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SoD, 第9章、ミジェナと主人公の対話2、失くしたアミュレット

<1の続き>

ミジェナ
「わたくしへのお召しはまだわたくしが若かった頃に参りました。わたくしは戦いのスリルが、敵に立ち会ったときの血の騒ぎが無上に好きでした」
「わたくしの家族は、わたくしは戦士になる運命なのだと思っておりましたが、テンパスは別様にお命じでした。みながきっとそうなると思っていた運命にわたくしが導かれなかったのは、これが最初ではございませんでした」
主人公
「あなたには恐れるものはないのですか?」
ミジェナ
「何を恐れるというのでしょう?戦争を?」
「戦争とは自然の力であり、文明がまさにそれ自身にもたらす嵐です。わたくしは自分に可能な限り、その雷に向かって高らかに笑い、その風に跨って空を翔りましょう」
「いつかわたくしは死んで、テンパスの御元に恭しく参ることでしょう。よく御神にお仕えできたことに満足しつつ。このような人生に恐れるものなどございません」
主人公
「もうお聞きすることはないわ」
ミジェナ
「それでは、もうお立ち去りになられますよう」
主人公
「そうします。またいつか」
ミジェナ
「お待ち下さい!わたくしは…あなたにお縋りしたいことがあるのです」
「ここに進軍してくる間に、我々は森の東の縁で十字軍に遭遇しました。戦いのさなかに、わたくしはアミュレットを落としてしまったのです」
「我々は退却を余儀なくされ、それ以来わたくしは戻ることができないでおります。もしあなたが旅のあいだにアミュレットを見つけたら、わたくしに返していただけたらありがたいのですが。わたくしにとってとても大切な品なのです」
主人公
「気をつけておきましょう。どんな形のものですか?」
ミジェナ
「木製で、手彫りのもので、テンパスのシンボルの飾りがあります。同じようなものは他にないと思います、わたくしの母がわたくしが僧籍に入る前に作ってくれた品ですから」
「もう取り戻せないかもしれませんが、でも…いずれわかるでしょう。まだ希望はあります」


*このアミュレットが見つかるのは、次章に進んでから。

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