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ネフローゼ入院生活~2020/8/17~

世間は今日からお盆休み明けの出勤日なわけですが、私はお盆も、お盆明けも病院です(笑)

今日は定例の血液検査、尿検査を実施。
寛解維持
尿タンパク定性(-)
随時尿タンパク定量 0.05 g/g・Cr
肝機能の値が若干上がり気味だったため、木曜日に血液検査を実施することに。

10時からは会社と定例Web連絡会実施のはずが、トラブルのため14時からに変更。
退院の日程等が決まったので復職に向けた話をしました。
結果的には 8/31(月)に一度出社し、書類関係の処理と復職日、復職後の流れを話し合うことになりました。

今日のお昼は献立表では「冷やし中華」でしたが、どうやら減塩食の患者は「上海風焼きうどん」に変更。
冷やし中華」と「上海風焼きうどん」、塩分はどの程度違うのだろう。素朴な疑問。
減塩うどん」はあるけど、「減塩中華麺」はないということだろうか。

今日も気づけば満室になった病室(4人部屋)で1人ずっとパソコンをパチパチして過ごしました。

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最後に、私の病気とは関係ありませんが、私の仕事(創薬)に関わる最近気になった医薬品ニュース(医療費)について記載しました。
高額薬剤に興味がある方は読んでいただければと思います。

この新薬の話は2年程前から興味を持ち始め、個人的にいろいろと情報収集してきた薬剤であり、今回承認まで辿り着きました。
既に上市されている薬剤であるスピンラザ、ゾルゲンスマと遂に肩を並べるわけですが、個人的にはその薬剤費に注目しています。
すなわち、核酸医薬、遺伝子治療は非常に高額な薬剤であり、医療費問題が常に付きまとうわけですが、ここで先の2つの薬剤よりも製造コスト面で有利な低分子薬がどれだけ貢献できるかに注目しています(新薬の特徴としては経口投与可能という利点もありますが、ここではコストに着目しました)。

まず、スピンラザ、及びゾルゲンスマの特徴、薬剤費は以下の通り。

◆スピンラザ(Spinraza)
核酸医薬(アンチセンスオリゴヌクレオチド)
・投与形態は髄腔内投与
・投与対象:すべての脊髄性筋萎縮症(SMA)患者
・1回の投与費用:13.3万$(アメリカ)949万円(日本)
・投与費用(年間):最初の年は75万$、それ以降37.5万$(アメリカ)最初の年は5592万円、それ以降は2796万円(日本)
・投与間隔:4ヵ月に1回

◆ゾルゲンスマ(Zolgensma)
遺伝子治療
・静脈内投与
・投与対象:2歳以下のType 1/2型の子供
・投与費用:212.5万$(アメリカ)1億6707万円(日本)
・投与間隔:1回(再投与は実施しない)

以下、新薬である Evrysdi(一般名はリスジプラム)について記載。
投与費用は Genentech社 の広報担当コメントを記載。

Evrysdi(一般名はリスジプラム)(日本未承認)
低分子医薬品
・投与形態:経口投与
・投与対象:すべての脊髄性筋萎縮症(SMA)患者
・投与費用(年間):本薬剤の価格は患者の体重に依存して変わり、年間薬剤費は最大で34万$。より若年層では年間10万$以下になる可能性もある。

薬剤費に関してはあくまでアメリカにおける比較しかできませんが、年間薬剤費ベースで考えると、Evrysdi はスピンラザと比べ非常に安価な印象です。
アナリストの予測でも書かれていますが、特に高齢のSMA患者ではスピンラザよりも Evrysdi が価格面で優位なことから、スピンラザから切り替わっていく可能性が示唆されていますね。

Evrysdi とゾルゲンスマの比較は投与回数や対象患者が異なり、単純比較は難しいので保留とします。

薬剤費とは別の視点でみると、Evrysdi はすでに上市されている薬剤と異なり、経口投与可能であることが大きな特徴の1つです。
そのため、医療従事者管理下での投与(病院や診療所での投薬)が不要になり、大規模な感染症流行時、医療機関が切迫しても患者への投薬を継続できる点は難病患者には大きなメリットであると感じます。

以上、私見を交えながら個人的に興味あった新薬の話題を記載させていただきました。
今後、日本で承認となった場合、どのような薬価算定がされるか気になります。


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