【NJRPG/プレイエイド】セッション管理BOT:イクサマネージャー
ブゥン……という小さなノイズを放ちながら、モーターチビが起動する。オムラ社が試作品として開発した握り拳大のデヴァイスで、12個のジャイロを備えた12面体フレームの中心に青色LEDが燈り、ハチドリのごとく飛び回りながらヒトダマめいた光を放つ。コンパスやIRC機能も備わっている。
ー【カース・オブ・エンシェント・カンジ】より
この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG(第一版)」のルールセットに対応した、「Discord」向けのBOTツール「イクサマネージャー」を紹介・共有するものです。
「イクサマネージャー」にはソロプレイも含めたセッション進行のサポートを目的に、Discord上で体力などの副次能力値や行動順序を管理する機能が揃えられており、主に時間が取られがちな戦闘処理の高速化と大幅な時間短縮に寄与します。
以降のセクションでは「イクサマネージャーで何ができるのか?」といった触りの部分から、具体的な使い方や機能までを順番に説明していきます。
◇本文中に登場する略称
NM:ニンジャマスター → ゲームの進行役。描写などを行う。
PL:プレイヤー → ゲームの参加者。PCを操作する。
PC:プレイヤーキャラクター → ゲーム内の主人公。メインキャラ。
NPC:ノンプレイヤーキャラクター → 物語内の登場人物。NMが操作。
◆導入方法
「イクサマネージャー」はNode.jsを実行環境として構築された、「Discord」向けのBOTツールです。下記の招待リンク先にアクセスし、BOTを導入したいサーバーを選択してから手続きを進めてください。
正しくBOTの追加が完了した場合、指定されたサーバーには「イクサマネージャー」が新規BOTユーザーとして参加し、皆さんが発言したテキストからコマンドを認識して様々な処理を行ってくれます。
🎲<BOTを導入するには、導入先の「サーバー管理者権限」が必要です!あなたが作成したセッション用のプライベートサーバーなどに導入してみましょう。もしくは、導入して欲しいサーバーの管理者にお願いしてみるのも良いかもしれません。
注意事項
このBOTは「Heroku」を運用サーバーとして動作しており、様々なパラメータが保存されたデータベースはPostgreSQLではなく一時ファイル領域に保管される仕組みとなっています。
このため1日に1度Herokuが再起動を行うタイミング(およそ日本時間で00:00頃?不定期)で、登録されたセッションデータがリセットされてしまう仕様となってしまっています(これはデータベースの肥大防止としても機能します)。
この対策として直前の状況を再現するコマンドも実装されている(詳細後述)ため、仮にセッション中にリセットが発生した場合はそちらの利用をお願い致します。
🎲<つまり、データが溜まり過ぎないよう1日に1回リセットが発生するということです!日をまたぐセッション等の場合は、専用コマンドでデータを復活させてからプレイを再開してください。
◆このBOTで何ができるのか|従来環境との比較
「ニンジャスレイヤーTRPG」では83.3%のユーザーがDiscordを主なセッションツールとして利用しているというちょうさ結果(DHTLS調べ)が示している通り、現行環境ではDiscordを進行用のチャットツールとして用い、「Googleスプレッドシート」をマップやイニシアチブ表(シーン登場キャラクターの【体力】などが記載された行動順番表)として併用するスタイルが主流であると考えられます。
ですが当然ながらこれらはTRPG専用に作られたツールではないため、細かな部分での運用は手作業に頼る部分が大きく、不便な点が見られました。
「イクサマネージャー」は『数値データを全てDiscord上でコマンドで操作・管理する』というアプローチで、現行環境における課題を解決してしまおうというツールです。
次では現行環境における課題の洗い出しと、導入前後の比較をしながら、おおまかに「イクサマネージャー」の機能を紹介していきます。
現行のプレイ環境と課題
現行のセッション環境を簡単に図示すると、おおよそ上記のような構図になります。TRPGセッションを行うこと自体は問題なく可能ですが、細かな部分では次のような課題が見られます。
1)攻撃や回避判定を行うとき、攻撃対象の回避ダイス残数などの正確な現在値を知るにはスプレッドシートを参照するためタブを切り替える必要がある(例えば、登場キャラクターが多い戦闘においてNMはリスク管理のために頻繁に全員のリソースを参照すると考えられる)。
2)上記を十全に機能させるには、回避判定によるダイス使用やダメージの発生時など、キャラのリソース変動が発生するたびに、スプレッドシートにタブを切り替えて変更を反映する必要がある。
3)登場キャラクターのリソースを『全員分まとめて確認する』にはスプレッドシートを確認する以外の方法がない。
一方で回避ダイスなどの頻繁に変動する数値は更新がおざなりになる傾向があり、記載されているのが必ずしも最新の数値であるとは限らず、正確なリソース把握が難しい。
4)『誰がどのキャラクターのパラメータをいつ更新したのか』を確認するのが困難。伴って、同じ変動結果を重複して処理してしまった、更新前の値を正と思い込んで進行してしまった、などのミスが発生しやすい。
🎲<要するに、行ったり来たりしてデータを参照するのは時間を取られるし面倒くさい!ミスも起こりやすい!ということですね。TRPGセッション専用のツールは同じタブ内でこれが完結するので、前者はとてもスムーズです。
導入後の環境と改善ポイント
「イクサマネージャー」導入後のセッション環境を簡単に図示すると、おおよそ上記のような構図になります。今までスプレッドシート上で管理していたデータの大半がBOT機能に統合されることで、次のような改善が見られます。
1)移動などマップ関連の処理以外が全てDiscord上で完結する。
2)Discord上で現在のイニシアチブ表の状態(行動順や、キャラクター別の体力や回避ダイスといったリソース残数)を一括で確認できるようになる。
3)Discord上で回避ダイスなどの増減を操作できるようになり、その増減のログを残すことができる。これは参加者間で相互チェックが可能なため、反映漏れやミスが減少する。
4) 操作ミスなどで数値誤差が出た場合でも、コマンド送信ログを追うことでどこで入力漏れやミスが起きたのかを確認することができる。
5)最新のリソース状況を瞬時に把握できるため、残りのエネミーやPCの行動手数を確認したり、残りの回避ダイス数を確認したりして、より正確にリソースの配分や難易度調整を行うことができる。
6) キャラクターの追加コマンド&イニシアチブ表の自動ソート機能により、キャラクターのシーンへの追加/除外が容易になる。
🎲<具体的に何ができるのかは次のセクションで具体的に触れていきますよ!
このBOTで何ができるのか
🎲<Discord上でキャラクターの数値データを操作&確認することができます!
「イクサマネージャー」はキャラクターのステータスを内部データとして保存しており、Discord上でコマンドを送信するだけで、現在の残り体力などの数値データを確認したり、それらを操作することができます。
いずれも操作ログや数値変動ログが残るため、確認・入力の手間が省け時間短縮に繋がるだけでなく、数値の反映漏れの防止などに大幅に寄与します。リプレイ記事の作成時にも、「イクサマネージャー」が出力する数値変動ログをそのまま記載することでライブ感を高めることも可能です!
🎲<戦闘や探索パートにおける、「次の行動キャラ」や「現在のターン数」を半自動で管理することができます!
Discordを利用した従来のセッションでは、NMがキャラクターのイニシアチブ(行動優先度)を把握し、順番にNPCを操作したりPLに操作を促したりという管理が必要でした。
「イクサマネージャー」では『イニシアチブ表に追加』という処理を行うだけでキャラクターをイニシアチブ順に並び替え、さらにNMがコマンドで『次のキャラクターに手番を回して』と指示するだけで、イニシアチブを参照して『次はこのキャラクターの行動手番ですよ!』と自動的にアナウンスを行ってくれます。
🎲<バフの持続時間の管理や、連続側転状態などを考慮した回避ダイスの再補充を半自動でおこなうことができます!
発動しているジツによる回避ダイスボーナスや残り持続ターンなどはセッションに集中していると忘れがちで、特に頻繁に使用する連続側転によるボーナスをうっかり加算していなかったというのは多くの人が体験しているミスかと思います。
「イクサマネージャー」は、NMがコマンドで『次のターンに進めて』と指示するだけで行動手番を一巡させ、現在のターン数をアナウンスしてくれますが、このとき同時に自動的に回避ダイスの再補充をしてくれます。
このとき『連続側転した!』だとか『バフ効果を得た!』と専用コマンドで宣言していたキャラクターについては、「イクサマネージャー」が再補充される回避ダイスに自動的にボーナスの加算処理を行ってくれます。
◆実装機能一覧
「イクサマネージャー」ではDiscord上で特定のコマンドを送信することで、次のような機能を使用することができます。
• キャラクターデータの登録・削除
• 登録されたキャラクターデータの一覧呼び出し
• 登録されたキャラクターデータの操作・変更
• 指定イニシアチブ値に応じたキャラクターデータの自動並び替え
• イニシアチブ順のキャラクター手番のアナウンス
• 戦闘ターンの進行管理、通知
• 時限系バフのタイマー管理、通知
• 連続側転によるバフの自動適用、フラグ管理
◆カテゴリ毎のコマンド解説
以降のセクションでは実際に「イクサマネージャー」に実装されているコマンドの効果と使い方について、カテゴリ別に分類して解説しています。
ですがその前に、ここではまず基本となる「イクサマネージャー」の処理規則について説明します。
コマンドを実行するには
「イクサマネージャー」は他の一般的なBOTツールと同様に、チャット発言が特定のキーワードから始まっていた場合のみ、その発言をコマンドとして認識し処理を行います。
この特定のキーワードを「コマンドプレフィクス」と呼びます。「イクサマネージャー」のコマンドプレフィクスは次の通りです(末尾の半角スペースも含みます!)。
/im
🎲<つまり「イクサマネージャー」の機能を使う場合は、最初に「/im 」と入力してからコマンドを記述する必要があるということです!プレフィクスの末尾にある半角スペースを忘れないように注意しましょう。
例えば「クローンヤクザ」というキャラクターの体力を1減らす、という処理を行ってほしい場合は、次のように「/im 」に続けて処理を記述します。
※ヘルプテキストではこのコマンドプレフィクスを含めた状態でコマンドを掲載しています。
◆入力例
/im hp-1,クローンヤクザ
共通ルール
「イクサマネージャー」には沢山のコマンドが実装されていますが、値の指定方法などについて、幾つか共通のルールが存在しています。
先に読み進める前に、次のルールに一度目を通してみてください。同様の内容はBOTのヘルプ機能からも参照が可能です。
1:コマンドの半角・全角スペースは削除され、半角の「#」以降はコメントとして無視されます。つまりキャラクター名などにスペースや「#」を使用することはできません。
2:各種数値は半角で入力してください。正の値については頭に+を付けても問題ありません。
3:『<キャラクター名>』などコマンドヘルプ中の『<>』で囲われた表記は「コマンド送信時にこの部分を任意の値に置き換えてください」という指示です。
例えば『/im hp <増減値+->,<キャラクター名>』このような指示のあるコマンドを使って「ソニックブーム」の体力を「1」減らしたい場合、『/im hp-1, ソニックブーム』と該当部分を置き換えてから送信します。
◇制限なしコマンド
特殊な権限が無くても、「イクサマネージャー」が導入されているサーバーであれば誰でも使用可能なコマンドです。
help
/im help
先述の「共通ルール」が表示されるコマンドです。このコマンドの末尾に『,』で区切ってオプションを指定することで、カテゴリー毎のコマンドを確認できます。オプションは複数指定も可能です(順不同)。
◇オプション
『nm』 セッションの準備・管理用のコマンド(NM向け)を表示します。
『ready』 セッションの準備用コマンド(NM・PL共通)を表示します。
『play』 セッション中の操作コマンドを表示します。
『fix』 パラメータ修正用のコマンドを表示します。
◇入力例:NM向けと操作用コマンドのヘルプを表示する場合
/im help,nm,play
setch
/im setch
このコマンドを送信したチャンネルをセッション用のチャンネルとして設定します。セッション開始前に、まずこのコマンドで初期設定をおこなってください。
このコマンドを送信したユーザーは、そのチャンネルで行うセッションのNM(=ゲームマスター)として登録されます。
初期設定がされていないチャンネルでは様々なコマンドが使用できません。
join
/im join
セッション用として登録されているチャンネルでこのコマンドを送信すると、そのセッションに参加するプレイヤーとして登録されます。
『制限なしコマンド』を除くコマンドは、プレイヤーやニンジャマスターとしてセッション用チャンネルに紐付けて登録されたユーザーのみが使用できるようになっています。
leave
/im leave
プレイヤーとして参加しているセッションチャンネルでこのコマンドを送信すると、そのセッションから退席することができます。誤って参加してしまった場合などに使用します。
なお、NMはこのコマンドで退席することはできません。
gensushi
/im gensushi
【インタビュー・ウィズ・ニンジャ特別編:主要キャラの好きなスシネタまとめ】に収録された全てのスシネタからランダムで1つをピックアップして表示します。セッション中にスシを手に入れた場合や、キャラクターの嗜好を決める場合などに使用することができます。
◇NM準備用コマンド
これらは主にNMがセッションの準備等に使用することを想定したコマンドです。
settitle
/im settitle <戦闘シーンタイトル>
戦闘シーンなどのタイトルを設定します。
登録されたタイトルは手番やターン開始のアナウンスと同時に表示されます。リプレイなどの補助に使用できます。
◇入力例
/im settitle 逃走経路
※表示例。赤線箇所が設定された「戦闘シーンタイトル」。
start
/im start
戦闘処理(ターン進行処理)を開始します。キャラクターの行動手番やターンの管理を開始する場合、まずこのコマンドを送信します。
restart
/im restart <新しい戦闘シーンタイトル>
イニシアチブリストはそのままに、戦闘処理を1ターン目から再スタートします。連戦などでシーンを切り替えてから、改めて戦闘ターンを管理したい場合に使用します。
◇入力例
/im restart アクシス追撃戦
reset
/im reset
送信チャンネルに紐付いた全ての設定をリセットします。誤ってセッションチャンネルに指定してしまった場合や、セッション終了後に後片付けを行うことができます。
remove
/im remove <キャラクター名>
もしくは
/im remove <キャラクター名1>, <キャラクター名2>, <キャラクター名3>…
指定したキャラクターをイニシアチブ表から除外します。「,」で区切って複数のキャラクターを指定することで、複数を同時に除外することも可能です。
指定された中に存在しないキャラクターが含まれていた場合、そのキャラクターに関する処理のみスキップされます。
◇入力例
/im remove クローンヤクザ
/im remove クローンヤクザ,ショットガンヤクザ,ハッカー,スモトリヤクザ
removeall
/im removeall
イニシアチブ表の登録済みキャラクターをすべて除外します。
kill
/im kill <キャラクター名>
もしくは
/im kill <キャラクター名1>, <キャラクター名2>, <キャラクター名3>…
指定したキャラクターをイニシアチブ表から除外します。指定したキャラクターに所持万札が設定されていた場合、「天狗銀行」と自動連携して万札の入手処理が行われます。
「,」で区切って複数のキャラクターを指定することで、複数を同時に除外することも可能です。
指定された中に存在しないキャラクターが含まれていた場合、そのキャラクターに関する処理のみスキップされます。
◇入力例
/im kill クローンヤクザ
/im kill クローンヤクザ,ショットガンヤクザ,ハッカー,スモトリヤクザ
※処理実行の例。倒した敵が持っていた【万札】が「天狗銀行」と連携して自動的に蓄積されている。
sortinit
/im sortinit
イニシアチブリストに手動で再ソートを掛けます。プレイ中に内部仕様の変更が発生した場合など、特殊なケースでのリスト修正に使用できます。
setnotice
/im setnotice
キャラクターの行動手番が通知される際、登録されている「操作プレイヤー」にメンションリプライを送信する機能をオン・オフします。この機能はデフォルトで「オン」になっています。
※『add』コマンドによるキャラクター追加時、送信者が「操作プレイヤー」として登録されます。
※キャラクターを登録したユーザーがニンジャマスターの場合、この設定に関わらず当該キャラクターについては行動手番の通知が行われません。
restore
/im restore <イニシアチブ表のコピー>
ターン進行時や『check』コマンドで表示される「イニシアチブ表」をコピペ送信することで、そこに記載されたキャラクターのパラメータを再現して現在のイニシアチブ表に再登録します。
冒頭で述べた自動初期化によってセッション中にリセットが発生した場合、このコマンドを用いて復旧を行ってください。
※操作プレイヤー、連続側転状態、バフ、ターン進行状態は復旧されていませんので、手動で再登録してください。
※イニシアチブ値など小数点を含むパラメータは正常に再現されていない可能性があるため、戦闘再開前にイニシアチブ表の並びを確認してください。
◇入力例
/im restore
1 デストロヤクザA 体力:1/2 精神力:1/1 回避ダイス:0/0
1 デストロヤクザB 体力:2/2 精神力:1/1 回避ダイス:0/0
◇NM進行用コマンド
これらは主にNMがセッションの進行等に使用することを想定したコマンドです。PLが使用しても全く問題ありませんが、手番進行の管理は基本的にNMが行うのがベストです。
next
/im next
現在行動中のキャラクターの手番を終了し、次のキャラクターの行動手番を開始します。「次のキャラクター」は登録されたイニシアチブ表に準拠して自動的に呼び出されます。
🎲<基本的にはNMがこのコマンドを使ってセッション進行をコントロールしましょう!攻撃→回避など一連の判定が終わったら『next』で次のキャラクターに手番を移行し、次の判定処理をしている間にRPを描写してもらう(そしてそれにRPを返す)とすると非常にスムーズに進行できます!
「次のキャラクター」が存在しない場合、ターンが一巡したことを通知してくれます。
nturn
/im nturn
ターンを一巡させます。これにより全キャラクターの回避ダイスが自動的に再充填されます。後述の『rs』コマンドなどで連続側転フラグ状態のキャラクターが存在する場合などは、それらのボーナスも加算されます。
※処理実行の例。
check
/im check
現在のイニシアチブ表、および登録済みキャラクターのステータス状態を表示します。
※処理実行の例。一括で全キャラクターの残りリソースが確認できる。
◇PL・NM準備用コマンド
これらは主にPLがセッション前の準備に使用することを想定したコマンドです。同様にNMもこれらのコマンドでシーンごとにキャラクターの準備を行います。
add
/im add <キャラクター名>,<最大体力>,<最大精神力>,<最大回避ダイス>,<イニシアチブ値>
キャラクターをイニシアチブ表に追加します。イニシアチブ値は小数を持った値でも登録できます。表記上は小数点以下四捨五入となるため、同イニシアチブの順位付けが行えます。
このコマンドで登録処理を行ったユーザーは、そのキャラクターの操作プレイヤーとして登録されます。これは後述の『対象指定の省略』機能に関わってきます。
◇記入例
/im add ソニックブーム,12,6,14,6
またこのコマンドの末尾に『,』で区切って登録オプションを指定することで、幾つかの機能を追加で使用することができます。
オプションは複数選択可能であり、上記の基本コマンドの末尾以降の追記であれば順番も問いません。
>登録オプション(復数指定可能、順番も任意)
『s』
キャラクター登録時に確認用のイニシアチブリストが表示されなくなります。
『x<任意の数字>』
入力した数値の数だけそのキャラクターが『ヤクザ1, ヤクザ2』のように連番で登録されます。既に同名のキャラが連番登録されている場合、最も大きい通し番号に続いて連番登録されます。
※処理実行の例。1回のコマンド送信で「ドラグーン」が5体連番登録されている。
なおキャラクターを連番登録した場合、通し番号1(あるいは最も若い数字)のキャラクターは「親」、それ以降は「子」として扱われます。
「子」のキャラクターに先述の『next』や『nturn』コマンドで行動手番が回ってくると、自動的に次のキャラクターにスキップされます。
🎲<これは、大抵の場合は行動を一括でまとめて処理してしまう「複数のザコ敵」の手番が1体ずつ通知されないようにするための仕組みです!
※手番スキップ処理のイメージ
『n』
このキャラクターはNPCとみなされ、いかなる場合も登録者に手番通知が送信されなくなります。
『m<任意の数字>』
そのキャラクターの所持【万札】を設定できます。主にNPCを倒した際に手に入る戦利品として設定します。
『a<任意の文字>』
を付けて登録すると、そのキャラクターの略称を設定できます。マップ上の位置を示すために使用している、そのキャラのアイコン文字などを登録します。
◇記入例
/im add ソニックブーム,12,6,14,6,s,m50,a風,n
※ログを流したくないため、最小限の表示となるよう『s』を、またNPCであるため『n』を追記。
さらに所持万札を「50」、マップ上の略称を「風」としてオプションを設定した。
addc
/im addc <キャラクター名>,hp<最大体力>,mp<最大精神力>,dg<最大回避ダイス>,init<イニシアチブ値>
キャラクターをイニシアチブ表に追加します。これは別パターンのキャラクター登録コマンドであり、先述の『add』コマンドと基本的な仕様は全く同じです。
※キャラクター名以降は[hp, mp]などの接頭語さえ正しければ順番を入れ替えても問題ありません。ただし、全てのパラメータを指定してください。
※数値以外が指定されたパラメータがある場合、それらの値は自動的に0として登録されます。
※『add』コマンドと同様のオプションが使用可能です。
◇記入例
/im addcソニックブーム,hp12,mp6,dg14,init6,n
あるいは
/im addcソニックブーム,mp6,init6,n,hp12,dg14
※パラメータ指定は順不同のため、上記のように順番をバラバラに入れ替えても同じ結果が得られます。
※処理実行の例。『add』コマンドと同様のオプションが反映されている。
◇プレイ用コマンド
これらは主に参加者(PL&NM)がセッション中に使用することを想定したコマンドです。
対象指定の省略
基本的に「イクサマネージャー」のコマンド処理では、『どのキャラクターの数値を変更するのか』をコマンド内で指定する必要があります。
例:「モーターヤブ」の「体力」を「1」減らす場合
/im hp-1,モーターヤブ
しかしながら、一部の「プレイ用コマンド」ではこれを省略して処理を進めることも可能です。
PLの場合:対象キャラクターが未指定だと、コマンドの送信者が操作プレイヤーとして登録されているキャラクターを対象として処理が行われます。対象キャラが複数存在する場合、イニシアチブの最も早いキャラがこの対象となります。対象コマンドは次の通りです。
『dg』、『hp』、『mp』、『setbuff』、『rs』
NMの場合:NMとして登録されているユーザーが特定のコマンドを使用したとき、操作したキャラクター名が「最後に操作したキャラクター」として保持・更新されます。対象キャラクターが未指定の場合、この「最後に操作したキャラクター」を対象として処理が行われます。
◇使用すると最後に操作したキャラクターが更新されるコマンド
『dg』、『hp』、『mp』、『setbuff』
◇対象指定の省略が適用されるコマンド
『dg』、『hp』、『mp』、『setbuff』、『rs』
なおいずれのケースでも、対象のキャラクターがイニシアチブ表に存在しないような場合は処理を進めることはできません。
>数値操作系
hp
/im hp <増減値+->,<キャラクター名>
指定したキャラクターの【体力】を増減させます。
◇入力例
/im hp-4,ワイヤード
※処理実行の例。指定した値が差し引かれ、変更前と後の値がひと目で分かる。
mp
/im mp <増減値+->,<キャラクター名>
指定したキャラクターの【精神力】を増減させます。
◇入力例
/im mp-2,テンカウント
※処理実行の例。
dg
/im dg <回避ダイス増減値+->,<キャラクター名>
指定したキャラクターの回避ダイスの数を増減させます。
◇入力例
/im dg-5,ドミナント
dg(天狗ダイス連携)
/im dg [判定難易度k~u][使用する回避ダイス数],<キャラクター名>
指定したキャラクターの回避ダイスの数を減らしつつ、[ ]部分を「天狗ダイス」のショートカットと同じ記法で指定することで、「天狗ダイス」と連携し判定ロールまで自動で行います。
◇入力例:難易度NORMALで3連続攻撃を回避する。ダイス割り振りは1,2,2
/im dgn1,2,2,パラポネラ
※処理実行の例。コマンドを受けた「イクサマネージャー」が回避ダイスの減少処理を行い、その後「天狗ダイス」にダイスロールのコマンドを送信している。
>特殊ステータス付与系
rs
/im rs <キャラクター名>
キャラクターの連続側転状態をON/OFFします。連続側転状態のキャラクターは、ターンが進行し回避ダイスが再充填されるタイミングで自動的にダイスボーナスが反映されます。
setbuff
/im setbuff <キャラクター名>,<ボーナス名称>,<回避ダイスボーナス値>,<持続ターン数>
キャラクターに対するバフの有無をトグルします。「☆ヘンゲヨーカイ・ジツ」、「★ムテキ・シールド」など回避ダイスが増減するバフや、何らかの時間制限付きのバフの管理に使用します。<持続ターン数>はマイナス値にすると永続扱いとなります。
バフが付与されたキャラクターは、ターンが進行し回避ダイスが再充填されるタイミングで自動的に設定されたダイスボーナスが反映されます。
対象キャラクターの手番が回ってきたとき、バフが付与されている場合は登録された効果値と残り継続ターンをアナウンスしてくれます。
>上限修正系
setmaxhp
/im setmaxhp <体力最大値>,<キャラクター名>
指定したキャラクターの体力の最大値を変更します。
setmaxmp
/im setmaxmp <精神力最大値>,<キャラクター名>
指定したキャラクターの精神力の最大値を変更します。
setmaxdg
/im setmaxdg <回避ダイス最大値>,<キャラクター名>
指定したキャラクターの回避ダイスの最大値を変更します。
setmoney
/im setmoney <所持万札>,<キャラクター名>
指定したキャラクターの所持万札を変更します。
setabb
/im setabb<略称>,<キャラクター名>
指定したキャラクターの略称を変更します。
setplayer
/im setplayer <キャラクター名>
指定したキャラクターの「操作プレイヤー」を変更します。コマンドの送信者が「操作プレイヤー」として再登録されます。
🎲<イクサマネージャーの機能紹介は以上となります!うまく使いこなせば戦闘処理だけでなく、リプレイ記事の作成の時間も短縮することできるでしょう!
◆最後に
「イクサマネージャー」は主にプライベートサーバー内で運用しながら機能の追加と改良を行っており、ある程度のテストを経た安定版を一般公開版としてリリースしてゆく予定です。
なお、どうしてもデバッグは開発者の個人環境に依存してしまっているため、もしかすると皆さんのプレイ環境では予想しなかったような不具合が発生する可能性もあります。もし利用中にバグや怪しい挙動を見つけた場合はDiscordやコメント欄、Twitterなどで是非教えて下さい!
基本的に、機能に更新があった場合はこちらにチェンジログとして追記していきますが、あまりにも大規模な場合は別途記事での案内となる予定です。
それでは皆さん、快適なNJRPGライフを!
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