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棚から牡丹餅

春の彼岸に墓参をし、先祖供養を行なう風習は、日本独自のものだといわれています。その際の供え物には牡丹餅があります。

かつて、砂糖が貴重な時代には、塩で餡を味付けしていました。江戸時代になると、甘味料としての砂糖が手に入るようになり、甘い牡丹餅となりました。

そんな牡丹餅が棚から落ちてきたら何と幸運なことでしょう。「思いがけない幸運がめぐってくる」という意味の「棚から牡丹餅」ということわざです。

一方で「棚の牡丹餅も取らねば食えぬ」ということわざは、「自ら動かなければ幸運はつかめない」という意味があります。

仕事をする際、〈うまい仕事が向こうから転がってこないかな〉と思うこともあるでしょう。しかし、牡丹餅の例えでいえば、棚の上に届くよう踏み台を用意する、周囲の人々の協力を仰ぐなど、自らが考えて行動に移すことが大切です。

物事に取り組む際、創意工夫が必要です。ただ待つ受け身の姿勢ではなく、自らが幸運を手に入れるための努力をしていきたいものです。

今日の心がけ◆自ら考え行動しましょう

(出典:職場の教養2024年3月号)

◾️「本日のエピソード」の感想

はじめに

日本の春の彼岸には、先祖を敬う風環が根付いています。この時期に供えられる牡丹餅の歴史は、砂糖がまだ珍重されていた時代から続いています。江戸時代に砂糖が広まり、甘味を加えた牡丹餅が一般的になりました。しかし、この牡丹餅にまつわる「棚から牡丹餅」ということわざには、ただ待っていても良いことが起こるとは限らない、という教訓が含まれています。「棚の牡丹餅も取らねば食えぬ」という言葉は、更にその意味を深め、積極的な行動の大切さを説いています。本日は、このエピソードを通じて、ビジネスパーソンが考えるべき「受け身」と「プロアクティブ」の重要性について私の所感を述べたいと思います。

受け身の姿勢とは

「受け身」というのは、外部からの働きかけを待つ姿勢です。ビジネスの世界で言えば、チャンスや機会が自然と転がり込んでくるのを待つことに他なりません。しかし、この受け身の姿勢では、自分のキャリアや事業のありたい姿を実現できる可能性は限られています。牡丹餅のエピソードにあるように、幸運が偶然にも転がり込んでくることはあっても、それに頼るだけでは、持続可能な成果や成長を手に入れることは難しいでしょう。

プロアクティブの価値

一方で、「プロアクティブ」であることは、自ら機会を創出し、積極的に行動を起こすことを意味します。これは、

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