【習作】無題の防衛本能

「……やっちゃった」
私は自分のしでかしたことを認識し、ジワリと恐怖が滲むのを感じた。
手が震え、思わず拳銃を取り落とす。銃口からは硝煙が上がっている。
私が撃った男はカエルみたいな姿勢で仰向けに倒れ、ピクリとも動かない。はだけたバスローブの隙間から、凶悪な般若の刺青が垣間見えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?