド向きにはできとらんよ、わが友」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?