見出し画像

【遊戯王】無法者には潜影蛇手【にゃっき討伐編】

遊戯王による「バトルロイヤル」。皆さんには経験があるだろうか。

1対1対1。簡単に説明すると、順番にターンを回し、最後までライフポイントが残った者の勝利という変則デュエル。

公式にはルールが存在しないため、ルールの整合性よりも、むしろカードのテキストを優先して進められるローカルバトル。はいここ伏線。
ちなみに遊戯王GX、藤原戦のバトルロイヤルは実質2対1。ただのいじめだ。

ふじわら



誰が誰に攻撃しても構わないし、強制転移のようなカードは好きなプレイヤーに対して発動して良い。まさに世紀末。下手すりゃ右からトキの2Aが、左からレイのJBが飛んでくる始末。死兆星と太陽を間違える程度には輝くあなたの一番星。

故に、このルールではデュエリストとしての腕よりも、ヘイト管理、つまりいかに敵を作らないかが重要になる。
例えば、初手にハンデス効果でも使われようものなら、たちまちやり返したくなるのがヒトの性。やはり野蛮。おろかな現人類滅ぶべし。
影の薄い人間が最も勝利に近いという、心理戦どっぷりな遊戯王が、そこにはある。黒子のバスケの次回作『黒子のデュエル』にご期待ください。

「僕は、影(シャドール)だ。」

強すぎる。


そして、ここに異様に苦しんでいる一人のデュエリストがいた。
その名は「にゃっき」。やったー。
彼はバトルロイヤルの真っ最中で、熱いデュエルを繰り広げている、そのはずだった。
ちなみに対戦相手は僕ではない。「おさむ」そして「もげ」という名の、いささか血の気の多いデュエリスト、その二人だ。野蛮。

僕はというと、おさむの家にあるswitchを借り、ポケモンユナイトの体験版をプレイしていた。たーのしー。

まあ横目でデュエルを鑑賞するのだが、苦しむにゃっきのフィールドには1体のモンスターが居た。苦しむにゃっきでご飯はうまいし酒は進む。世界に轟けにゃっきの咆哮「ザッケンナヨ!」。ガッシュの呪文か何か?

フィールドに佇むモンスター。其の名は「降雷皇ハモン」。見知った顔だ。ハモンを従えたにゃっきのフィールドはなかなかに固く、盤石と言える。いや、言えたのだろう。そう、1対1ならね。問題はハモンのテキストにあった。

(1):このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する限り、
相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

そう、他のモンスターを攻撃できない。「自分フィールドの他のモンスター」ではない。「他のモンスター」だ。
おさむがもげに攻撃したくても、その逆もまた同様に、ハモン以外のモンスターには違いない。二人は邪悪な笑みを浮かべながら「仕方なく」にゃっきのハモンを攻撃し続けている。
ただ、通常なら4000もの守備力を誇るモンスターにしか攻撃できないとあれば、膠着状態に陥ってしかるべき状況のはず。
だが相手が悪い。おさむ、もげ、ともに主力モンスターの攻撃力が4000を楽々超えていく。殺意の塊だ。なんか笑ってるし。ここが地獄か。

仕方なく」破壊され続けるハモンを、にゃっきはハイパーブレイズで蘇生し続ける。ぶっ倒しても、ぶっ倒しても、ぶっ倒しても!。もう誰が覇王か勇者か分からない。

私たち、入れ替わってるーーー!?

「ファイア!」

オブライエン

よし。お前が勇者(オブライエン)だ。

というわけで、今週のドジ神ポジションはハモンで決まり。解散。

そんな、リンチ、いや、デュエルを繰り返しているさなか。おさむは言った。

そもそもそのハモン蘇生できんの?

その時八木に電流走る。
なに?できないの?
そう。できないの。

このハモンは混沌の召喚神の効果によって産み落とされた紛いもの。

混沌

---だが。

偽物が本物に敵わない、なんて道理はエヌマエリシュ。

流れ的なものもあるので、そのデュエルだけは蘇生制限を無視したハイパーブレイズに笛が鳴ることは無かった。

『最強ブレイズ』爆誕。

実際の名称と若干異なるが、やや個人情報を含む為仮名としておこう。

が。そんな最強ブレイズ使いが許されるわけもなく。

そう。バトルロイヤルで最も大事なのは、デッキ構築でも、プレイングでも、ましてカードパワーでもない。ヘイト管理こそが重要であった。

彼のミスディレクションは1試合まるまるはもたない。というかそもそも使っていない。

脱法召喚によりしっかりヘイトを稼いだにゃっきは、当然のように目の敵にされ、いや、元々攻撃は集中していたが、無事二人に討伐されるのであった。赤飯炊こうか。

ただ討伐しただけでなく、その後の最強ブレイズさえ封じられた、木の葉崩し後の大蛇丸と化したにゃっきは、優勝していくこともなく今日もどこかで脱法デュエルを繰り広げているのであろう。

次、彼とカードを交わす時は、しっかりと右手に公式Q&Aを握り締めて潜影蛇手。


-完-

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?