見出し画像

成功者は金を持っているけど必ずしも幸せだとは限らない

「もう、この仕事続けたくない!」

今から14年程前かな、僕はそんなことを思ってたんだ。

大学を卒業して、フリーターをしながらバンド活動。

プロのミュージシャンを目指していたけど、バンドは解散し、年齢も20代後半で限界を感じ、ミュージシャンを断念。

その後、父親のすすめで父親が経営するハウスクリーニングの会社に入社。

しかも、いきなりの代表取締役社長という肩書で、経営をみながら、ハウスクリーニングや内装の職人として生きてきたんだ。

当然ながら、バンド時代より収入が増えた。

バンド時代に住んでいた6畳1Kの部屋から、3DKの部屋に引っ越し。

バンド時代に比べて、だいぶ生活が豊かになったんだよね。

でも、このままこの仕事をし続けることに不安を感じていたんだ。


ハッキリ言って、ハウスクリーニングや内装の仕事ってキツイ。

朝から晩まで肉体労働。

基本、休みは日曜日のみ。

しかも、何かトラブルがあると駆け付けなきゃいけないから、気が休まらない。

夏はハエや蚊が飛び回るゴミ置き場を綺麗にしなければいけないし、ハチの巣の除去やカラスの巣の撤去といった危険作業もある。

冬は雪が降ろうが作業はあり、もちろんお湯は出ないから、かじかむ手で雑巾を絞り、ハウスクリーニングをする。

労働環境としてはマジで最悪。

それに伴って十分な給料が支払われたらいいけど、こうしたきつい仕事料金って低い。

僕の収入はバンド時代からはあがったとはいえ、同年代のサラリーマンよりは低いし、会社になにかあったら社員の生活を守るためにお金を持ち出すことになる。

この状況がこの先ずっと続くとなると、僕は未来に不安しかなかったのよ。


僕は、この仕事は社会の底辺を支える立派な仕事だと思うし、その会社を立ち上げ、社員を抱え、頑張っている父親を本当に尊敬している。

だけど、自分がそれをしたいかというと、そういうわけではないんだよね。

僕が父親の会社を手伝うことにしたのは、それが親孝行だと思ったから。

それまで、プロのミュージシャンになって食っていく、みたいなことをしていて、両親を不安にさせていたからさ。

そろそろ、両親を安心させたい、という気持ちだけで会社を手伝うことにしたのよ。

だけどさ、自分には無理だったね。

自分のやりたいことじゃないんだもん。

バンド時代に比べ収入が増え、生活にゆとりができた。

だけどさ、どんどん幸せから遠ざかる感じがしてたんだよね。


その後、セミナー講師という道を見つけ、父親の会社を辞め、13年間、講師としてコンサルタントとして活動してきた。

その中で、沢山の経営者と出会い、いわゆる成功者と呼ばれる人たちにも数多くあってきた。

そんな人たちに触れ、気が付いたことは、

どんなにお金があっても必ずしも幸せだというわけではない

ということ。

成功者ってさ、端からみたらすごく幸せそうに見える。

お金をたくさん稼いで、良い家に住んで、良い車に乗って、休みの日は家族で海外旅行、しかもファーストクラス。

といった側面をみると、すごく幸せそうだよね。

だけど実際は、夫婦関係が破綻していたり、親子の関係が悪かったり、健康が脅かされていたり、社員全員に逃げられたり などといったことが起きていて、それらに恐怖を感じながら生きていたりするんだよね。

しかも、そうした影の分がばれないように、ばれないように生きていて、自分の成功者のイメージが崩れるのを恐れていたりするんだ。

でね、経営者さんがビジネスの相談にきて、色々話を掘り下げていくとこんな本音が出てくるんだ。

「もう、この仕事続けたくないんです……」

いや~、びっくりだよね。

僕が父親の会社を手伝っていた時と同じ悩みを、年商数億円、数十億円の経営者が抱えてるなんてさ。

年商数億円のビジネスだよ。

年収も数千万円あるんだよ。

毎月新車買えちゃうんだよ。

それでも、そのビジネスをやめたいって。

続けるのがもう苦しいって。

そんな経営者は、結構多いんだよね。

そんな様子を見ているとさ、お金があったら幸せになるなんてのは、ほんと幻想だなって思うんだ。


以前、友人とこんな話をしたことがある。

「一般的に成功者って、お金を持っている人のことを言うよね」

過去の僕もそうだったけどさ、成功者ってお金を持っている人のことだって思ってる人って結構多いよね。

そして、そういう人たちは幸せだと思っちゃってる。

だから、まずはお金を稼いで幸せになろう、みたいなことを考えちゃうけど、ハッキリ言ってお金をどんなに持っていても幸せになれるとは限らない。

お金と幸せは関係ないし、お金を持っている人 イコール 成功者 ってわけでもない。

お金をどんなに稼いでいても夫婦関係が冷え切っているとか、それって成功か?

子どもが一切口きいてくれないとか、社員が全員逃げだすとか、それって本当に成功か?

お金は腐るほど持っているのに、家族との時間がない、自分を労わる時間がない、友人と遊ぶ時間もない なんてのは、本当に幸せなんかな?

っていうと、僕の答えはNO!

これまで散々、成功者と呼ばれる人たちを見てきて、ハッキリわかったよ。

お金を追い求めても幸せになれるわけじゃないって。

お金は確かに生活を豊かにしてくれる。

だけど、必ずしも心を豊かにしてくれるとは限らないね。

心の豊かさは、関係性の中にあるって僕は思うんだ。

それは、自分と家族、自分と友人、自分と恋人 ってのもあるけど、自分と会社、自分と地域、地元、日本、アジア、世界、文化、歴史、神 などなど、自分と自分以外の関係性の中にあるなって。

そして、そこを突き詰めると、自分と自分の関係性の中にあるなって思うんだ。

この関係性を差し置いて、お金や何かを求め手に入れても、心の豊かさ(幸せ)ってのはそこにない。

例えあったとしても、それは手に入れたときの一時的な達成感に過ぎないんだよな。

別に成功者を目指しても、お金を求めても良いけど、それで幸せになれるとは限らない。

もし本当に幸せを望むのであれば、あらゆる関係性を見直すことがスタートだなってのが僕の実感だね。

幸せになるためにお金は必要ではない。

その幻想から目覚めることが幸せのスタートだと僕は思うんだ。

いただきましたサポートは、火星でセミナーをするための研究開発に大切に使用します! あたたかい応援、よろしくお願いします!