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【VISIONING VOICE Magazine #12】 「声の計測でリスクをハピネスに転換する」 〜 リスク計測テクノロジーズ株式会社 岡崎 貫治さん〜

NEXs Tokyoが主催する、ローカルおよび国内外の広域展開に挑むスタートアップが”次のステージ”に向かって羽ばたくために、サポートをしてくれる人やファンと繋がる番組VISIONING VOICEをインタビュー記事としてまとめたマガジン「VISIONING VOICE Magazine」 📖

「VISIONING VOICE」は4月より日経グループとコラボし、さらにパワーアップ!次のステージを目指すスタートアップ企業の3つの「カクシン(核心・革新・確信)」に迫り、起業家の想いを深堀りします。
パーソナリティは、長年スタートアップを取材している日本経済新聞社・上田敬さんとNEXs Tokyoコミュニティスタッフ・閏野が務め、番組をお届けしています。

今回はDIVEコース(地域発)のスタートアップ、リスク計測テクノロジーズ株式会社 代表取締役 岡崎 貫治(おかざき かんじ)さんにインタビューさせていただきました!

バナーデータ_ゲスト

<登壇者プロフィール>
岡崎 貫治(リスク計測テクノロジーズ株式会社 代表取締役)
声だけで5秒でモチベーションを可視化するアプリ「Motivel」を開発。ボイステックとリスク計測技術を融合し、革新的な人のセンシングで人に関するリスクの予測に役立て、社会・企業の持続的発展に貢献するリスク管理ソリューションを提供しています。
リスク計測テクノロジーズ公式サイト:https://rimtech.co.jp

声だけで感情の先を見通す

声の分析だけでモチベーションを可視化し、人に関するリスクを計測するソリューションを開発、提供しているリスク計測テクノロジーズ株式会社の岡崎貫治さん。
金融機関でデータ分析に長年携わってきた経験を活かし、なかなか日常生活の表舞台に現れないリスク管理という分野から、社会、企業の持続的発展に貢献しています。

スクショ(事業紹介1)

スクショ(事業紹介2)

スクショ(事業紹介3)

スクショ(事業紹介4)


岡崎さん:声だけでモチベーションを可視化するアプリ「Motivel(モチベル)」は、声帯から出る周波数で計測する仕組みです。「早い」「簡単」「どなたでも」が特徴で、どんな言語でも5秒で計測可能なため、使う人を選びません。実は、声から「怒っている」「笑っている」といった感情を抽出する技術はすでに世の中にあり、当社が使っているエンジンのベースにもなっています。

しかしそれだけでは、精神的に元気かどうかまでは分かりません。この部分にフォーカスし、“喜び”と“リラックス”の2つの気持ちが合わさったバイタリティの指標で声を捉え、その起伏が激しくなるほど元気である、モチベーションが高いと読み取るアルゴリズムを作ったのが、当社の技術のポイントです。実際に介護施設では高齢者の声も計測していますが、認知症など言語コミュニケーションが難しい方でも発声が可能であれば状態をチェックすることができ、介護サービスの評価につながります。

さらに、産後うつ病に関する研究への導入を大学と模索したり、小型のAIアシスタントに搭載して顔認証、検温と一緒にモチベーションも計測したりする取り組みも行っています。計測技術と何かを組み合わせることで、さらに役に立つソリューションの提供を目指しています。

【核心】働く場で”不幸”が生まれるリスクを防ぎたい

―― もともと金融関係の企業でデータ分析をされていたとのことですが、どのような経緯でリスク管理を扱う仕事を立ち上げようという思いに至ったのでしょうか。

岡崎さん:金融関係の企業に勤めていた時代、データ分析の仕事をしていると、リスク管理の分野に踏み込むことが多くありました。リスク管理のコンサルを担当する中で耳にしたのは、突発的な離職や休職、短期間での離職、金融関係での不正リスクなど、人に関するリスクをどうにかして減らしたい、という切実な声でした。

これらを聞くうちに、さまざまなミスマッチで企業側も働く側もお互いに不幸になるのを防ぎたいと思うようになりました。そして何か解決する技術がないかと探していたとき出会ったのが、声でセンシングする技術だったのです。働き手の不足が加速度的に問題になっている今、突然人が欠けると事業の存続にも影響が出てきます。この問題を解決することは、企業側だけでなく地域社会やサービスを受ける皆さんにとってもメリットになると考えています。

―― 人へのアプローチが多々ある中で、声に着目されたのはなぜでしょうか。

岡崎さん:人に関するものはデータが取りにくく、センシングが難しいという問題がありました。たとえばアンケートは、実施しても正直に回答してもらえなければ、バイアスがかかったものになってしまいます。しかし、声帯は緊張すると硬くなってうまく声が出なかったり、上ずったりして、自分ではコントロールすることができません。こういった生のデータを取ることができれば、”人“が見えてくるのでは、と思いました。

【革新】技術で元気の素を探す

スクショ(配信中)

―― この事業を通して岡崎さんがアップデートさせたいことはどんなことでしょうか。

岡崎さん:「Motivel」はモチベーションの可視化を掲げていますが、もっとベーシックなところで、みんなを元気にしていきたいという思いがあります。「何が自分にとって一番元気になるのか」を探すために、データで可視化しようと。もともとヘルスケア系の技術は、ストレスの計測など、マイナスをゼロにする領域のものが多かったように思います。でも、それでは少し寂しい。声で計測する技術を使ってストレスを発見するだけでなく、どのようにすればモチベーションを上げられるか。マイナスをゼロではなく、プラスに引き上げることを目指すために使った方が、皆がハッピーになるのではと考えています。

【確信】ハビネスへ転換する2つのソリューション

―― 岡崎さんの「欲しい未来」は何でしょうか。

スクショ(確信)

岡崎さん:「リスクをハピネスに変える!」ということです。リスク管理はあくまでも手段であり、最終的には皆さんの幸福につながっていかなくてはなりません。リスクはどんどん新しいものがうまれます。皆が安全に生活していくためには、データの力を使って予測モデルを作り、いかに回避していくかに尽きます。人に関する部分に関しては、「モチベーションが下がる」「集中力が下がる」「ヒヤリハットのリスクが高まる」という3つの予測モデルを使って、皆さんの生活をより良くしていきたいと思っています。

―― 企業や女性のサポートなどのお話もありましたが、その他に考えていらっしゃることはありますか。

「Motivel」は予測モデルを作る技術と、瞬間の状態が分かるモニタリングで使える技術の両輪でソリューションを提供していますが、今現在は遠隔地にいる方の様子が知りたい、フィットネスの効果測定をしたいなど、後者に高いニーズがあります。例えばリモート学習のときの集中力や、学習意欲などを測定するという教育分野での取り組みは、非常に重要だと考えています。特に小さい子どもはアンケートでの対応が難しいので、声での認識は役に立ちます。その他にもさまざまな可視化したいニーズに応えることで、パーソナライズされた新しいものが生まれる余地があるため、模索している企業とタッグを組んで取り組んでいきたいです。

技術の掛け算でさらに先へ

―― 最後に、岡崎さんが今後さらに広域展開を目指していくにあたって叶えたいことや、どんな人に出会いたいか、教えてください。

岡崎さん:「Motivel」本来の計測技術はさらに磨きをかけているところですが、カメラと組み合わせたり、他の技術と掛け算したりするなど、「技術をどこで使うのかを考えることで、プロダクトの価値が上がる」とお客様から学びました。音声技術を搭載したいという方、自社サービスの可視化につなげたいという方、一緒にプロダクトの価値を上げていきたいという方と繋がっていきたいと思っています。また、企業での繋がりだけでなく、個人で繋がりたいという方もぜひお声がけください。

当日の写真 (1)

―― 岡崎さん、ありがとうございました!

番組ではその他にも、「Motivel」の詳しい機能や、今後リリース予定のソリューションについて聞くことが出来ます。産後うつ病の研究では、協力していただける方を募集中とのこと。youtubeアーカイブより視聴可能ですので、併せてぜひご覧ください!

次回はJUMP(東京発)コースのスタートアップ、株式会社Medii 代表取締役医師 山田 裕揮(やまだ ひろき)さんにご出演いただいた#37の記事です!

■岡崎さん、リスク計測テクノロジーズ株式会社さんに話を聞いてみたい、また、興味のあるみなさんは、コミュニティマネージャー・スタッフにご連絡いただくか、下記メールアドレスへお問い合わせください。コミュニティマネージャー・スタッフより繋がせていただきます◎

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