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中国工商銀行がサイバー攻撃を受け米国債券市場が大混乱!米大手銀行に6,500億ドル以上の含み損が判明!

今回の動画はこちらです。

ICBC(中国工商業銀行)が、「ランサムウェア」によるサイバー攻撃を受け、アメリカの債券市場が大混乱に陥っていると米財務省の報道官が、9日明らかにしました。

米財務省によりますと、中国工商銀行のサイバー・セキュリティ問題が、米国債市場に影響を及ぼしていることを認識しており、主要な金融セクターや規制当局と、定期的に連絡を取り合っているということです。

財務省は、中国工商銀行(ICBC)が“ランサムウェア攻撃“を受けたことにより、同銀行が、他の市場関係者に代わって米財務省との取引を決済することができなくなり、米国内の債券市場が大混乱に陥っているとの声明を発表したと、フィナンシャル・タイムズなどが大きく報じています。

現時点では、それ以上の情報はほとんどありませんが、アメリカの債券市場は、以前から低迷しており、その影響で米国の大手銀行が、6500億ドルもの含み損
を抱えていることが発覚したばかりです。

格付け会社「ムーディーズ・アナリティックス」によると、米国の銀行のバランスシート損失は、6500億ドル以上に上ると算出しました。

バンク・オブ・アメリカは先月、約1300億ドルの含み損を抱えていると報告しています。

こうした債権の価値の低下は、今年3月のシリコンバレー銀行の破綻の原因となった経緯があるため、米国の銀行業界全体が、こうした状況に大きな懸念を抱いて
います。

FRB(連邦準備制度理事会)の利上げ、今回は一旦見送られましたが、今年に入ってから実施された「積極的な利上げ」によって、金利が上昇する中、多くの
銀行が大量に保有する財務省発行の債券の価値が下落しています。

一般的に、「国債」は顧客が預金を運用するのに比較的安全な投資と考えられてきました。しかし金利の上昇で、国債よりも、利回りの高い“新債券“への投資が容易になったため、国債という古い債券は、投資家にとって魅力がなくなり、その結果、国債の価値が下がっていく一方となっているのが実情です。

先月の「ムーディーズ・アナリティクス」の試算によると、アメリカの銀行は、パンデミックの初期に作られた様々な長期債への投資の価値が急落したため、数千億ドル以上の含み損を抱えている可能性があるといいます。

通常、債券を一旦購入されると、満期まで保有されることを意図して仕組みが作られているため、銀行が出金を急増させた場合、つまり「銀行が暴走した場合」
には、債券を売却する必要が生じる可能性が高いといいます。
今年初めに破綻した、シリコンバレー銀行がまさにそうでした。

預金者が資金を引き出そうとする“バンクラン“が起きたため、同銀行は債券の売却を余儀なくされて、結局は経営破綻に至りました。

先月、「バンク・オブ・アメリカ」は、財務省証券と、住宅ローン証券の保有による含み損が、第3四半期には、1320億ドル近くに上ったと報告しています。

バンク・オブ・アメリカの株価は、価値が減った債券を、今も大量に保有しているのでは?との懸念から、10月初めに3年ぶりの安値をつけたばかりです。

バンク・オブ・アメリカのボースウィック最高財務責任者(CFO)は決算説明会で、「これらの損失はすべて、政府保証証券によるものです」と述べたということです。

また、ロイター通信によると、「JPモルガン・チェース」の第3四半期の『満期保有』ポートフォリオには400億ドルの含み損があることが明らかになりました。

「シティバンク」は、第3四半期末の含み損をまだ公表していませんが、第2四半期末の含み損は約240億ドルだったといいます。

ということで、TV等の報道では連日、中東情勢、特にガザ地区の悲惨な光景が映し出されていますが、実はその陰で、「銭の戰」が繰り広げられているようで、世界金融市場が大きく揺らいでいます。
年内に、再びどこかの銀行の破綻のニュースを聞くことになるもしれません。

特に債券市場の今回の大混乱は、中国商工銀行がサイバー攻撃に遭い、その影響をもろに受けたのが、米財務省当局と、米大手銀行であった事実は、決して
無視できるものではありません。

中国は、不動産市場を崩壊させ、米国債を売りまくって、その上サイバー攻撃(自作自演だったりして…)を受けて、米財務省と大手銀行を直撃するとは、
ICBMを打つより遥かに大きな脅威だと思います。

米国が、このまま黙って自国債の暴落を受け入れるとは到底思えません。
おそらく、米国よりも先に、中国が“国家財政破綻“へと向かい、その余波を」日本が被るような気がします。

そうなれば、リーマンショック級では済まされない、大規模な世界金融の崩壊を招くことになりかねません。

「国債」「債券」と言われても、実際に売買していない人にとっては、一見全く無関係のように思われるかもしれませんが、皆さんが預金している銀行はどう
でしょうか? おそらくほとんどの銀行が、何らかの債券を実際に運用しています。そして、米国の大手銀のように巨大な含み損を出しているかもしれません。
ウオッチした方が良いかも…と言っても、金融機関の内部の人にしか分からないことですので、世界金融の動きを鋭く読み解き、取れる対策は早めにとったほうが無難かもしれませんね。

今日もここまで、ありがとうございました。
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