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【NJRPG-2ND/シナリオ】フォールス・ウインター:#12:バット・ウィー・アー・ヒア
あらすじ:ネオサイタマ都知事選が開かれるその日。鷲のニンジャたちは遂にカスミガセキ・ジグラットへの総力戦を決行する。互いに警戒し厳重な防衛網を引く2大ニンジャ組織をかき乱しながら、彼らの行動はネオサイタマを取り返しの付かない戦火へと巻き込んでゆく。
これは「ニンジャスレイヤーTRPG2版」のシステムに対応した、「鷲のニンジャ」がテーマのキャンペーン『フォールス・ウインター』の第12話かつ最終チャプターの「破」に該当するサンプルシナリオ記事です。
プレイ人数:4名
所要時間:12時間(オンラインセッション/テキストセッション)
難易度:キャンペーン専用のルールで作成後、10シナリオを踏破した程度の強さのPCを想定(成長の壁(1)をそれぞれ2~3つずつ超えている。さらに成長の壁(2)を1つ超えた直後程度の、ほぼ限界級の能力値)
キャンペーン全体の背景設定やルート分岐の調整方法などは、別途CPセッティング記事も参考にしてください。
※各ゲーム要素はニンジャスレイヤーTRPG初版で行ったキャンペーン実卓を元に、2版向けへコンバートされたものです。ゲームバランスは現行環境やプレイヤーキャラクターに合わせて都度調整することを推奨します。
関連記事はこちらのマガジンから。
◇本文中に登場する略称
NM:ニンジャマスター → ゲームの進行役。描写などを行う。
PL:プレイヤー → ゲームの参加者。PCを操作する。
PC:プレイヤーキャラクター → ゲーム内の主人公。メインキャラ。
前シナリオ
はじめに
このシナリオは、最終的な分岐選択で全てのPCが『アシッドウルフ』率いるブラックサイトに加担することを選択し、反アマクダリ・反アガメムノンの立ち位置を取る鷲のニンジャ勢力となった場合を想定した内容となっている。
ブラックサイトは【キャン・ネバー・ビー・ザ・セイム・パーソン・アズ・ビフォア】におけるPCの活躍の結果としてアマクダリ・セクトを出し抜き、月面のA.R.G.O.S.とリンケージを確立し、このシナリオ時点で味方として取り込むことに成功している。PCはA.R.G.O.Sの支援のもと、"腕"のニンジャ「フォーフェイター」と共にカスミガセキ・ジグラットの防衛網の突破を目指すことになる。
物語の時系列としては年の瀬~年始頃、特に【ネオサイタマ・イン・フレイム】のタイムライン・イベントを下敷きにしており、PCたちがアマクダリ・セクトとのイクサを行う背景では、サキハシ知事とラオモトが出馬する都知事選が繰り広げられている。
本来であればラオモトの知事就任はセクトに対して大きな問題とはならない(誅殺による乗っ取りが考えられた)はずだったが、アシッドウルフの工作により力を削がれ、再定義計画に干渉されるリスクすら生まれ始めたセクトは、なりふり構わず戦力を投下してPCを迎撃しにくるだろう。
マップデータ
このシナリオで使用するマップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。
導入
「カナリー・ヴィルの件、見事な手際であった。貴様らの働きぶりには常々感心させられるぞ」グレーのダブルスーツを纏う男。"ボス"すなわちアシッドウルフは、鼻から下を覆うハーフメンポにパイプを差し込み、無機質な隠れ家に煙をくゆらせた。「つまるところ、"俺"の人選は最初から正しかったということか」
「これはセクトに対する王手だ。アガメムノンはさぞ立腹していることだろう」その言葉には幾分かの感慨深さと、重々しいアトモスフィアが込められていた。青い眼が細められる。
「我々の最大の敵、アマクダリとの決戦の日は、このネオサイタマで都知事選が開かれるその日だ。貴様らの仕事は当面のところ、決戦の日まで身を潜めるということだ」
「そして全ての片を付けるまで、貴様らが私と再び相見えることはないだろう。生まれ変わった新たな世界で、諸君に会えることを楽しみにしているぞ」
この導入シーンでは、回想の形で【キャン・ネバー・ビー・ザ・セイム・パーソン・アズ・ビフォア】終了後に発生した"ボス"ことアシッドウルフとPCの会話を描く(前シナリオの終了時点でこれを描写しておいても構わない)。ボスは都知事選こそがアマクダリとの決戦の日であり、それまで身を潜めるよう指示を下す。
彼は計画の順調な進行にやや上機嫌となっており、決起当日には彼ではなく別の"誰か"が戦線の指揮を執るとして、暗に指揮官の役割を務めるA.R.G.O.S.の存在を仄めかす。ただし、その正体についてPCが知る必要はない。
ここで登場する"アシッドウルフ"はアレン・ダレス本人であり、オオカミのメンポの代わりにハーフメンポを着用し、パイプ喫煙を嗜む。注意深いプレイヤーは【オペレイシヨン・ケイオス】と同様に、彼の一人称/二人称が「私/貴様」で固定されていることに気がつくかもしれない。
もうひとりのアシッドウルフ(スパイマスター)は物語の背景で既に動き出しており、彼と再開するのはもう暫く後のこととなる。
合流
―――そしてネオサイタマ都知事選、当日。
『合流地点に接近。周辺敵影なし。倉庫内でフォーフェイター=サンと合流せよ』目標地点へと移動を続ける君たちに、IRC経由で指示が下される。発信元は"彼"こと『A.R.G.O.S.(アルゴス)』である。
突如としてアシッドウルフの配下に現れた、謎めいたハッカーニンジャ。その指示はマシンめいて正確無比。それは不気味なほどだが、最早アシッドウルフの采配を疑う余地はない。目標地点の湾岸倉庫はもうすぐそこだ。
###PCが倉庫内に入った場合###
寂れた湾岸倉庫のひとつでは、武装したメイライ社の兵士たちと、1人のニンジャが待ち構える。呪術的装束を身にまとう、ヤギ状メンポのニンジャ。彼こそが"腕"のニンジャの1人、フォーフェイターである。
「ドーモ、フォーフェイターです。貴方達のことは、アルゴス=サンから聞いていますよ」ゆらりと立ち上がる。その背後には軍用の装甲車両が2台、そして、重モーターサイクルが数台。
「あれは貴方達のものです」萎びたような不気味なサイバネ指が、モーターサイクルを指す。奇妙なことに、その側面には軍用のランチャー砲らしきものが立て掛けられていた。
都知事選にネオサイタマが緊張状態に陥るなか、警戒を強めるソウカイヤとアマクダリはそれぞれが主要拠点に厳重な警備体制を敷く。その一方で謎のハッカーニンジャ、アルゴスの指揮のもとPCは動き出し、隠された湾岸倉庫にて"腕"のニンジャ、フォーフェイターと合流することになる。
フォーフェイターは武装したメイライ社の兵士が満載の装甲車と、PCのために重モーターサイクルを用意して待ち受けている。さながら特殊部隊のようにも見えるが、武装した兵士はフォーフェイターのジツによって既にズンビーと化している。
『ナビゲートを継続。移動を開始せよ』アルゴスから新たな座標指示が到着する。「武器は後々必要になりますよ。では、行きましょうか」フォーフェイターと兵士たちは走行車両へと乗り込み、エンジンを掛ける。先導は彼らだ。
そして君たちは本能的に理解する。あの重モーターサイクルに跨り、アクセルをひねった瞬間から、止まることのない最後の大イクサに飛び込むことになるのだと。
―――君たちはモーターサイクルのアクセルを捻る「スタートザーマシーン」ドウ!推進剤を噴射し、重モーターサイクルがロケットスタートした!
最低限のミッションブリーフィングと、フォーフェイターとの情報交換を終えると、PCを含む合流したブラックサイト戦力は湾岸倉庫からの移動を開始することになる。
アルゴスの指令は極めて端的で、次に行うべき行動指示を断続的に送り込んでくるため、この段階では全容は分からない。しかしUNIX上のナビゲーション・ルートは最終的な目的地をカスミガセキ・ジグラットとして、湾岸倉庫からネオサイタマの市街地を奇妙な経路で通過することを示している。
◇NPCデータ:フォーフェイター
![](https://assets.st-note.com/img/1699021682831-KeDhhlwWSC.png?width=800)
呪術的装束をまとい、特殊な装飾が施されたボーを携帯する"腕"のニンジャ。ノロイによって大量のモータルを無差別に殺害した後、死体を蘇生して軍隊を生成するテロリズムに特化したジツを有する。彼はかつてアマクダリ・アクシスに末端ニンジャとして所属し、サクリファイサーという名を名乗っていた。
秩序を求めるアマクダリとそのジツの相性は悪く、彼は力を存分に発揮できない管理抑圧体勢に強い不満を抱いていた。アシッドウルフはサイバネによってジツを強化すると同時に、洗脳によってその感情をセクトへの憎悪や敵対心へと昇華させ、便利な手駒へと仕立て上げた。故に、フォーフェイターはアマクダリ・セクトへの過剰な憎悪をモチベーションとして行動する。
一見して理性的にも思える彼の役割は、ジグラットへ突入し、職員から大量のズンビー軍団を生成してセクトの本陣に大混乱を引き起こすことだ。それが叶わなくとも、ジグラットまでの道程で無差別的に生成される不死者の軍勢はセクトの防衛網をかき乱すだろう。彼は伝染性の自爆テロリストのような存在だ。
「どうした、それしきのカラテでこの私は殺せぬぞ……!」
◆フォーフェイター (種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 13
ニューロン 12 精神力 19
ワザマエ 8 脚力 4/N
ジツ 6 万札 -
近接D:12(15)、射撃D:9、回避D:15(18)、発動D:19
◇装備や特記事項
装備 :『呪術ボー・ロッド(ヤリ)』、『魔術的ニンジャ頭巾』
サイバネ:『▶▶▶鷲の腕Lv3』、『▷▷ジツ拡張サイバネ(ジツ+2)』
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●マルチターゲット』、『●時間差』
『◉緊急ブリッジ回避』、『◉翻弄』、『◉ニンジャソウルの闇』、『◉邪悪なサディスト』
『◉◉グレーター級ソウルの力』、『◉◉憎悪:アマクダリ・セクト』
『●戦闘スタイル:☆サクリファイス・ケン』:
攻撃フェイズ開始時に【精神力】1をコストとして消費することで一時的に使用可能。
この近接攻撃は出目【6,5+】で『サツバツ!』が発生する。
この攻撃が命中したモータルは『即死』し、即座に術者支配下の「ズンビー」として蘇生する。
『★◉セルフ・サクリファイス・ケン』:
自身に不可逆的なサクリファイス・ケンを発動し、耐久力を爆発的に高める。
手番開始フェイズに【精神力】を2消費して発動(難易度HARD、瞬時)。
・常時『ダメージ軽減1』かつ『【カラテ】値+3』を得る。
・受けた【体力】ダメージを任意の値だけ【精神力】ダメージに変換できるようになる。
・術者は日の出と共に爆発四散する(日の出のタイミングはマスターの裁量に委ねられる)。
『★★インプルーブド・サクリファイス・ケン』:
ボー・ロッドを触媒とし、ネンリキめいた力でサクリファイスの儀式を複数人へ同時行使する。
その他の行動として、【精神力】2を消費して発動する(難易度HARD、1行動)。
術者を中心とする5x5範囲内の「モータル」全員が「即死」し、即座に「ズンビー」として蘇生する。
『★コープス・ナパーム・ジツ』:
手番開始時に「瞬時の行動」として使用可能。発動判定は不要。
即座にマップ上の「ズンビー」を移動させた後、『●ナパーム自爆』を発動させることができる。
◇NPCデータ:サクリファイス・ズンビー
フォーフェイターはサクリファイス・ケンにより、犠牲者の心臓をえぐり出して口内に押し込めることで特殊なズンビーを作り出す。このズンビーはフォーフェイターの支配下にあり、簡単な命令であれば遂行することができる。
◆ズンビー (種別:モータル/ズンビー)
カラテ 2 体力 4
ニューロン 2 精神力 -
ワザマエ 3 脚力 3/N
ジツ 0 万札 -
近接D:4、射撃D:3
◇装備やスキル
『噛みつき』:
近接攻撃、2ダメージ、回避NORMAL、命中で拘束状態になる(脱出難易度HARD)
『●サクリファイス・ズンビー』:
・「火炎ダメージ」を除く『遠隔攻撃』に対する『ダメージ軽減1』を持つ。
・『サツバツ!』による『頭部破壊』を受けた場合、即死する。
・あらゆる精神攻撃や毒の影響を受けない。
『●ナパーム自爆』:
・自身を中心とした3x3マスの敵にダメージ1と回避ダイスダメージ3を与える(回避NORMAL)。
・効果を発揮した後、このキャラクターはマップから取り除かれる。
・複数体がこれを使用する場合、時間差として扱われる。
シーン1:ソウカイヤ勢力の揺動
君たちはインテリジェント・モーターサイクルに跨り、フォーフェイターの装甲車に先導される形で湾岸部を駆け抜ける。時速666km。片や汚染された黒い海、片や目まぐるしく流れ行くネオンの海。
対象的な2つの世界に挟まれる一行に、アルゴスからさらなるIRC指令が飛ぶ。『交信終了から30秒で目標、湾岸倉庫に到達。目標を爆撃後、即座に次のポイントへ移動せよ。静止可能時間5秒』
このシーンではフォーフェイターの装甲車に先導され、モーターサイクルに跨るPCは次々とソウカイヤの拠点を襲撃していくことになる。指示に従ってPCが建物にランチャー砲を撃ち込むたびに、アルゴスはソウカイネットヘ偽の出動命令を流し込み、一行への追撃の手を徐々に激化させてゆく。
『ソウカイ・ネット経由で偽の出動命令を発報。先程の拠点より迎撃部隊が出動。指令、次の2ルールを厳守せよ。破った場合、戦局は不利になる』
・敵勢力を全滅させるな
・敵ニンジャを爆発四散させるな』
追加で通達されるアルゴスの指示は極めてシンプルであり、ソウカイヤの拠点を爆撃しながら、反撃に現れたニンジャを"爆発四散させずに"、ネオサイタマを高速で移動し続けろというものだ。
プレイヤーはロールプレイ描写を挟みながら、後述の特殊なルールで戦闘を行いつつ、ソウカイヤの追撃戦力を誘導させられることになる。
戦闘マップと襲撃イベント表
![](https://assets.st-note.com/img/1699084657822-Fd7oKAuLMC.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1699084734886-FiJ3BnLwVN.png?width=800)
このシーンにおける戦闘では「ハイウェイ」の戦闘マップを使用する。マスターは任意の場所にPCを配置させてから、それを取り囲むように敵NPCを配置する。
1ターン目:KABOOOOM!かつてヨコハマロープウェイクランの所有物だった沿岸部コンテナヤードが炸裂弾を受け火を吹く!:「鬼瓦装甲車&掃射クローンヤクザ」がPC人数分だけPOPする。
2ターン目:KABOOOOM!かつてブラッドカタナ・ヤクザクランの所有物だったアジトが炸裂弾を受け火を吹く!:「ヤクザトラック&クローンヤクザ」がPC人数-1台だけPOPする。
3ターン目:KABOOOOM!ソウカイヤ傘下のアパートメントが炸裂弾を受け火を吹く!:ソウカイニンジャが4人POPする。
5ターン目:開始時点でシーン終了。次のシーンへと移行する。
マスターは上記のイベント表を参考に、PCが次々とソウカイヤの拠点を爆破するロールプレイシーンを挿入しながら、敵NPCを順番にPOPさせて戦闘処理をおこなうこと。なお爆破される拠点はどこでもよく、プレイグループが別のセッションなどで訪れたことのあるソウカイヤのテリトリーを選択して置き換えても構わない。
アルゴスはソウカイヤ勢力を大量に引き連れた状態でPCを突撃させ、ジグラット周辺に展開されたアマクダリの堅牢な防衛網に混乱をもたらそうと考えている。
戦闘の勝利条件:4ターンの戦闘を生き延びる。また以下のサブ条件を満たしたかどうかで、以降のシーンの難易度が変化する。
*敵戦力をマップ上で全滅させない。
*敵ニンジャを爆発四散/行動不能にしない。
モーターサイクルの搭乗ルール(オプション)
このシーンの間、PCはモーターサイクルに搭乗した状態で戦闘を行うことになる。マスターは通常のビークル操縦のルールを適用しても良いが、モーターサイクルがアルゴスによって制御補助を受けているものとして、幾つかのペナルティを無効化しても構わない。
*この戦闘では全PCの【脚力】が4固定(斜め移動可)となり、移動スタイルが使用不可となる。
ダイダロスの介入(オプション)
【オペレイシヨン・スターゲイト】にてダイダロスに有効打を与えられておらず、活動可能な状態である場合、彼はアルゴスによる偽の出動命令を感知して即座に対抗策を講じてくる。以下にはダイダロスによる介入の影響の例が記載されているが、実際にどのようなものになるかはマスターの裁量に委ねられる。
*アルゴスはダイダロスの妨害に演算リソースを割く必要が生まれ、PCのモーターサイクルの制御補助を手放してしまう。PCはビークル操縦ペナルティの軽減を受けられなくなる可能性がある。
*ダイダロスはPCの進路を先読みし、行く手を阻むように戦力を配置する。PCは通常よりも苛烈なソウカイヤの攻撃を受けることになる。
*ダイダロスはより上位のエージェントを派遣し、PCを妨害しつつ(アルゴスの正体など)情報を引き出そうと試みる。加えて、アマクダリのテリトリーに侵入しないよう、絶妙なタイミングで戦力を撤退させる。PCは後の対アマクダリ戦闘において、ソウカイヤ戦力の残数に応じたボーナスを全く得られない。
◇NPCデータ:ヤクザトラック&クローンヤクザ
プァーン!クラクションが鳴り、前方の箱トラックが徐々に速度を落としてアイアンオトメの前にはりついた。コンテナのシャッターには「度胸」とミンチョ書きされている。シャッターが上へ引き上げられていく。数十人のクローンヤクザがアサルトライフルを構え、ニンジャスレイヤーを狙っている!
◆ヤクザトラック&クローンヤクザ (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ - 体力 10
ニューロン 2 精神力 10
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ - 万札 -
射撃D:10(残りの体力か精神力、どちらか少ない方の値に等しい。)
◇装備やスキル
『アサルトライフル一斉掃射』:連射X、1ダメージ、時間差、回避EASY、射撃難易度EASY
※Xは残りの体力か精神力、どちらか少ない方の値に等しい。
『●集団エネミー』:
・複数体のモータルの集合体であるため、『ヘッドショット』による即死効果を無効化する。
・近接攻撃の『痛打+X』効果と『属性ダメージ+X』効果を無効化する。
『●脆弱性:爆発/範囲攻撃(体力1)』:
範囲攻撃や爆発によるダメージを回避できずに【体力】を失った場合、
そのフェイズの終わりに『●脆弱性』に書かれた内容だけ追加でダメージを受ける。
◇NPCデータ:鬼瓦装甲車&掃射クローンヤクザ
ニンジャスレイヤーはさらにアイアンオトメの速度を加速させる。後方から二台、鬼瓦で武装した装甲車がニンジャスレイヤーと同様に加速。背後に張り付いてくる。瓦屋根天井のハッチが開き、クローンヤクザがミニガンを構えて迫り出した!
◆鬼瓦装甲車&掃射クローンヤクザ (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ - 体力 6
ニューロン 1 精神力 6
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ - 万札 -
射撃D:4
◇装備やスキル
『据え付け型ミニガン』:連射4、1ダメージ、時間差、回避EASY、射撃難易度EASY
『●集団エネミー』:
・複数体のモータルの集合体であるため、『ヘッドショット』による即死効果を無効化する。
・近接攻撃の『痛打+X』効果と『属性ダメージ+X』効果を無効化する。
『●脆弱性:爆発/範囲攻撃(体力1)』:
範囲攻撃や爆発によるダメージを回避できずに【体力】を失った場合、
そのフェイズの終わりに『●脆弱性』に書かれた内容だけ追加でダメージを受ける。
PCを追跡するソウカイニンジャたち
「ドーモ、アースクラッシャーです」「エボニーバロウです」「ブランクカットです」「ナイトベンチャーです」ビルの合間を飛び渡りながら、4人のニンジャがエントリーする。
「不届き者共めが。ソウカイヤのテリトリーと分かっての狼藉か?」
PCの襲撃に伴って、ソウカイヤからは4人のニンジャが追撃に現れる。マスターは3ターン目に彼らをまとめて登場させても、ターン進行に伴って順番に登場させても構わない。
なおソウカイニンジャのデータはゲームバランス調整のため、比較的低水準に抑えられている。もう少し戦闘でプレッシャーを掛けたい、あるいは本来の想定ステータスに近づけたい場合は、全ての能力値を1.5倍程度に増加させてやると良いだろう。
◇NPCデータ:アースクラッシャー
![](https://assets.st-note.com/img/1699028004640-uf9dtQSgB7.png?width=800)
ドトン・ジツの使い手。岩やコンクリートでも叩き砕き、その破砕片を身に纏うことでカラテを指数関数的に増加させる。
◆アースクラッシャー (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 5
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 4 脚力 3(5)
ジツ 2 万札 -
近接D:5(8)、射撃D:4、回避D:6(8)、発動D:8
◇装備やスキル
スキル:『☆ヘンゲヨーカイ・ジツLv2』、『☆◉弾き飛ばし』、『◉スマッシュ』
『●射撃スタイル:礫の殴り飛ばし』:
叩き砕いたコンクリート片などを殴り飛ばす。スリケンによる射撃とみなす。
この射撃は【カラテ】判定で行い、基礎ダメージ2かつ出目【6,5+】で『痛打+1』となる。
◇NPCデータ:エボニーバロウ
![](https://assets.st-note.com/img/1699061403011-ZU2h0FTE7W.png?width=800)
大樹に繰り返し叩きつけるバン・ロウと呼ばれるトレーニングにより、常人の2倍のチョップ力を持つ。
◆エボニーバロウ (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 6 精神力 10
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 3 万札 -
近接D:8、射撃D:5、回避D:7
◇装備やスキル
スキル:『●連射2』、『☆謎めいたニンジャソウル』
『◉不屈の精神』、『◉◉タツジン:コッポ・ドー』
『☆◉バン・ロウの秘技』:
攻撃フェイズ開始時、【精神力】1を消費することで一時的に『攻撃ダイス+2』を得る。
集中状態の場合、この効果は『攻撃ダイス+3』になる。
◇NPCデータ:ブランクカット
![](https://assets.st-note.com/img/1699028173011-9dpa6vcGS1.png?width=800)
グレネード弾を空中で反射させる特殊な偏差射撃の技術を持つ。
◆ブランクカット (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 7
ニューロン 5 精神力 6
ワザマエ 5 脚力 4/E
ジツ 0 万札 -
近接D:4、射撃D:7、回避D:5
◇装備やスキル
防具 :『防爆スーツ(体力+2)』
サイバネ:『▶サイバネアイLv1』、『▶クロームハートLv1』
スキル :『◉常人の三倍の脚力』
装備 :『グレネードガン(連射1、射線の通る任意のマスを中心にカトンLv1)』
『●移動スタイル:アサルト・タクティクス』:
『通常移動』を行う。この移動の間、任意のタイミングで瞬時行動として「射撃」を行える。
◇NPCデータ:ナイトベンチャー
![](https://assets.st-note.com/img/1699028118916-92xgMfQlnJ.png?width=800)
夜陰へ紛れるようにして、猛毒の黒い霧を常に全身へ纏っている。
◆ナイトベンチャー (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 5 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 3/N
ジツ 4 万札 -
近接D:5、射撃D:6、回避D:6、発動D:9
◇装備やスキル
スキル :『★◉毒手』、『☆◉神経毒触媒』、『★チドク・ジツ』
サイバネ:『▶クロームハートLv1』、『▷第二の心臓』
『☆ポインズンブレス・ジツ』:
【精神力】1を消費して発動。隣接する3x3マスか自身を中心とする3x3マスの敵全員に
『毒属性ダメージ1』を与える(回避HARD)。命中した対象は『不覚状態』となる。
シーン2:アマクダリ防衛網を突破せよ
KRAAASH!凄まじい衝撃音と共に先頭装甲車がスピンする。すれ違いざま、装甲車のフロントガラスが貫かれ、運転手の頭部が弾け飛んでいるのが見える。遥か遠くのビルに、黄金装束。狙撃だ!
さらに「クオオオー!」「クオオオー!」「クオオオー!」有機機械じみた叫びがあちらこちらから響く。
『作戦続行可能。フォーフェイター=サンは交戦開始。他4名はそのまま前進せよ』アルゴスは冷徹な判断を下す。あるいは、フォーフェイターも十分な手練ということか。『お先にどうぞ。私は少し"補充"をしてから向かうとしましょう』銃撃音と共にフォーフェイターとのIRC交信が途切れた。
シーン1を切り抜けると、十分なソウカイヤの追撃戦力を引きずり出すことに成功したPCは、遂にカスミガセキ・ジグラットへと向けて進軍を開始することになる。
しかしながら、このシーンが始まると即座に、アマクダリ側のスナイパーニンジャの狙撃によりフォーフェイターの装甲車が走行不可能となり、車列から脱落してしまう。アルゴスは作戦続行可能と判断し、PCにはそのまま検問に突入するよう指示がくだされるが、そこで現れるのがアマクダリの防衛戦力の第一波だ。
PCはこの戦力を無視することはできず、強制的な戦闘処理に突入する。
戦闘マップ
遥か遠くにそびえるジグラットへと近づくにつれ、道路上に配置された厳しいサイバー検問所の存在が明らかとなる。このまま突っ切れば……『即座にビークルから跳躍回避を推奨。2秒。後方へ』
直後。BLATATATATATA!!加速接近してきたドラグーンの集中砲火が君たちのいた地点を襲う!モーターサイクルはアルゴスの制御により急慣性ドリフト。盾めいて的確に君たちへの弾丸をそらした!
だが……飛び降りたからには、この場で脚を止めざるを得ない
![](https://assets.st-note.com/img/1699084898984-tgRyoHM6XO.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1699084918694-NlYoZqC1Ln.png?width=800)
アマクダリの防衛戦力との戦闘では「検問所」の戦闘マップを使用する。マスターはマップ上の「◉マーク」上にPCを配置させてから、戦闘を開始する。
シーン進行条件:アマクダリ・セクトの戦力を全滅させる(スナイパーを除く) もしくは 4ターン以上に戦闘がもつれ込む。
この戦闘処理においては、まず次の敵NPCがマップ上に配置される。
・「アマクダリ戦力/防衛ニンジャ」合計5体
・「キュイラジアー」合計3体
・「ドラグーン」合計4体
そのうえで、PCはシーン1終了時点でマップ上に残っていた敵の数の半数(端数切り上げ)だけ「キュイラジアー」と「ドラグーン」を任意の振り分けで除外することができる(戦闘兵器が半自動的にソウカイヤ戦力を迎撃しようと火力をそちらに集中させるのだ)。
例:シーン2終了時点で鬼瓦装甲車が1体、ヤクザトラックが3体残っていた。ソウカイニンジャは4体生存している。したがってPLはキュイラジアーを3体、ドラグーンを1体の配分でマップから除外することにした。
◇NPCデータ:ドラゴンズゴールド
![](https://assets.st-note.com/img/1699069353004-JWgnLIqNbn.png?width=800)
アマクダリセクト所属。NSPDに出自を持つスナイパーニンジャ。遠方からも目につく黄金の装甲プレートを追って彼に接近すると、全方位からのカレイド・ヒカリ・スリケンによる手痛い待ち伏せ攻撃を受けることになる。
マスターはシーン2における戦闘難易度が低すぎると感じるのであれば、ドラゴンズゴールドにマップ外からPCを狙撃させると良い(このとき、攻撃系のジツは使用しない)。そうでなければ、彼はPCより後方で足止めを受けたフォーフェイターへの狙撃を継続する。
「補足されたのは俺ではない。お前だ」
◆ドラゴンズゴールド(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 7
ニューロン 8 精神力 13
ワザマエ 10 脚力 5
ジツ 5 万札 25
近接攻撃D:7、射撃D:12、回避D:10
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉シャープシューター』、『◉◉グレーター級ソウルの力』
『◉ニューロンブースト』、『◉翻弄』
装備 :『軍用サイバーサングラス(射撃D+2)』
『ミハル・スナイパーカスタム』、『タツジン・ロングバレル』
『LAN直結ユニット』、『回避パターン解析ユニット』
サイバネ :『▶▶生体LAN端子Lv2』
『★★カレイドスコープ・ヴィジョン・ジツ』:
周囲にミラーイメージを投影し、術者の精確な位置把握を困難にする。
『★★グレーター・ステルス・ジツ』とみなす。
『★カレイド・ヒカリ・スリケン』:
隣接射撃が可能な『★グレーター・カラテミサイル』とみなす。
術者が『グレーター・ステルス状態』の場合、1段階解除する代わりに、
1回分のコストで『★グレーター・カラテミサイル』を2回連続で発動することができる。
◇NPCデータ:アマクダリ戦力/防衛ニンジャ
「働かざるもの食うべからず。勤勉な市民の皆さんの努力を、不満ばかり言っている者らの怠慢で台無しにするなど、まこと遺憾なこと。社会保障事業は抜本的に見直し……」
街頭モニタに映るラオモトのスピーチを背景に、ヘリから複数のニンジャが降下する。すなわちモナーク、アドミラル、エクイステス、カッツバルゲル、プリザーヴ。
アマクダリ側の防衛戦力としては、以下の5人のニンジャが投入される。彼らはアクシスの予備戦力として運用されており、個々の実力や練度はアクシス級に劣り、大して強くはない。
ただし複数名のニンジャが入り乱れる戦闘となるため、マスターは『乱戦』のルールを適用しても構わない。PCの強さによっては、1人に対する攻撃人数の上限を3人まで引き上げても良いだろう。
◆モナーク(種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 8
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 7 脚力 6/E
ジツ 0 万札 10
近接攻撃D:8、精密D:7、射撃D:7、回避D:8
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉◉タツジン:ボックスカラテ』、『◉特殊近接ステップ』、『◉常人の三倍の脚力』
『二流アクシス』:出目【6,6】を含む攻撃は回避することができない。
◆アドミラル(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 7
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 7 脚力 5/H
ジツ 0 万札 10
近接攻撃D:7、精密D:7、射撃D:8、回避D:8
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット
『◉◉タツジン:ミリタリーカラテ』、『◉シャープシューター』
『◉ウィークポイント射撃』
装備 :『タツジン・オノミチx2』
『二流アクシス』:出目【6,6】を含む攻撃は回避することができない。
◆カッツバルゲル(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 7
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 7 脚力 6/H
ジツ 0 万札 10
近接攻撃D:8、精密D:8、射撃D:7、回避D:8
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉タツジン(イアイドー)』、『◉特殊近接ステップ』、『◉常人の三倍の脚力』
装備 :『ショートソード(カタナ)』
『二流アクシス』:出目【6,6】を含む攻撃は回避することができない。
◆エクイテス(種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 7
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 7 脚力 5/H
ジツ 0 万札 10
近接攻撃D:7、精密D:7、射撃D:7、回避D:8
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉◉タツジン:ヤリ・ドー』、『◉特殊近接ステップ』
装備 :『ヤリ』
『二流アクシス』:出目【6,6】を含む攻撃は回避することができない。
◆プリザーヴ(種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 8
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 9 脚力 6/E
ジツ 0 万札 10
近接攻撃D:8、精密D:9、射撃D:8、回避D:9
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉◉タツジン:二刀流』、『◉特殊近接ステップ』、『◉常人の三倍の脚力』
装備 :『ダブル・ショート・ボー(カタナ二刀流)』
◇NPCデータ:アマクダリ戦力/ロボ・ニンジャ
◆キュイラジアー(種別:戦闘兵器/大型1x1/クローンヤクザ*)
カラテ 8 体力 12
ニューロン 3 精神力 –
ワザマエ 6 脚力 4
ジツ – 万札 -
近接攻撃D:8
◇装備や特記事項
重装アームパンチ :テック近接武器、ダメージ3、連続攻撃2
『●移動スタイル:三輪駆動モード』:
一時的に脚力が2倍となり、敵の存在するマスの通過が可能となる。
また轢殺攻撃として、通過した敵2体までに1ダメージ(回避NORMAL)を与えても良い。
*『クローンヤクザ生体脳』:
このキャラは精神攻撃系のジツに対して「クローンヤクザ」とみなされる(モータルではない)。
そのジツが【精神力】ダメージを与えるものだった場合、【体力】ダメージに読み替えられる。
このルールはジツに対してのみ有効であり、精神攻撃系のスキルは対象外である。
◆ドラグーン(種別:戦闘兵器/クローンヤクザ*)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 3 精神力 -
ワザマエ 8 脚力 4
ジツ - 万札 -
近接攻撃D:5、射撃D:8
◇装備やスキル
スキル :『タクティカル移動射撃』、『シャープシューター』、『疾駆』、『突撃』
『アームバルカンx2』:遠隔武器、連射4、バースト2x2、ダメージ1、小銃
『アームパンチ』 :テック近接武器、ダメージ2
『●移動スタイル:モーターサイクルモード』:
一時的に脚力が2倍となり、ナナメ移動が可能となる。
*『クローンヤクザ生体脳』:
このキャラは精神攻撃系のジツに対して「クローンヤクザ」とみなされる(モータルではない)。
そのジツが【精神力】ダメージを与えるものだった場合、【体力】ダメージに読み替えられる。
このルールはジツに対してのみ有効であり、精神攻撃系のスキルは対象外である。
シーン3:アクシス迎撃部隊の登場
アクシスの第一波に対処した君たちは、最初の検問所を先へと進む。アルゴスの判断は『強行突破不可』。徒歩で進む他ない。
ネオン光を裂き、頭上を大口径の重金属弾が飛び去ってゆく。ジグラットからの長距離狙撃だ。狙いは後方で交戦中のフォーフェイターらか。
そして当然、検問所を越えた君たちの元に新たなニンジャ戦力が派遣される。回転ジャンプでエントリーしてきたニンジャが着地と同時にオジギし、カラテを構えた。「ドーモ。ミスティルテインです」
ミスティルテインの左横に、アグラ姿勢の別のニンジャがジワリと滲んだ。「ソフトマインドです」滲む輪郭のアグラ姿勢者は、ニヤリと笑ったようだった。
シーン2のアマクダリ戦力を掃討するか、戦闘が3ターンより長引いた場合、更に上位のアクシス戦闘員が対処に展開される。構成はミスティルテイン、ダートボムズ、ソフトマインドの3人が基本だが、PCが極めて強力な場合などはガルーダを追加したり、それぞれの戦闘スタイルの"メタ"となる対策ニンジャを用意して投入すると良い。
この段階では脅威であるPCの戦闘パターンや傾向がアマクダリ・セクトに分析され尽くしており、彼らは物量と搦手で倒しに掛かってくる。
マスターはニンジャが1体始末されるごとに、ドラグーンやキュイラジアーを追加で投入して敵の圧倒的な戦力を強調しても良いだろう。
TIPS:マスタリングのめやすとして、この戦闘ではPC1人に合計6~8ダメージ、時間差4~5回程度の攻撃が向かうようにターゲティングを散らす。
戦闘マップ
![](https://assets.st-note.com/img/1699084987115-fUK4Ga3eam.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1699085266775-8qSUAGZ00W.png?width=800)
この戦闘では「アクシス迎撃部隊戦」の戦闘マップを使用する。マスターはロールプレイに応じて任意の場所にPCを配置させてから、それを取り囲むように敵NPCを配置する。
戦闘の勝利条件:マスターの裁量に委ねられる。半数以上のアクシスが爆発四散、あるいはその際に追い込まれた場合にシーンを進行させる。
◇NPCデータ:ミスティルテイン
「貴様の相手は俺だ!イヤーッ!」ミスティルテインがジャンプパンチで襲いかかる!「グワーッ!」ルイナーのメンポがひしゃげる!
◆ミスティルテイン(種別:ニンジャ)
カラテ 9 体力 12
ニューロン 7 精神力 8
ワザマエ 7 脚力 5
ジツ 0 万札 25
近接攻撃D:12、射撃D:7、回避D:11
◇装備やスキル
装備 :『伝統的ニンジャ装束一式』
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉トライアングル・リープ』、『◉剛力(出目6でダメージ+1)』
『◉◉戦闘系ソウルの力』、『◉頑強なる肉体』、『◉滅多打ち』、『◉挑発』
◇NPCデータ:ダートボムズ
ルイナーは頭を振って起き上がる。背後に気配。闇を透かして見ようとする。不自然な輪郭。ステルス装束か。「ドーモ」その方向からアイサツが聴こえた。シュルルル「ダートボムズです」「イヤーッ!」ルイナーは側転回避を試みる。柱の陰から甲虫めいた爆弾が飛び出す!KBAM!「グワーッ!」
◆ダートボムズ(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 8
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 8 脚力 6/E
ジツ 3 万札 25
近接攻撃D:8、射撃D:8、回避D:11
◇装備やスキル
防具 :『アクシス正式ニンジャ装束(体力+2, 回避D+1)』
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉常人の三倍の脚力』
サイバネ :『▶生体LAN端子Lv1』、『▶▶テッコLv2』
『●自動追尾甲虫爆弾』:
毎ターン、自動追尾型の金属製爆弾を3つ放つ。射線は無視し、攻撃判定も自動的に成功する。
これは 『連射3、1ダメージ&回避ダメージ3、時間差、マルチ、回避HARD』の武器とみなされる。
『●ステルスニンジャ装束(濁)』:
常時不可視の状態で物陰に隠れているため、このキャラを対象に含む攻撃は判定難易度が+2される。
それが判定不要の攻撃の場合、このキャラを対象にすることができない。
術者が何らかのダメージを受けた場合、フェイズ終了時に、このステルス状態は解除される。
一度効果が解除されると、それ以降は再びステルス状態に入ることはできない。
◇NPCデータ:ガルーダ
「弱敵!弱敵!」ガルーダが上空で燃える翼を羽ばたかせた。キラキラと輝く羽根が飛来し、ルーフ上のフィルギアを更に襲う。これは神秘のジツ、フェザースリケン!「危ね!」フィルギアはバス上でバック転し、これを回避。羽根は次々にルーフへ突き刺さり、焼き焦がす!「イヤーッ!」そこへ斬撃!
◆ガルーダ(種別:ニンジャ)
カラテ 9 体力 10
ニューロン 8 精神力 13
ワザマエ 7 脚力 5
ジツ 5 万札 25
近接攻撃D:9(10)、射撃D:7、回避D:12、発動D:13
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉◉グレーター級ソウルの力』、『◉空中制動』
装備 :『アクシス正式装束一式(回避D+3、体力+1)』
ジツ :『★カトン・パンチ』
『★フェザースリケン』:
攻撃フェイズに【精神力】を2消費して発動する。発動に成功した場合、
2ダメージ(1ダメ+火炎1ダメ)のフェザー・スリケンを3発射出する(時間差、回避HARD)
『★★ホウオウ・ジツ』:
・常時「飛行移動」状態となり、移動中に通過した敵2体までに『火炎ダメージ1』を与える。
・移動の代わりに、視線が通っている20マス以内の好きな場所へ即座に移動しても良い。
このとき、隣接マスの敵1体に1ダメージ(回避U-HARD)を与えてから攻撃判定を行える。
◇NPCデータ:ソフトマインド
ソフトマインドは迎撃戦力の中でも頭抜けて強力で、陰湿なジツを有するアクシスのニンジャである。
乱戦状況で彼を倒すのは実際困難であり、基本的には最も強力なPCに貼り付いてダメージとペナルティを押し付けてくるギミックめいた役割を務めることになる。
「絶望だなァ……お前絶望だ」眼前ワン・インチ距離、視界が塞がる。輪郭をおぼろに沸騰させるニンジャの嘲り顔があった。ソフトマインド。「どうやっても無理、無駄」「イヤーッ!」ルイナーは横腹へ水平チョップを繰り出す。ソフトマインドはやや離れた地点に再出現する。「聞きたくないよなァ」
◆ソフトマインド(種別:ニンジャ)
カラテ 9 体力 9
ニューロン 10 精神力 16
ワザマエ 10 脚力 6/N
ジツ 6 万札 25
近接攻撃D:9、射撃D:10、回避D:11、発動D:16
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉◉グレーター級ソウルの力』、『◉緊急ブリッジ回避』
『◉シャープシューター』、『◉翻弄』、『◉挑発』
『◉◉タツジン:スリケン』:
スリケン装備時『連射+1』の効果を得る。また次の射撃スタイルが使用可能となる。
『●射撃スタイル:強投擲』:
【カラテ】値で判定を行う。この射撃は2ダメージ固定となり、【6,6,6】でサツバツ!が発生する。
『●射撃スタイル:スリケン制圧射撃』:
『連射+1』の代わりに『連射+3』を得るが、基本回避難易度がEASYとなる。
『★マバタキ・ジツ』:
回避判定の代わりに【精神力】を1消費して発動。発動難易度は攻撃の回避難易度に等しい。
発動に成功した場合、回避に成功したとみなされ、さらに即座に任意の隣接マスへと瞬間移動する。
これによって届かなくなった攻撃は失われる(細則はバック転回避に準ずる)。
ただし同じフェイズ中の時間差攻撃に対して発動する場合、
発動ダイスを分割する必要があり、さらに発動難易度が判定ごとに+1される。
『★★ヒヅキ・ジツ』:
視線の通る敵1体を対象に、【精神力】3と回避ダイス3を消費して発動(HARD)。
発動した場合、対象は戦闘終了時まであらゆる能動判定難易度が+1されてしまう。
その判定対象に術者を含む場合、その効果は能動判定難易度+2に強化される。
さらに、対象はソフトマインドの手番開始時に回避不可の『回避ダイスダメージ3』を受ける。
術者に対してダメージが与えられ【体力】が減少した場合、直ちに効果が終了する。
◇マバタキ・ジツの回避ルールの補足
例えば時間差の3連射(回避NORMAL)をすべてマバタキ・ジツで回避する場合、瞬間移動しても射程から逃れられない。そのため、発動ダイス16個を3分割して回避判定のように使用する必要がある。
ただし分割ごとに発動難易度があがるため、1発目はNORMALだが、2発目はHARD、3発目はU-HARDで発動判定を行わなくてはならない。また攻撃3発の回避に使用するため、【精神力】の消費量は3点だ。
シーン4:前線指揮官とアクシス精鋭部隊
アクシスの第二波。油断ならぬニンジャたちで構成されていた。だが、あらかた殺した。あとにはソフトマインドと、オナタカミ・トルーパーの残党が残るばかりだ。しかし、ソフトマインドの謎の余裕の正体はなんだ?
そうする間にも、ジグラット上空には武装マグロ・ツェッペリン編隊が集結し始めている。あの巨大な武装飛行隊が、この一瞬で?あまりにも早すぎる。通常ではあり得ない対応速度だ。何らかのジツの行使が疑われる。例えば、ジョルリのジツだ。
そしてアルゴスからの警告
アルゴス『重点警戒対象POP。接触に備えよ。推定……』「イヤーッ!」ビルを飛び渡る影が、光を伴って君たちの前に着地した。『スターゲイザー』
アルゴスの報告を聞くまでもなく、君たちのニンジャ第六感はその驚異に警鐘を鳴らしていた。「騒がしいと思えば、貴様たちか。ドーモ。スターゲイザーです」
ある程度シーン3のニンジャが片付けられたタイミングで、マスターはアルゴスの警告と共にスターゲイザーをPOPさせる。敵NPCがほぼ全滅している場合、下記の精鋭ニンジャを1人同行させると良い(最適なのはブラックオニキスだ)。まだ余裕があるなら、ドラグーンを数体追加でPOPさせる。
こうしてシーン3の敵配置が完了したら、仕切り直して戦闘処理を再開する。
アマクダリ・セクトはジグラット周辺で上空から地下に至るまで厳重な警備体制を敷いており、アクシス迎撃部隊は苦戦している防衛線の援護に、スターゲイザーはPCたちの出現報告を受けて自ら対処に、他アクシス精鋭はスターゲイザーの最優先命令で招集されて現れる。
マスターはアクシスのニンジャが1~2人爆発四散するたびに、精鋭部隊のニンジャを順番にPOPさせること。シーン5までにスターゲイザーが1人にならないよう、タイミングは随時調整することが望ましい。スターゲイザーを含め、常にニンジャが3人以上存在するように調整すると良いだろう。
戦闘マップ
![](https://assets.st-note.com/img/1700388774018-gnBfBdGrT1.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700388804174-K1MFyMbNfW.png?width=800)
この戦闘では「アクシス精鋭部隊戦」の戦闘マップを使用する。マスターはロールプレイに応じて任意の場所にPCを配置させてから、その前に立ちはだかるようにして敵NPCを配置する。
戦闘中における敵NPCのPOPタイミングについては簡単な目安が用意されているが、前シーンの生存人数などに応じて、ある程度マスターが臨機応変に対応する必要がある点には注意すること。当然ながら、用意された敵NPCを全員POPさせる必要もない。
シーン進行条件:3ターンの戦闘を生き延びる
◇NPCデータ:スターゲイザー
![](https://assets.st-note.com/img/1699269626646-adF0NvMsRB.png?width=800)
スターゲイザーは無敵の存在であり、マスターはこの段階で彼が倒されることは想定しなくて良い。彼はプレイヤーにプレッシャーを与え続ける、ある種のダメージギミックとして機能する。
しかし、攻撃しても意味がないからとPCがスターゲイザーを放置するのも不自然かつ興ざめのため、マスターは彼を攻撃する理由を用意しておく必要がある。
そのため、スターゲイザーが攻撃するターゲット(PC)の優先度は以下のように設定する。これにより、PCがスターゲイザーを無視して他のアクシスから倒そうと行動する場合、彼はPCらの弱点を的確に突いてくることになる。
優先:直前の手番で攻撃してきたPC。複数人いる場合、最も近いPC1人を優先する。PCが遠隔攻撃の引き撃ちを開始する場合、スターゲイザーはそのPCを無視する。
通常:最も弱い、あるいはダメージを受けて弱っているPC1人を狙う。
この戦闘においても『乱戦』のルールを適用することを推奨するが、もしPCがシナリオ想定通り4人(≒偶数人)の場合は、1人に対する攻撃人数の上限を3人まで引き上げるのが良いだろう。これにより、3人が取り巻きNPCを攻撃し、1人がスターゲイザーを抑えに掛かるという構図を自然に生み出せることになる。
併せて、スターゲイザー同様に他の敵NPCも、攻撃してきたPCに対して反撃をしてくるようなロジックで操作するとプレイヤー側でリスクマネジメントがしやすくなるだろう。以下は特殊な乱戦ルールの例である:
・複数対複数の戦闘において、PC/NPC問わず『ボス級の敵』は次のルールに従う。
・同じターンには、1体のキャラに対して3人までしか攻撃を行うことができない。
・NPCは基本行動パターンとして、直前までの手番で攻撃してきたPCを優先的に攻撃する。
「イヤーッ!」乱戦を飛び越え、フォレスト・サワタリが回転しながら斬りかかった。スターゲイザーはそちらを見たが、特に避けない。マチェーテが彼の左肩と鎖骨と首を切り離した。「うむ」吹き飛ばされながらスターゲイザーは声を発した。ナノカラテエンジンが発動し、ボディが構築された。
◆スターゲイザー(種別:ニンジャ)
カラテ 16 体力 35/-1
ニューロン 10 精神力 -
ワザマエ 10 脚力 8
ジツ 0 万札 100
近接攻撃D:20、射撃D:14、回避D:20
◇装備やスキル
サイバネ:『ヘリオス・ヘビィアーマー(クロームハートLv3 & テッコLv4の効果を得る)』
スキル :『●連続攻撃3』、『◉◉タツジン:アイキドー』、『◉鉄拳』
『◉ヒサツ・ワザ:ポン・パンチ』、『◉グレーター・ツジギリ』
『●ワザ:強化カタパルト・スロー』:
回避時に出目【6,5】で発動。2ダメージのカウンターカラテを発生させる(回避HARD)。
このとき、回避判定の成功数が相手の攻撃判定を上回る必要はない(回避の出目だけを参照する)。
命中した場合、相手に任意の方向へ『弾き飛ばし』を与え、攻撃フェイズを強制終了させる。
『ジャスト防御』時は回避不能となるが、『弾き飛ばし』に対する激突回避は行える。
ターン中1回限りの使用。
『▷▷▷▷▷▷ナノカラテエンジン』:
・【精神力】が「−」となり、【精神力】へのマイナス修正を全て無視し、精神攻撃の対象にならない。
・【体力】+5、『【精神力】+効果を【体力】+に置き換える』効果を得る。
・『ダメージ軽減1』を得る。手番開始時ごとに【体力】をD6自動回復する。
・【体力】0以下でも判定難易度+1で行動でき、手番開始時に回避ダイス1消費で欠損を回復できる。
・「即死」効果を2D6ダメージに変換する。
◇NPCデータ:ブラックオニキス
【オペレイシヨン・ケイオス】で生存していた場合、スターゲイザーの供回りとして最初に登場するのはブラックオニキスが相応しい。ブラックオニキスは過去に登場した際よりも能力値が強化されており、PCに部位損傷を与えられていた場合は、その部位のサイバネを強化した状態で現れる。
◆ブラックオニキス(種別:ニンジャ)
カラテ 13 体力 13
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 10 脚力 8/E
ジツ 0 万札 25
近接攻撃D:16、精密D:13、射撃D:17、回避D:17
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉◉タツジン:イアイドー』、『◉ツジギリ』、『◉常人の三倍の脚力』
サイバネ :『▶︎▶︎▶︎サイバネアイLv3』、『▶▶▶テッコLv3』、『▶生体LAN端子Lv1』
装備 :『ニンジャソード(カタナ)』
『ブレードガントレットx2』:
特殊近接武器、内蔵型、攻撃難易度+1、連続攻撃+1、基本回避難易度HARD、サツバツ発生なし
『●インタラプト防御』:
隣接する味方が攻撃対象となったとき、【ワザマエ】HARDで判定。
成功した場合、攻撃者の続く攻撃フェイズにおける攻撃対象を強制的に自身へと変更させる。
1ターンに1回までの使用。
◇NPCデータ:パスファインダー
ブラックオニキスの次に登場する可能性が高いのは、副官の役割を担うパスファインダーだ。パスファインダーはそれほど攻撃性能が高くなく、回避やサポート重点の性能をしているため、戦況がPC有利なら気軽に登場させても良いだろう。
大抵の場合、パスファインダーは3ターン目か、次のシーン5からの登場になることが想定されている。
「スターゲイザー=サン!」パスファインダーが叫んだ。「まずい!」彼は示すように装甲車上に飛び乗った。「イヤーッ!」スターゲイザーは後を追って跳んだ。「奴が!」パスファインダーは己のニンジャ第六感が察知した恐るべき敵をバリケード上に指さした。何かがうごめいた。棘だらけの影!
◆パスファインダー(種別:ニンジャ)
カラテ 10 体力 12
ニューロン 13 精神力 14
ワザマエ 8 脚力 5/N
ジツ 4 万札 25
近接攻撃D:10、射撃D:10、回避D:12(14)
◇装備やスキル
装備 :『近代的タクティカルニンジャ装束一式』
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『●ニンジャ第六感』、『◉◉タツジン:ジュー・ジツ』、『◉翻弄』
『◉忠誠心:アマクダリ』、『◉ニンジャアドレナリン強化』、
『◉銃弾の見切り』、『◉一瞬の勝機』、『◉トライアングル・リープ』
『★インセクツ・オーメン』:
自分以外の手番に『アドレナリン・ブースト』を使用するとき、それが範囲・マルチ攻撃なら、
その攻撃に巻き込まれる味方にも『アドレナリン・ブースト』の効果が適用される。
※対象となった味方は『アドレナリン・ブースト』を使用したとはみなされない。
『●前線指揮官』:
マップ上に存在する限り、味方のニンジャ全員に『回避ダイス+2』の効果を付与する。
またクローンヤクザやドラグーンなどのミニオンは、必ず攻撃判定に成功する。
『●12人の側近』:
1ターンに1回まで、スターゲイザーに対するダメージを肩代わりすることができる。
◇NPCデータ:ブラックウィドー
ブラックウィドーはPCが相当に強く優勢な場合に登場させる最終オプションであり、基本的には背景でフォーフェイターおよびズンビ―の軍勢と戦っている。彼女が増援としてPOPする際には、ズンビーの大群を引き連れ、若干傷ついた状態である可能性が高い。
一方で、傷ついたフォーフェイターは精神力の回復とセルフ・サクリファイス・ケン発動のため、暫くブラックウィドーのマークを外し離脱することになるだろう。
ナムサン!見よ!巨大!地中から姿を現したそれは、実際装甲車よりも巨大なタカアシグモめいた怪物だ!だがそれはバイオ生物ではない。機械の八本脚だ。蠢く脚の根元、脚と比較すれば驚くほど小さな中心部から、ニンジャが上半身を生やしている。それがブラックウィドーなのだ!奇怪!コワイ!
◆ブラックウィドー(種別:ニンジャ/重サイバネ/大型2x2)
カラテ 8 体力 20/-1
ニューロン 6 精神力 8
ワザマエ 6 脚力 6/-
ジツ 0 万札 25
近接攻撃D:10、回避D:12
◇装備やスキル
スキル :『●連続攻撃2』、『●即死耐性』、『●連続側転不可』
『☆◉歩く武器庫』
サイバネ :『▶▶生体LAN端子Lv2』
『▶▶▶▶蜘蛛型稼働アーマー』:
・【体力】+10、【精神力】+4、【脚力】+2、攻撃ダイス+2、回避ダイス+4を得る。
・『ダメージ軽減1』を得るが、自身が行う回避判定の難易度が+1されてしまう。
・常に『リーチ+1』かつ『攻撃難易度HARD』の「ノダチ」を装備しているとみなされる。
・『●轢殺攻撃4』を得る。これによるダメージは2である。
シーン5:天の光
アクシスとの激しいイクサは未だ決着が見えぬ。次の増援が到着するまで、あとどの程度の余裕がある?アルゴスは未だ沈黙している。
そのとき「特に昨今の国家保安予算の無駄遣いは目に余る。ハイデッカー制度などその代表格――」突然周囲一帯は停電に襲われ、オーロラビジョンに続いていたラオモトのスピーチが途切れた。
いや、"周囲一帯"というのは正しくない。停電は、周囲から君たちに向けて近づいて来ていたからだ。まるで光が1点に収束するかのように、ネオサイタマの1区画から光が失われてゆく。そしてその中心には、カスミガセキ・ジグラットがあった。
「そろそろか」スターゲイザーらは不自然に攻撃を中断し、君たちから距離を取る。なぜならば……これこそがアマクダリ・セクトの電力インフラ兵器、ZEUS(Ziggurat Enhanced Unreachable System)システムの予備動作だからだ!ZEUSは不遜にも王座に手をかけんとする君たちを貫くだろう。
セクトはリスクに見合うだけのメリットがあると判断したのだ。
黄金の玉座めいて輝く、あのジグラットの高みを見よ!強大なる神話のニンジャソウルの圧倒的存在感。そして、天上からジグラットへと差す、微かに煌めくホタルめいた光の粒……。
あれは何だ……?違和感、しかしニンジャ第六感による危険の察知。それも強い予兆だった。空気の流れが妙だ。
『攻撃に備えよ』アルゴスの端的な警告。しかし何に。
『2秒後、左右に全力跳躍。2……1……回避』ZZZAAAAAAAAAAAPPP!全員の視界がハレーションを起こした。天より生じた青白い光の柱が、斜めにジグラットを貫いていた。光る柱は滑るように動き、君たちの交戦エリアごとネオサイタマを薙ぎ払った。再び天上へと向かうように。
そして、上空で閃光。すべてはセクトにとっても予想外の出来事であった。
スターゲイザーとの戦闘を3ターン切り抜けた後、マスターはPCのロールプレイを交えながら上記のイベントシーンの描写を行う。
アマクダリは十分な時間をかけて狙いを定め、電力インフラ網から直接吸い上げた電力を用いたアガメムノンのゼウスの雷でPCへの直接攻撃を試みる。彼らは存在や拠点が明るみに出るリスクと脅威存在排除のメリットを天秤にかけ、なんとしてもPCを抹殺する必要があると判断したのだ。
しかし、実際にはそれが放たれることはない。沈黙していたアルゴスが衛星レーザー兵器をこの機に放つべく、準備を進めていたからだ。
不滅存在との決着
瞬間、スターゲイザーは唐突な究極的空虚を味わった。この不可解な感情の動きはなにか?彼は反射的に空を見上げ、まず理解した。静止衛星からのデータ送信が停止している。
そしてこのタイミングでの機能停止。これは……これは一体!衛星レーザー兵器により、衛星ヘリオスが破壊されたとでもいうのか?「さて、これは困ったな」スターゲイザーはカラテを構え直し、周囲を睨む。
◆◆◆
プレイヤー諸氏には何が起こったのか、順を追って説明しなくてはならないだろう。謎めいたスナイパーニンジャ、サイオコールがもたらしたASATS(アンチ・サテライト・スリケン)。それは衛星を物理的に狙撃するものではない。その正体は、磁気嵐突破装置と電子的ステルス装置を搭載した、強力なハッキング中継用の小型ビーコンを衛星軌道上に展開する、ニンジャ動力の可搬型打ち上げ装置である。
第一のASATSはキョートを弾道狙撃するかのようにカモフラージュされながら、その実、衛星軌道上の狂った軍事用レーザー衛星の制御を掌握することが目的であった。
ブラックサイトのハッカーたちは来る日までその存在を隠し続け、アマクダリの大幹部アガメムノン、そしてスターゲイザーに無限の力を与える静止衛星ヘリオスが一直線上に捉えられるこの刻、第二のASATSによりリンケージを確立したA.R.G.O.S.の精密補正の元、衛星軌道上からのレーザー攻撃を実行したのである!
◆◆◆
遥か遠くのビル屋上。激しいイクサ場をスリケン・カタパルトのスコープで捉えながら、そのニンジャは独りごちた。
(((目的と手段の境界は薄れ、かつて志した何かを思い出すことはかなわない。あの日の月を追いかけているのか、あのスリケンを追いかけているのか、もはや私にもわからないのだ。)))
(((ここまで長い道のりだった。しかし我々はここまで来た。次はお前たちのカラテが道を切り拓く番だ)))
『スターゲイザーの不滅性は消滅。繰り返す、不滅性は消滅』アルゴスの機械的な通知が好機を告げる。『ここで始末せよ』
ZEUSが放たれる寸前、アルゴスの制御する衛星レーザーはネオサイタマを薙ぎ払いながら、カスミガセキ・ジグラットのアガメムノンと、スターゲイザーに不滅性を供給していた衛星ヘリオスを攻撃する。
衛星ヘリオスが破壊されたことで、スターゲイザーの無限再生能力は失われる。NMはスターゲイザーの能力値や体力を完全に回復した状態で、後述のステータスに弱体化した状態で再POPさせる。
戦闘マップ
![](https://assets.st-note.com/img/1700388984858-22F4rKHyOw.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700389003946-tsX60RxekH.png?width=800)
この戦闘では「決戦:スターゲイザー」の戦闘マップを使用する。マスターはロールプレイに応じて任意の場所にPCを配置させてから、その前に立ちはだかるようにして敵NPCを配置する。
この戦闘での目的は、防衛線の要であり極めて危険なニンジャであるスターゲイザーを爆発四散させることだ。ブラックオニキスやパスファインダーが生存していた場合、積極的に彼を守るように行動させる。取り巻きが爆発四散した場合、後述の増援ニンジャを次々とPOPさせスターゲイザーを支援させる。
なおこの戦闘においても継続して『乱戦』のルールが適用される。PCの火力が心もとないのであれば、マスターはスターゲイザーに対しては攻撃人数の上限がないと設定しても構わない。PC全員で集中攻撃を仕掛け、押し切ることも可能となる。マスターはそのぶん、増援ニンジャを次々とPOPさせてヒリついた戦闘を演出するのが良いだろう。
スターゲイザーが爆発四散した時点で戦闘終了となり、シナリオは結末を迎える。
シーン進行条件:スターゲイザーを爆発四散させる
◇NPCデータ:スターゲイザー(弱体化)
スターゲイザーはシンプルに2つの自動再生能力を失う。それ以外は特に大きな変化はなく、依然として強敵としてPCの前に立ちはだかる。
もし戦闘能力の弱体化を防ぎたいとマスターが考えるのであれば、『ダメージ軽減1』を『装甲貫通』で無効化しない限り、サツバツによる能力値ダメージは発生しないという特殊な能力を追加しても構わない。
「その腕、分不相応なテックだ。俺は浄化せねばならん」
◆スターゲイザー(種別:ニンジャ)
カラテ 16 体力 35/-1
ニューロン 10 精神力 -
ワザマエ 10 脚力 8
ジツ 0 万札 100
近接攻撃D:20、射撃D:14、回避D:20
◇装備やスキル
サイバネ:『ヘリオス・ヘビィアーマー(クロームハートLv3 & テッコLv4の効果を得る)』
スキル :『●連続攻撃3』、『◉◉タツジン:アイキドー』、『◉鉄拳』
『◉ヒサツ・ワザ:ポン・パンチ』、『◉グレーター・ツジギリ』
『●ワザ:強化カタパルト・スロー』:
回避時に出目【6,5】で発動。2ダメージのカウンターカラテを発生させる(回避HARD)。
このとき、回避判定の成功数が相手の攻撃判定を上回る必要はない(回避の出目だけを参照する)。
命中した場合、相手に任意の方向へ『弾き飛ばし』を与え、攻撃フェイズを強制終了させる。
『ジャスト防御』時は回避不能となるが、『弾き飛ばし』に対する激突回避は行える。
ターン中1回限りの使用。
『▷▷▷▷▷▷ナノカラテエンジン|停止』:
・【精神力】が「−」となり、【精神力】へのマイナス修正を全て無視し、精神攻撃の対象にならない。
・【体力】+5、『【精神力】+効果を【体力】+に置き換える』効果を得る。
・『ダメージ軽減1』を得る。
・「即死」効果を2D6ダメージに変換する。
『●シナリオボス|アマクダリ大幹部』:
【体力】が0以下になったとき、爆発四散する代わりに特殊なギミック判定が発生する。
アマクダリの増援ニンジャ
シーン4が始まってから、2ターン目の開始時点で以下のアマクダリの増援ニンジャが投下されはじめる。その人数やタイミングはマスターの判断に委ねられているが、基本的には小出しにせず、最低でも2人は同時にPOPするように調整するのが望ましい。
なおデータが記載されている順番が、そのまま想定されたPOPの順番と考えて問題ない。もし火力が物足りない場合は、シデムシやハイタカを予備戦力として同時にPOPさせるのが良いだろう。
◇NPCデータ:チリングブレード
プレイヤーには明かされないが、この時点でコリ・ニンジャクランはアマクダリを裏切りアシッドウルフ側に加担することを決定している。そのため、この戦闘においてチリングブレードもまた不自然でない程度に手を抜いており、窮地に陥ると自分の命を最優先に行動し始める。
◆チリングブレード (種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 10
ニューロン 6 精神力 7
ワザマエ 8 脚力 5
ジツ 4 万札 25
近接攻撃D:8、射撃D:8、回避D:13
◇装備や特記事項
スキル:『●連続攻撃2』、『●連射2』、『◉頑強なる肉体』、『◉忠誠心(コリニンジャ・クラン)』
『☆コリ・ジツ』、『★コリ・ケン生成』、『☆◉コリ・ジツ強化』、『●疾駆』
装備 :『コリ・ニンジャ装束(回避D+4)』
『☆コリ・ジツ』+『☆◉コリ・ジツ強化』:
手番「攻撃フェイズ」に【精神力】を1消費し、攻撃の代わりに発動判定を行う(難易度NORMAL)。
発動に成功した場合、自分を中心とした3×3マスにいる敵全員に対し、
1ダメージと『回避ダイスダメージ2』を与える(回避:HARD)。
出目【6,6】:2ダメージ+『回避ダイスダメージ3』となる(回避:HARD)。
『★コリ・ケン生成』:
手番開始時に【精神力】を2消費して発動(難易度NORMAL)。
発動に成功すると次のエンハンス効果を持った超自然のカタナを装備した状態となる。
・攻撃判定ダイス+1、無属性ダメージ+1、回避ダイスダメージ2
『●手抜き』:
チリングブレードの攻撃では「サツバツ!」が発生しない。
また彼は窮地に陥ると後方に下がり、安全の確保を優先し始める。
◇NPCデータ:エルダーコング
◆エルダーコング (種別:ニンジャ/バイオニンジャ/危険生物)
カラテ 10 体力 23
ニューロン 6 精神力 2
ワザマエ 3 脚力 6/H
ジツ 1 万札 10
近接攻撃D:10、射撃D:3、回避D:10
◇装備や特記事項
スキル :『●連続攻撃2』、『◉忠誠心:アマクダリ』x1』、『◉危険生物化(精神攻撃無視)』
サイバネ:『▶︎▶︎生体LAN端子+』、『▷外付ファイアウォールx2』
『▲▲▲▲△バイオゴリラサイバネ』:【体力】+13、【脚力】+2、
『▲▲▲▲△△ゴリラアーム』:近接武器、ダメージ2、出目【6】でダメージ+1&弾き飛ばし
◇NPCデータ:セレニティ
◆セレニティ(種別:ニンジャ)
カラテ 9 体力 11
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 8 脚力 5/N
ジツ 0 万札 25
近接攻撃D:9、射撃D:8、回避D:9
◇装備や特記事項
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『◉頑強なる肉体』
『◉◉タツジン:二刀流』、『◉◉戦闘系ソウルの力』
武器 :『サイ二刀流(カタナ二刀流)』
◇NPCデータ:ヴァルキリー
◆ヴァルキリー(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 8
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 7 脚力 5
ジツ 4 万札 25
近接攻撃D:6、射撃D:7、回避D:7、ジツ発動D:11
◇装備や特記事項
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉頑強なる肉体』、『◉滅多打ち』
ジツ :『☆カラテ・ミサイル』、『★カラテ・ジャベリン(グレーター・カラテミサイル)』
◇NPCデータ:フォースカインド
◆フォースカインド(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 8
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 3 万札 25
近接攻撃D:6、射撃D:7、回避D:7、ジツ発動D:10
◇装備や特記事項
スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
『◉頑強なる肉体』、『◉滅多蹴り』
『☆キネシス・ジツ』:
精神力を1消費し、スリケン射撃時に次の効果を得る。
・連射+1、判定難易度-1
難易度調整のオプション:サイオコールの狙撃
このシナリオの背景では、アマクダリのスナイパーニンジャと駆け引きをしながら、サイオコールが密かに狙撃支援を行っている。
敵NPCのPOPタイミングが早すぎたり、ダイスの関係でPCが極端な窮地に陥ったりした場合、マスターは彼に一時的な狙撃支援をおこなわせることができる。
![](https://assets.st-note.com/img/1700389199728-giJleG3THn.png?width=800)
◆サイオコール(種別:ニンジャ/重サイバネ/戦闘兵器)
カラテ 6 体力 11
ニューロン 8 精神力 -
ワザマエ 13 脚力 8
ジツ 0 万札 50
近接攻撃D:9、射撃D:22、回避D:16
◇装備やスキル
装備 :『カモフラージュネット(ステルス迷彩ローブ)』、『巨大サイバネ腕(ノダチ)』
サイバネ:『▶︎▶︎生体LAN端子Lv2』、『▶︎▶︎▶︎サイバネアイLv3』、『▷高性能赤外線ターゲッター』
『▶▶▶テッコLv3』、『▷▷▷試作型電磁誘導式スナイパースリケンカタパルト』
スキル :『●連射3』、『●マルチターゲット』、『●時間差』、
『◉シャープシューター』、『◉翻弄』、『◉ウィークポイント射撃』
『◉重サイバネ化』、『◉◉戦闘兵器化』、『◉サイバネ殺し』
『▷▷▷電磁誘導型スナイパースリケン・カタパルト』:
射撃時は「銃器(小銃:スナイパー)」、敵による回避時は「スリケン」とみなされる。
射撃方法1:連射2、ダメージD3、射撃難易度:HARD、回避難易度:HARD、【6,6,6】でサツバツ発生
射撃方法2:集中状態のみ使用可
連射1、ダメージ2D3+1、装甲貫通2、射撃難易度:U-HARD、回避難易度:U-HARD
射撃時【6,6,5+】でサツバツ発生
『●射撃スタイル:バンプファイア』:
サイオコールの巨大なサイバネ腕と重装甲フレームは、重量と反動吸収機構を組み合わせた
強引に連射性能を引き上げるためのバンプファイアストックめいた装置である。
集中状態に限り、あらゆる射撃時に『連射+1』効果を得る。
難易度調整のオプション:ズンビーの群れ
「「「「アバー……アバー……」」」」周囲の建物から、車両から、目と口から奇怪な炎めいた光を発する死体が溢れ出す。銃声、呻き声、そして笑い声。光るズンビ―の群れをかき分け、血濡れのフォーフェイターが現れる。
「本当にこの目でアマクダリの最後を拝むことになりそうとは、我ながら良い賭けに乗ったものです。賽は投げられた!ウワーッハッハッハハハハハハハハハ!」
PCがアクシスの主力戦力とイクサをしている間、その後方ではフォーフェイターが予備戦力を相手にしながら、着々とズンビーの数を増やしつつある。
マスターは必要に応じて、周囲の建物や車両の民間人、あるいはクローンヤクザを材料に生み出されたズンビーの大群をマップ上にPOPさせ、PCに有利な状況を生み出すことができる。
トドメヲサセ!
PCがスターゲイザーの体力を0以下まで減らすことに成功した場合、マスターは『●シナリオボス|アマクダリ大幹部』の効果として次のルールを用いた判定を要求しても構わない。
◇特殊オプション:トドメヲサセ!
『●シナリオボス/アマクダリ大幹部』を持つNPC(≒スターゲイザー)は【体力】が0以下になったとき、即座に本来の5倍のダイス(=100ダイス)で【カラテ】判定(難易度U-HARD)を行う。
これに対し、PC全員は即座にそれぞれ『カラテ or ワザマエ』判定(難易度U-HARD)を行い、合計値が相手を上回った場合、スターゲイザーは爆発四散する。判定にスターゲイザーが勝利した場合、PC全員が回避不可の1ダメージを受け、スターゲイザーは【体力】D6を回復する。
『トドメヲサセ!』判定は繰り返すたびに、スターゲイザーの判定ダイス倍率が減少する。つまり、2回目は本来の4倍のダイスで、3回目は3倍のダイスで判定することになる。
スターゲイザーの初期ダイス倍率を4~3倍程度まで減少させておいても構わない。
結末
「オオオオ!」その死の瞬間、許されれば、彼は空を見上げようと試みただろうか。己の守護天使の残骸を。あるいは奪われた月を。しかしその答えを知る者はない。そのとき彼に与えられた時間は極めて短かったからだ。「サヨナラ!」スターゲイザーは爆発四散した。
「ば、バカな……スターゲイザー=サンが!?」前線指揮官、そして大幹部の爆発四散に、隠しきれぬ動揺が広がる。
『アクシス統率に乱れ。検問を突破せよ』アルゴスからの指令と同時に、彼に制御されたモーターサイクルが猛スピードでドリフト接近!
『ジグラットへ向かえ』ゴウ!モーターサイクルは急加速。イクサの傷も癒えぬまま、時速666km/hの風に紛れる君たちは、終わりが始まったことを理解する。空からは次々と光の柱が降り注ぎつつあった。
メイライ社紋の、軍用ヘリが巨大な兵器を吊り下げ、ジグラットへと集いつつあった。いつか見た、旧き航空戦艦が唸りを上げながら、ネオサイタマの空へと差し掛かりつつあった。
長い道のりだった。しかし我々はここまで来た。もはや"この世"に不可能などない。全てを終わらせる時が来たのだ。
スターゲイザーの爆発四散と同時に、PCのもとにはアルゴスが制御するモーターサイクルが再び現れ、彼らはアマクダリの混乱を突いてカスミガセキ・ジグラットへと向かうことになる。その後に起こる出来事は、このシナリオではまだ描かれない。
またこのシナリオにはクリア報酬が設定されていない(PCの成長は打ち止めとなっている)。
補足コメント
![](https://assets.st-note.com/img/1700393450793-NizgaEKHVv.png?width=800)
【バット・ウィー・アー・ヒア】というシナリオタイトルの由来は、アポロ14号に搭乗した宇宙飛行士アラン・シェパードの「長い道のりだったが、我々はここまで辿り着いた (And it's been a long way, but we're here.)」という発言に由来しています。
アラン・シェパードは月面に着陸した際にこの発言をしたとされており、ここでは月面のアルゴスまで到達した状況・真正面からアマクダリとイクサを構えるまでの規模に成長した現状に対する感慨深さをシンプルに込めたタイトルとして引用しています。
なおこのセリフはシナリオ本編中において、スナイパーニンジャ、サイオコールの呟きとして登場します。彼は収録されている設定のとおりY2K以前のアポロ計画関係者であり、ある意味スターゲイザーに近しい望郷的な感情が込められているようにも捉えることができます。
しかしながら、正式な設定としては収録されなかったものの、彼のモチーフとしては「忘れられた宇宙飛行士」とも呼ばれるアポロ11号の搭乗員「マイケル・コリンズ」が考えられており、アームストロングらが月面に降下した一方で、コリンズは月面に到達すらできていません(月周回軌道上で司令船の操作や撮影を行なっていました)。
サイオコールの宇宙や月"面"への執着は、この無念を背景として生まれたものであり、過去手に入らなかったものを再び手に入れようとする"飢え"の感情が込められたセリフである、というのが実際のところでした。
シナリオ構成としては、原作ニンジャが次々と登場する戦闘中心のもので、それほど特筆することはありません。ただ、このシナリオ内容は元々最終チャプターの3シナリオのうち、1番目のシナリオとして想定されていたもので、実際には前シナリオ【キャン・ネバー・ビー・ザ・セイム・パーソン・アズ・ビフォア】よりも先に内容が決まっていたものでした。
本来は【バット・ウィー・アー・ヒア】が1話、続く【ナシング・イズ・インポシブル・イン・アワー・ワールド】の内容を2分割して2話・3話と続くことを想定していました。結果、どのシナリオも内容が膨れ上がったことを考えると、長さとしては現状の3シナリオで丁度よいバランスに収まったのかもしれません。
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