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SoD, 第9章、ジュニアと主人公の対話1、なくなった形見のネックレス

<ボアレスキール・ブリッジ、ブリッジフォート砦にて。十字軍のメイジが送り込んだ石の魔力で絶命した犠牲者ケンドラには兄がいた。ラサンダー神*の司祭ジュニアに頼まれて、主人公は彼に妹の死を告げに行く。兄サランティスは悲嘆に暮れたが、主人公の慰めで気を取り直し、妹のネックレスを形見に所望した>

ジュニア
「サランティスとはもうお話になりましたか?」
主人公
「ええ。妹さんが亡くなったと聞かされても、とても気丈にお振る舞いでした」
ジュニア
「”モーニングスター”があなたを労われますように。難しいお務めでしたが、立派に成し遂げていただきました」
グリント
「ちょっと待って。僕自身はベイラヴァー・クロークシャドウ*の信者だけど、でもラサンダーは”モーニングロード”って言うんだったんじゃ…?」
ジュニア
「ああ、そうです、もちろん。モーニングロードと言うつもりだったのです。ここでの出来事ですっかり疲れてしまったので、とんでもない間違いをするようになってしまったのですわ」
主人公
「サランティスが、妹さんが身につけていたネックレスを持って来てほしいと私に頼んだんですが。どこかで見かけませんでしたか?」
ジュニア
「私が遺体を整えていた時にはそういうものは目にしませんでしたね。あの騒ぎで壊れてしまったのかもしれません」
主人公
「他の遺体からもものが失くなってましたわ。指輪や小剣が」*
ジュニア
「何を仰ろうとしておられるの?誰かが死者から盗みを働いていると?」
主人公
「今のような状況のもとでは珍しくないことです。遺体のそばに誰か他の人がいませんでした?」
ジュニア
「ここにいる方々がそんなことをするはずは…待って」
「わたくし共が跳ね橋を引き上げる直前に、イモリという名の男性が来ました。チョーンティーア*の僧だと名乗っていましたわ。もの静かで、人付き合いは好まないふうでしたが、よく働いてくれました。昨日から彼の姿を見ておりません」
主人公
「イモリという人はどんな格好をしてます?」
ジュニア
「金髪で、痩せ型の人間種族です。25歳くらいでしょうか、とても簡素な服装で、少しひげを生やしていました」
主人公
「どこにいるかご存知ですか?」
ジュニア
「わかりませんわ。まる一日見ておりません。もし出て行ったとしても跳ね橋は渡れませんし。近くの林にでもいるのかも?」
主人公
「ここで急いで結論を出すことはできません。この人物に話してみようと思います。私が何かつかんだら、また話し合うことにしましょう」


*夜明けの神。再生や若さを司る善神。とてもポピュラー。
*ノームの神。グリントはノーム種族。
*先にジュニアの頼みで祭壇に安置する前に死体をインベントリから調べると、ひとりの指に指輪のあとがあるのが知れる。
*大地や農業の女神。

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