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常滑スタンオープンでボロス召集で惨敗した男の調整録

はじめに

これは、知り合いが常滑ファイナルへ行くというので応援がてらオープンにでも出るかと思い、軽い気持ちで調整を始めたら気合入り過ぎてファイナル男も乗っかってほぼ同じリストを各自微調整し、自身は2-2と悲惨な結果となったがファイナル男は20位(権利繰り下がりで次回ファイナルチェイン)となったデッキの調整記録である。


デッキ構成

固定枠(56枚)

  • 1マナファクトカウント:8枚

  • 管理人:4枚

  • 解体:4枚

  • 援軍:4枚

  • イモデーン:4枚

  • イーオス:4枚

  • 門道急行:4枚

  • 土地:22枚(内訳は人によって自由)

一切入れ替える余地が無い。(門道急行の枚数のみ諸説あり)
スタン落ち後もヴォルダーレンが落ちるのみで前の構築に戻るのと変わらないためヨーティアと差し替えで耐える。

自由枠(6枚)

  • ヨーティア:安牌。解体の当て先増量。

  • 福音者:安牌。

  • 失せろ:当てる先の目的が無いなら微妙。メインは門道急行で事足りることが多い。

  • 号令:追加のイモデーン枠。イモデーンより投げやすくて良い。


サイド候補

  • 奇襲兵

  • サリア

  • クチルの側衛

  • エイヴンの阻む者

  • 祭典壊し

  • 石術の連射

  • 没収の強行

  • ゴバカーン

  • 失せろ

  • 邪悪を打ち砕く

  • 安らかなる眠り

  • 痛烈な一撃

  • ランタンのきらめき

  • ウラブラスクの溶鉱炉

上記から15枚取るとサイドボードになる。
速いデッキなのでロングレンジ見ないのであれば尖った構成で良い。

サリアを採用する場合、一緒にサイドインするカードは生物で固めた方が良く、サイドアウトは非生物であると良いためかなり幅が狭くなる。

生物デッキなので割と生物取った方が良い。


マリガン基準

土地5以上
確定でマリガン。

土地4
1+2+3+魂力+土地3とかならやる。
1マナファクトカウント+解体+イーオスは確定キープ。

土地2~3
1~2ターン目一切動けないとかじゃないならキープ。

土地1
1マナしっかり動けて、解体もあるならやりそう。
特に後手ならやる。先手はイーオスまであるならやりたい。


マッチアップごとの考え方とサイドボード

mtgdeckのメタゲームwinrate参照


▼総合的な考え方

▶メイン
できるだけ突っ張る。
当然ケアできる部分(撃たれる除去の枚数の予想や突っ込むタイミング)はケアするが、深く考えずに汎用的な突っ張り方をするのが良い。

▶サイド
抜くのは基本的に自由枠や3マナ以上のカードから。
メインの1マナ帯には絶対に触らないこと。
絶対に要らないカードは抜いて良い。(自由枠で入れた1マナや、メインの門道急行などが腐りやすい。)
押し付ける上で、障害となりやすいところに対処する感じでサイドボードする。(生物が邪魔なら除去、全除去嫌ならゴバカーンやエイヴン)

また、サイド後に全除去を積んでくるデッキは動きで全除去を手札に持っているのかを判断すると良い。
例えば、1~2tにピン除去を切るかどうかや、どんなブロッカー生物を立ててくるかで分かる。

思想として、
・対アグロ:最低限のチェンジ(2~3枚まで)
・対ミッドレンジ:イモデーンから抜く
・対コントロール:イーオスを抜き、速度とカウンターに寄せる
・対コンボ:コントロールとほぼ同じ+ゴバカーンで縛る
という事を念頭に置き、相手のデッキがメイン→サイドでアーキタイプが変わる場合にしっかり寄せる。(【例】黒緑ミッドはサイド後に除去コンになるためイーオスを抜いてアグロプランで詰めるなど)


▼ミラー(運ゲー)

▶考え方
運ゲー。
祭典壊し2枚投げられても勝つときは勝つ。
正直相手の攻め手を如何にマス除去するかのゲーム。
イーオス0ヒットで負けることもある。
運ゲー。
アニムパカルが通ると最強。
ダニが除去られにくいため、門道急行や失せろをケアれる。

▶サイドボード
石術の連射や祭典壊しなどのテンポ良い除去を入れる。
失せろは入れてもいいけど優先度低め。(空の管理人で上手く利用されることがある上、解体の当て先を用意してしまうことになる友情コンボがある。)
あろうがなかろうが勝つときは勝つし負けるときは負ける。
イーオス召集のタップアウトで返した時の受けがキツいため、減らすのはイーオスから。

ミラーでは没収の強行がかなり良い味出す。

▶OUT
・イモデーン:1
・イーオス:2

▶IN
・没収の強行:1
・石術の連射:2(先攻)
・祭典壊し:2(後攻)
※先攻/後攻で入れ替える


▼エスパーミッド(世間的に微不利、俺は有利)

▶考え方
世間では微不利対面らしい。
個人的にトークン戦略に対する解答が少ない全除去と生物をデカくする以外無いため、プレイングで有利にできると思ってる。
メインはトークン戦略で横広げ重視してればピン除去腐るかカスに打つしかなくなって手が細る。
もしくはオール・インでバカスカ殴ってればコウモリ→ラフィーンの動き以外は全部圧殺できる。

▶サイドボード
ティシャーナによって門道急行やイモデーンがサイドから活躍し辛いため減らして、エンチャや生物に触れる除去を積みたい。

  • 石術の連射

  • 失せろ

  • 邪悪を打ち砕く

この辺をイモデーンや門道急行と入れ替える。
あいつらどうせクロパしかしてこないので、盤面にクリーチャー残ってないと勝手に死ぬ。

▶OUT
・イモデーン:2~4
・門道急行:0~2
※いい感じに4枚抜く。

▶IN
・石術の連射:2
・失せろ:2


▼ドメインランプ(世間的に不利、俺は有利)

▶考え方
最近はメインの一時的封鎖を抜いて追加のランパン採用が増えており、3T目ランパン→4T太陽降下or集団失踪をしてくる。
1~3Tが隙となるのでガッツリ攻める。
5マナ到達前に盤面広げず、援軍や霜剣山+イモデーンを構えるなどの動きが必要。
メインは太陽降下1枚ならぶち抜けるが、2枚持ってたり長い別れor力戦を連打されてからの全除去はガチでキツい。
ちょっと実力絡む運ゲーだと思って割り切りが板。
基本的に不利な運ゲーだと思って良い。

▶サイドボード
スペルでのランパンが多いのと、全除去のターンをズラしたいので

  • サリア

  • エイヴンの阻む者

  • ゴバカーン

などで手の遅延を狙いつつ走り抜ける。
エイヴンの阻む者が実質タイムウォーク付いてる肉なので多数採用したい。
最近は集団失踪採用が多いためゴバカーンが余計に刺さるが、エイヴンなら裏目が無い。
抜くのはイーオスで、殴らずに置いてる時間が無駄(1点でも殴った方が得)なため入れてても1~2枚にしておく。
先2イーオスだけ許され、その後のクロックを疎かにするような召集召喚はやめたほうがいい。

▶OUT
・イーオス:3
・門道急行:4

▶IN
・没収の強行:1
・サリア:2
・エイヴンの阻む者:4


▼世界魂ランプ(不利)

▶考え方
生物のケツがデカ目なのでちょっとダルい。
メインはお互いにどうしようもないので、とにかく最速で動いてツッパった方が良い。

▶サイドボード
墓地利用と世界魂による暴れが強いため

  • エイヴンの阻む者

  • 安らかなる眠り

を入れたい。
エイヴンは世界魂や氾濫をゴミに変えられる神。

また、コンボデッキかつ除去がダメージ系なので

  • ゴバカーン

も入れたい。
展開に関係の無いカードを入れる上、速度が大事なため抜くのはイーオスと1マナの自由枠辺り。
門道急行は

  • 失せろ

と交換しても良い。

▶OUT
・ダニ:2
・イーオス:4

▶IN
・ゴバカーン:3
・エイヴン:3


▼アゾリウスコン(五分、俺は有利)

▶考え方
ミラーはドメインランプや世界魂ランプ同様に運ゲーに近いためツッパ推奨。
プレイ順は基本的にカス全部並べてから3マナとかのビッグアクション。
1点でも多く顔面詰めた方が良い。
イーオス2回以上出さないと回らないような手札状況なら負ける。

▶サイドボード
やはりドメインランプ同様、全除去のターンがあるため遅延や解決手段が必要。

  • サリア

  • エイヴンの阻む者

  • ゴバカーン

辺りで遅延しつつ、
一時的封鎖は

  • 失せろ

  • 邪悪を打ち砕く

で割ることで再展開とする。
一時的封鎖がかなり速くてキツいため、瞬速持ちはできるだけ抱えてエンドに出して顔面にぶち込む意識が大事。
盤面に生物が残りづらいため、自由枠とイーオスから大量に抜いて上記カードと入れ替えることになる。

▶OUT
・ダニ:1
・門道急行:4
・イーオス:4

▶IN
・没収の強行:1
・サリア:2
・失せろ:2
・エイヴン:4


▼ゴルガリミッド(不利、俺は五分)

▶考え方
生物1体1体がデカいためしっかり横展開しつつ、相手の展開が遅いので門道急行とかでこじ開けながら走り抜けたい。
見た目エスパーミッドと同じだと思って良いが、あちらより生物に寄っているため少しキツい。
除去も多いため盤面展開を許してはくれないが、トークンでしっかり横広げしたらぶち抜ける。

▶サイドボード
こいつはサイド後はコントロールだと思った方が良い。
青白コン等と同じでイーオスと号令を抜いて、ゴバカーンやエイヴンで蓋したほうが強い。
サリアで遅延できるとなお良し。

▶OUT
・イーオス:4
・号令:2
・門道急行:4

▶IN
・ゴバカーン:3
・失せろ:2
・エイヴン:3
・サリア:2


▼5C/4Cレジェンズ(微有利)

▶考え方

▶サイドボード

▶OUT
・イーオス:2
・アニムパカル:2

▶IN
・ゴバカーン:2
・石術の連射:2


▼赤単(微有利?)

▶考え方

▶サイドボード
基本的に不要で、勝つ時は勝つし、祭典壊しと除去連打されたら負ける。
サリア入れても良いかなくらい。
祭典壊し入れてくるのでサリアだと死ぬ可能性もある。

▼ディミーアミッド(有利)

▶考え方

▶サイドボード

▶OUT
・号令3
・門道急行2

▶IN
・ゴバカーン2
・エイヴン3

▼バントToxic(圧倒的有利)

▶考え方

▶サイドボード
特にしなくても勝てる。

▼ディミーアコン(有利)

▶考え方

▶サイドボード

▶OUT
・号令3
・門道急行2

▶IN
・ゴバカーン2
・エイヴン3


現在の構築に至るまで

PTまでの環境(~2024/04/30)

次月に控えたスタンオープン(ファイナルは実力不足により出れなかった)への参加のため、4月から練習することを決意。
とりあえずでランクを上げ、プラチナ帯からのスタート。

GoldfishMTGとにらめっこしつつ、最初に試したのは以下のリスト。

メインサイド共に、金魚の勝っていたリストを完コピで使用。
勝ったり負けたりのトントンで、プラチナ帯を一気に抜けるにはパワー不足といったところ。
当時最多のエスパー対面も微妙、数は少ないながら根強い人気のアトラクサや青白コン相手も微妙という、ボタンの掛け違い一つで簡単に崩壊してしまうトランプタワーのようなか細いデッキという印象。

そもそも『失せろ』のメイン採用は明確に打ちたい対象(エンチャやPWなど)を見て採用しないと他の除去と比べてただのアド損であり、腐りはしないが撃ちたくないといったところ。(何に撃ちたいかわからなかった)

また、スペルが『解体』『門道急行』『失せろ』の10枚も入っていてサイドからもスペルを増量するのに『魂の洞窟』が4枚採用されていて詰まることが多く、ここぞという時に事故るバイアスがかかった自分には使えないと感じ、10戦ほどで崩した。

サイドボードに関しても疑問点が多く、除去と遅延系で固めてはいるものの元々横展開ですり抜ける構築で大量の除去は必要なく、スペルが増えるとイーオスと相性が悪く、能動的に動かないといけない割に3ターン目以降にしか仕事しないゴバカーンと番人は「強いが絶妙に噛み合わないときがある」という感じで、「もっと良いカードがあるはず」と感じた。

次に試したのは以下のリスト。

これはサンダージャンクション発売後、Twitterに流れて来た構築。
『ピクシー』を強く使うために『卵(実験統合機)』を入れることで安定感を増そうという試みは面白く、実際ETB能力が多分に入っているこのデッキとの相性は抜群。

しかし、この環境を定義しているカードの存在によって断念せざるを得なかった。

誰が何と言おうと『悪事』

そう、『太陽降下』の存在だ。
クリーチャーを全部リセットしながら培養トークンまで得るこのカード、令和のリビングエンドと言っても差し支え無く、最悪の場合10/10くらいのサイズのバケモンが盤面に居座ることとなる。

また、このカードを採用しているデッキは白白を出すために白をベースとした構築をしており、『一時的封鎖』を採用し、追加の除去として『冥途灯りの行進』(青白コン)や『力戦の束縛』(ドメイン)を採用されている。

誰が何と言おうと(ry
これは本当に『悪事』
これも『悪事』

これらのカードはピクシーととても相性が悪く、対象を追放されるとピクシーの強みが一切発揮できず、1マナで盤面にバニラ1/1を送り出しただけになってしまう。
また、ピクシーと卵でなんとかアドバンテージを作り盤面に送り出しても、『太陽降下』や『一時的封鎖』で全てが無に帰してしまう。
こちらは必死に毎ターンフルタップでマナを注ぎ込んでいるのに、相手は自分の動きをしながら途中で3~5マナ払うだけでお手軽リセットなのだ。

他にも、『切り崩し』『喉首狙い』などのピン除去が多いこの環境でピクシーをメインに運用するのは厳しい。

戦績も4-5と負け越し。

というわけでピン除去に圧倒的に強い『スクレルヴ』を採用。

『イモデーン』や『イーオス』をよく手札に戻すことがあったので、スクレルヴで守ろうという試み。
プロテクションではなく呪禁付与なので自分は対象に取ったままにできる。
また、『ピクシー』が手札に入るまでは守れる対象が置物として強ければより良いと考え、軽いヘイトベアである『サリア』を採用。
伝説であるため魂力とも相性が良く、『イーオス』でもサーチしやすいため良いと考えた。

が、実際に使ってみると1~2マナで動く時に『サリア』を置いてしまうと3マナ目が出なくて『門道急行』が置けなかったり、サイドから大量のスペルを入れる都合で結局『サリア』がサイドアウトしてしまうなど、問題点が浮き彫りとなった。

更に、『ピクシー』の強いバウンス先として用意してある『門道急行』を唱える際、『サリア』がやはり邪魔だった。

戦績は4-7と大幅に負け越し。
勝てるビジョンが一切見えず。

そんなこんなで改めてリストを探していたところ、『アニムパカル』をピンで採用しているリストを見かけ、採用してみることに。
最初は1枚だったが、除去に弱い点から2枚目を入れてみた。

先に戦績を述べると7-4で、先程の負け分を補える勝率。

『アニムパカル』は使ってみると良いヘイトカードで、他にも相手は『空の管理人』や『イーオス』に除去を切りたいため意外と除去られず、残ると単体で勝つカードという評価。

加速度的にトークンを生成し、自身もサイズアップするため定着後の勝率は高く、『門道急行』が解決していれば出てくるトークンの質も一層良くなり相性が良いマスターピースを見つけた感覚。

更に良い発見として、『スクレルヴ』で守る対象として最適という点が挙げられる。
殴るたびに加速度的にトークンが並ぶ性質上、チャンプアタックする生物が居るとより良いが、このデッキはそいうことが得意なデッキである。
デッキとして相性は良いが、除去られると固定砲台としては機能しない。
そこで、『スクレルヴ』で守ることにより相手は除去の二段構えをしなければならず、『アニムパカル』は3マナであるため最近流行りの『一時的封鎖』や『危難への道』で除去できない。

また、スクレルヴは『喉首狙い』によって破壊できない完全解答となったり、魂力土地の伝説カウントとなるなど、デッキとの相性の良さや環境への適応度の高さなどが挙げられる。

『スクレルヴ』と『アニムパカル』がこのデッキに、この環境にフィットしたマスターピースであることを確信しつつ、次はこのカードをより引き立てる構築を探す旅が始まる。

4月末に使用して1週間程でミシック到達したリスト

上記のリストは4月末に自分が使用し、プラチナからミシックまで一気に駆け上がった。

ダイヤに上がった直後~ダイヤ1までは無敗で、ダイヤ1前後でスタックしたがPTの配信を見ながらミシックまで一気に上がった。
勝率も直近勝率7割超えとかなり安定している。

元のリストから『ピクシー』を排し、PTで松浦さんが使っていた『号令』を採用。
『ピクシー』はそもそも今の環境でレンジが合っておらず、そんなにモタモタゲームをしていたのでは全除去を撃つ隙を与えるだけであると感じた。

また、『号令』は最近は入れていなかったが、改めて採用してみると『アニムパカル』とあり得ないほど相性が良い。
また、『号令』のETBバーンによる別軸での戦いも可能となる。
松浦さんの構築では3枚だったが、1マナ帯で安定して『スクレルヴ』が手札を通過してほしいためそちらに枠を割いている。
枚数について、『号令』は2枚は置けるが3枚目はあまり引きたくないため2枚採用で良いと考えている。

また、サイドボードのIN/OUTも抜本的に見直し、基本的に『1マナ帯』と『援軍』には触らず、『門道急行』『イモデーン』『アニムパカル』『イーオス』辺りから相手に応じて入れ替えるプランを採用。
この辺りから、このデッキの強みは大量のゴミの押し付けを『号令』などのアンセムによってバックアップするブルドーザー戦法であるという認識を強く持ち始めた。

サイドボードで1マナ帯を抜いてデッキをもっさりさせてしまっている人は今一度その辺りを見直してほしい。


PT直後の環境(2024/05/01~)

PT直後のこの環境はドメインとアゾコンが隆盛を極めることとなる。
マッチングを入れたらほとんどドメインとアゾコンにしか当たらない。
どいつもこいつも太陽降下でお手軽リセットしてくる。

他にも、ティムール土地コンボや4Cレジェンズなどのコンボデッキも勝ち上がっており、これらを食いつぶす形でエスパーミッドがビートダウン系デッキの中で頭ひとつ抜けている。

また、ほとんどのデッキが全除去をメインに積んでおり、サイドから増量する形でアグロ全般を抑え込んだため一気にボロス召集がランクを落としている。
アグロが減っているということはボロス召集からするとある程度嬉しいことであり、全除去もケアれる範囲なため、構築次第でいくらでも勝てると思う。

エスパーミッドは有利なので石術の連射と失せろで死体蹴りするとして、問題は大量の全除去を積んだコントロールデッキとコンボデッキである。
ゴバカーンで相手の動きの阻害や全除去への耐性を賄っていたが、最近は全体追放系の除去が多く守れない。
また、ゴバカーン自体も一時的封鎖によって追放されるため、サイド後に追放除去が増量される今は対策と成り得ていない状況だった。

これは5月頭に使っていたリスト。

メインボードは”完成した”と言って差し支えなかったが、サイドボードが一切定まらない。
「サイドボードしたから有利になった」ということが一切感じられないのだ。

戦績も2-7で、内訳を見ると先攻勝率は60%以上あるが、後攻勝率があり得ないほど低い。

問題点を挙げると、
・アゾコンやドメインなどの『太陽降下』というタイムリミットに対する解答が用意できていない。
・サイドボードの採用理由が明確でなかったり、考え方がズレている。
・有利不利を明確化していなかったため、とりあえず勝ちそうなカードを散りばめてしまっている。
などが挙げられ、総じて言えば雑、キツい言い方をすれば考えなしのアホである。

このようにブチギレながらプレイしているが、今見返すと甘えた構築に甘えたプレイで相手に太陽降下を撃たせる猶予を与えていただけで、何も考えずにプレイしているのが伺える。
が、これのお陰で今があると言っても過言ではない。
このストレスから脱するため、サイドボードや構築を見直す旅が始まる。


このデッキの根本に立ち返る(2024/05/04~)

4月末部分に「このデッキの強みは大量のゴミの押し付けを『号令』などのアンセムによってバックアップするブルドーザー戦法である」と書いたが、それを地で行ってみようという試みが以下のリストである。

目を疑う人も多いだろう。
そう、『イーオス』がサイドに入っている

そもそもドメインやアゾコン対面でイーオスを投げる動きに懐疑的になり、このデッキを握り初めた1月頃からその対面ではサイドアウトしていた。
アゾコンとドメインが圧倒的に多いこの環境なら、初めからサイドアウトしてしまえという試みである。

勝率で言えば12-10で、先攻勝率が少し低い。
このデッキ最強の2t『イーオス』という押し付けを捨てているから辺り前である。
全体的に何とも言えない結果となったが、緑黒ミッドレンジに対して4-0しているのは面白い結果である。
このデッキ相手に『イーオス』はさほど必要ではないというデータが取れた。

全体で言えばトントンの勝率だが、途中で8ー2してプラチナ3→ダイヤ4に上がっているのでここで変なバイアスがかかってしまい、身内に必死にこの構築の良さを力説したが、一度冷静になれと怒られてしまった。

この革新的な思いつきについて是非共有したかったが、以下の聖典より引用されたため渋々『イーオス』とは何だったのかについて考え直すこととした。


イーオスの遍歴の騎士とは(2024/05/06~)

『イーオスの遍歴の騎士』とは一体何なのか。
スペックをそのまま見れば強い事しか書いてないが、正直使ってると攻撃したいのか盤面展開したいのかチグハグとなり、どちらを選んでも太陽降下でリセットされてアド損をこくカードという印象が拭えない。

確かに2tイーオスは強い。
ETBで『イモデーン』を持ってくれば『一時的封鎖』や『集団失踪』よりも早くにライフを危険域まで詰められる。
が、それは2tに限った話である。
3t以降は2t目までに出したカードは殴りたい。
『イーオス』を出せば全除去の的だし、せっかく並べた小型は相手のライフを1点も削らずに退場する。
「『一時的封鎖』に対してなら小型をタップして4/4出してるから実質その打点分は残るのでは」とも考えてみたが、『イモデーン』でバフして殴った方が効率が良く、ライフを削ったという結果はどうやっても消えない。
そもそも3tに出して、太陽降下までに先手でも2パン、後手なら1パンしかさせて貰えない時点で相手のライフはまだ10以上あるのだ。
アゾコンやドメイン相手の『イーオス』は2t目以外人権が無いのだ。

そうなると、プレイ基準が変わってくる。
2t目までに『空の管理人』『ひよっこ検査官』『解体』『イーオス』『赤白ファストランド』×2があった場合、あなたはどうプレイするだろうか?
・1t『ひよっこ』、2t『管理人』→能力起動+『解体』→能力起動 エンド
・1t『ひよっこ』、2t『管理人』+『解体』+『イーオス』 エンド
自分は今の環境で言うなら後者が正解であると思う。
前者は占術2回しながら次ターンにX=5召集という最大値は取れる。
が、それはあなたにとっての強さであり、やられた側としては全除去すればほとんど被害が無い。
相手の除去の兼ね合いや、全除去というタイムリミットや、クロックテンポを考えれば後者以外あり得ない。

イーオスのプレイ基準として、
・相手のデッキにタイムリミットが存在するか?
  はい→2tイーオス以外許されない
  いいえ→いつでも良く、盤面を優先して良い
というのを頭に入れるべきだと考えた。
タイムリミットとは全除去や明確なリーサルターンである。(アゾコン、ドメイン、世界魂などがタイムリミットの存在するデッキ)

以上より導かれた思考を元に構築したのが以下である。

この構築で15-4、実に79%という高勝率でダイヤ4→ミシック#93位まで駆け上がった。
甘えたプレイの一切を排し貪欲にアグロとボード構築をする、尖った思想によってゲームを組み立てる。

自分でもプレイひとつでここまで勝率が変わるものかと驚いた。
なにせこの3日前は同じ構築で3-6していたのだ。

プレイ時に考えたのは以下のことである。
・イーオスは2tで積極的に出す。
・殴れるのにイーオスを出すのは基本的にテンポ損な為殴りを優先する。
・メインではロングレンジを見ると管理人とアニムパカルがフィニッシャーとなるため、イーオスなどに除去を切らせる動きをする。
以上の基礎的な事をベースに、対面ごとに細かく思考を修正した。

また、サイドボードでは
・タイムリミットがあるデッキはゴバカーンやエイヴンで遅延することで殴れるターンを増やす。
・除去の切り方で全除去の有無を把握し、突っ込むか構えるかを見極める。
・デッキが強く、プレイングやプランニングで勝つことが可能なため、過剰なサイドボードに気をつける。
ということを心に刻んだ。

事実、環境最多のエスパーミッド相手は、世間的に微不利であるとされながらも有利に立ち回ることが可能で、サイドから入れるのは『失せろ』×2と『石術の連射』×2の4枚だけである。
正直これも入れなくても勝てるが、他のデッキ対策で入れてるカードが偶々刺さるため入れるという程度である。

こうして、このデッキはメインサイド共にひとつの”理”として完成した。
まだ更新の余地はあるものの、この”理”は揺るがないだろう。


エイヴンの阻む者との邂逅(2024/05/03)

『ゴバカーン』の良いところを上げるとキリが無いが、悪い点を上げると
・殴らないといけない
ということである。
これは相手がブロッカーを立てた場合、少し損な殴り方をしなければならない。
更に、殴るために展開すると『一時的封鎖』で『ゴバカーン』ごと持っていかれるというおまけ付きである。

また、『ゴバカーン』を2tで置くのは弱いと考えており、1マナ生物→ゴバカーンと置いた場合、イモデーンを持っていなければこのゴバカーンが裏返るのは4t目である。
そうなると、1~2tは展開で3tでゴバカーンを投げたくなる。
しかし、サリアを2tで置くと3tでは裏返らない。(追加1コストが足りない)
結局裏返ると4tである。
4tは先手なら全除去にギリギリ間に合うが、そこまでして太陽降下前に顔面に入れられる打点は限られる。
ちびちび殴っていては全除去の的な上、展開しようものならそれこそ全除去の的である。
そう考えると、アゾコンやドメインにサリアを入れたい都合、エイヴンを構えた方がより自分が動きやすいと言える。

そこで、『エイヴンの阻む者』であらゆる受けに対しての解答としつつ、返しに『イモデーン』や『号令』で勝ち切るというプランを用意。
当然『ゴバカーン』と違い、単体でできることが少ないためこのカードで勝つというよりは勝つカードに繋げるカードという認識。
考えとしては『サリア』と同じで、『サリア』がカード単位の遅延ならこちらはターン単位での遅延。
『イモデーン』は1マナ生物+本体で投げるとより殺意が高まるため、3t『エイヴン』→4t『1マナ生物』+『イモデーン』の動きで確殺まで持っていきたい。
また、全除去を持っている相手の動きがそもそも弱くなりがちで、「全除去を持っているから他のカードが弱くてもキープ」「全除去があるから1~2tで生物はほぼ立てない」等の甘えを咎めることができる。

重ね引きした際も強力で、『ゴバカーン』は結局生物が全部除去られると何もできないが、『エイヴン』は雑に投げても目的を果たせる。

メインボードのマスターピースが『スクレルヴ』と『アニムパカル』なら、サイドボードのマスターピースはこの『エイヴンの阻む者』である。


~常滑前日まで(~05/24)

ミシックに上がってからの1ヶ月は、前半はランクを維持できたものの後半で最悪の結果となった。

この構築はミラーで余りにも弱すぎるのだ。

いや、もしかしたらMTGAが内部で手札を操作してたのかもしれない。
事実、知り合いはミラーでめちゃくちゃ勝ってた。

しかし、自分の対面は常に祭典壊しを2枚以上連打してくるし、こちらは必死に盤面を作るが手札が地味に噛み合わない。

怒涛のミラー4連敗を経てランクは1000位を下回る…

しかし、めちゃくちゃランク勝って励ましてくれてる知り合いの手前今更引き返せないのでしぶしぶ常滑へと向かうのであった…


~常滑オープン当日(05/25~05/26)


自分が使ったリスト
ファイナル男が使ったリスト

ファイナル男は
・ダニ2 → ダニ1ヨーティア1
・門道急行4号令2 → 門道急行3号令3
にし、サイドボードを変えている。
ファイナルはデッキリスト公開の都合、サイドボードがこうなっている。(細かいことは本人へ)

マナベースは最後まで迷っていたようだが、結局同じ配分で出ることに。

当日の戦績はというと…

1.ボロスコントロール◯◯
2.ドメインアトラクサ✕✕
3.アゾリウスコントロール◯◯
4.黒単◯✕✕

2-2で決トナの目が無くなったので終了。

ドメインアトラクサはメインダブマリが響き全除去食らって追撃できず負け、サイド後は全除去3連打(一時的封鎖、集団失踪、太陽降下)されて何もできずに破壊された。

黒単は『危難への道』『寄生性掌握』とかいうボロス召集と赤単を殺すためのカードがサイドに大量投入されており、サイド後に完全に破壊された。

結果は惨敗だが、ここまでピンポイントな対策と全除去3連打受けないと止まらない構築に仕上げ、相手の引きが解答でなければあわよくばまだ勝ちの目があったという点では満足している。

そして、ファイナル男はというと。。。

なんとDay1をギリギリで通過!
ドメインと青白コンはありえんくらい全除去連打されて負けたらしく、やはり全除去がキツい。

そしてDay2

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!

あと1勝していればPT確定、なんならオポが良くてもPT行けたがギリギリ足りず。
上位の2人が権利持ちのため繰り下がりでファイナルはチェインできるらしくまだ舞えるらしい。


おめでとうございます!!!!!


まとめ

結果としてはギリギリファイナルチェインを生み出す構築の基礎を作れたことは一つの成果だと思う。
『スクレルヴ』で除去を吸い、『空の管理人』と『アニムパカル』の面と点での攻撃で揺さぶりをかける、2軸の攻め手を有しながらドブンの2t召集や号令での3軸目も控える多角的な構築は当日も大きく勝利に貢献してくれた。

一つのデッキを約2ヶ月に渡り調整したのは良い経験になったし、自分自身ではないが結果にも繋がった。
これからも何かしらの大会があればまた挑戦してみたい。


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