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鉄道設計技士(鉄道車両)について


鉄道設計技士とは何か、なぜ合格した方が良いか、イメージができていない人もいるかと思います。
鉄道設計技士の全体像、取得のメリットから入り、取得した方が良い理由を解説します。



鉄道設計技士とは

鉄道設計技士とは?認定事業者制度?設計管理者?

鉄道設計技士は、鉄道事業法に基づく認定事業者制度において、設計管理者となる要件の一つです。したがって、認定事業者制度が適用されている事業者で、設計管理者になるために、要件として認められる資格の一つです。

もう少し噛み砕くと、認定事業者となっている事業者は、車両を新製するときなどに、これまで国が行ってきた許認可のうち、設計確認や竣工確認を自社でできることになり、手続きが大幅に緩和されます。これが認定事業者制度です。

ただし、自社で設計確認する際に、誰でも良い訳ではなく、十分な経験と技術を有した設計管理者が行う必要があります。
その設計管理者の資格として必要な要件の一つが、鉄道設計技士です。他には技術士や電験一種などの資格でも要件として認められます。

本試験の合格者には「鉄道設計技士(鉄道土木/鉄道電気/鉄道車両)」の称号が与えられます。鉄道事業法 第14条に定める認定鉄道事業者制度において、設計管理や設計確認を行う要員である「設計管理者」(鉄道事業法施行規則第24条の2に規定)として選任されるための要件の一つです。

引用元:(公財)鉄道総合技術研究所ウェブサイト

設計管理者になるには、鉄道設計技士取得が近道?

個人的な印象ですが、技術士や電験一種を取得するよりも、鉄道設計技士が取得しやすいのではないかと思います。

夫の所属する事業者でも、設計部門に在籍するエンジニアが取得している設計管理者の要件となる資格のうち、どの資格を取得しているかを確認した結果、鉄道設計技士の取得者が9割以上でした。一部の強者は、鉄道設計技士と技術士を両方持っている方もいます。

法令に定める一定の条件を満たした試験実施機関が行う試験として国土交通大臣の登録を受けており、わが国で唯一の鉄道技術に関する登録試験です。鉄道設計業務に関して十分な経験に基づく高度な管理能力および必要な知識を有することを確認するため、鉄道土木、鉄道電気、鉄道車両の試験区分ごとに、3科目の筆記試験(共通試験、専門試験Ⅰ、専門試験Ⅱ)を実施しています。

引用元:(公財)鉄道総合技術研究所ウェブサイト

なぜ鉄道設計技士は対策しやすい?

鉄道設計技士の方が鉄道技術に特化し、出題範囲も狭く、対策し易いのではないかと思います。

出題範囲が狭いということは、自分が勉強した部分が出題される可能性が比較的高いということですので、他の要件となる資格よりも、勉強の努力が報われやすいということかと思います。
このように、設計管理者になる上では、鉄道設計技士を取得するのが勉強効率が高く、近道ではないかと思います。

鉄道設計技士を取得するメリット

先ほど述べた通り、鉄道設計技士は設計管理者になる上で認められる要件の一つです。言い換えると、設計管理者という設計部門で責任ある立場に立つためには、必要な資格であり、それがないとなれません。

これは、鉄道設計の管理を行う責任者としては、当然、高い技術力を持つ方が行うべきであり、理にかなった仕組みかなと思います。設計管理者に将来なりたい方にとっては、早期に鉄道設計技士を取ることが重要かと思います。

また、「設計管理者になることはないな」という方もいるかもしれませんが、設計の実務を行う上では、やはり早く取得した方が良い資格だと思います。例えば、鉄道車両の設計をする上で、第83条の火災対策を理解しているかなど、実務でも必要な知識となります。
普段の設計実務を行っていると、なかなかこれれらの知識を網羅的に学ぶ機会がなく、断片的な知識となってしまいます。その点、早い段階で鉄道設計技士の勉強をすることにより、全般的な知識を体系的に勉強できるようになります。
これらの実務力向上は、安全で適切な鉄道システムを設計するという上でも、公共交通機関を運営・発展させていく一社員、一エンジニアとして、重要なポイントかと思います。

上記に加え、鉄道設計技士取得は、鉄道エンジニアとして自らの技術力の高さをアピールする客観的な指標となります。エンジニアとしてこれまで様々な設計を行い、実現させてきたかもしれませんが、それは事業者、メーカー、上司、部下など広い意味でチームで実現した成果です。
その中で、自らしっかり技術力が向上している、設計を行う十分な技術を有していることを客観的に証明する手段としては、やはり個人として有する客観的な資格として、鉄道設計技士は持っておく価値があるかと思います。

鉄道設計業務を総合的に管理できる技術能力を客観的に証明することにより、鉄道技術全体の向上を図ることを目的とし、平成8年度より毎年1回実施しています。

一部の鉄軌道事業者においては、人材登用時の判断材料として活用されています。また、設計のコンサルティングや工事の施工を請け負う会社においては、技術力の高さをアピールする材料としても活用されています。

引用元:(公財)鉄道総合技術研究所ウェブサイト

鉄道設計技士の難易度

鉄道設計技士の合格者数の推移は以下のリンクに記載されていますが、科目のばらつきはあるものの、概ね15%程度で、合格率は低く、難易度の高い資格です。

一方で、上述した通り、鉄道設計技士は、設計管理者として認められる他の資格よりも対策がし易い資格です。
しかし、なかなか合格できない方、不合格が続いて受験をやめてしまった方が周りにいるのも事実です。
受験料は26,000円ですので、1次試験で不合格の場合は、毎年26,000円を費やしてしまっていることになります。例えば、3年連続、第1次試験で不合格となると、3年間で合計78,000円の出費ですので、非常に勿体無いと思います。

今後の記事にご期待(合格体験記)

鉄道設計技士は、鉄道分野に特化した資格ですので、受験者母数の小さい意味でマイナーな資格であり、市販の参考書もなく、情報が少ない資格です。

今後の記事では、鉄道設計技士(鉄道車両)に特化し、実際に短期で一発合格した経験を踏まえ、鉄道設計技士の合格に向けてのマインドセット、効率的な勉強の仕方、いつ何をするかなどを、一部有料で紹介していきたいと思います。

今年こそは鉄道設計技士を合格したい!もうこの勉強は最後にしたい!そんな方は是非、今後の記事にご期待ください。


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