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熊田茜音5thシングル「ハッピーの秘訣」発売記念インタビュー 「初めてお会いしたのに、全部見抜かれている気がしました」

5thシングル「ハッピーの秘訣」を5月29日にリリースした熊田茜音さん。声優としてアリーゼ役で出演したのTVアニメ「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」エンディング主題歌となった表題曲の作詞を手がけたのは、数々のヒットソングを生み出してきたレジェンド作詞家・森雪之丞さん! 作詞にまつわる森さんとのエピソードや、自身も大ファンになったというアニメ「第七王子」の魅力、そしてお約束(?)のあの質問まで、いろいろお話を聞いてきました!

熊田茜音さん

初対面で実感した大御所作曲家のすごさ

「ハッピーの秘訣」アニメ盤ジャケット

――4thシングル「Another Self」が2023年9月、そして5thシングル「ハッピーの秘訣」が2024年5月と、昨年から今年にかけてリリースが続いていますが、ご自身としては充実感を得られていますか?
熊田 リリースイベントの期間には頻繁にライブイベントができたので、充実しているなと思いました。

――「ハッピーの秘訣」はブラスを取り入れた編曲になっていて、ちょっと懐かしいアニメソングのような雰囲気も感じました。
熊田 私もちょっとレトロなサウンドだなと思って。でも、すごく耳なじみがいいですし、サビのところとかも自然とクラップしたくなるようなサウンド感だなと思いました。

――歌うときも体を自然と動かしたくなるような感じですか?
熊田 初めてイベントに参加された方や、私の曲をあまり聴いたことがないような方でもこの曲は乗りやすいんだなというのを見ていて思ったので、私も歌うときはノリノリで、指パッチンとかクラップとかをしながら歌っています。

――作詞をされたのは大御所の森雪之丞さんですが、実際にお会いしてお話しすることはできましたか?
熊田 直接、対面でお話しできました。お忙しいにもかかわらず「第七王子」の漫画を読んできてくださり、私も「第七王子」の漫画とライトノベルを読ませていただいてから打ち合わせに挑んだんですけど、そこで森さんから「主人公側じゃなくて、ヒロインたちの角度で歌詞を切り取ってもおもしろいんじゃないか」というご意見をいただきました。それで「すごい視点だなあ」と思ったのと同時に、私も「ヒロインたちが主人公のロイドに見向きもしてもらえないのに何度もアタックする姿勢だったり、あるいはロイドが魔術を大好きすぎて何度もトライ&エラーを繰り返す姿に近しいものを感じます」というお話をさせてもらったら、森さんが「熊田さんのすてきなところは、熱量があるところとド根性精神というか、何度壁にぶち当たっても起き上がる力があるね」と、初めてお会いしたのに言っていただいて……。そういうお話を「挑戦するロイド」「挑戦するヒロイン」「挑戦する熊田」という3つの角度から歌詞に落とし込んでいただきました。

――熊田さんの内面を初対面で言い当てるところがさすがだなと思った?
熊田 そうなんです。あまり初対面では言われたことがないので、びっくりしました。全部見抜かれている気がしましたね。

――実際にでき上がった歌詞を見て、熊田さんらしさが落とし込まれているなと思ったところを挙げていただけますか?
熊田 「夢見て振られて3秒後/また恋に落ちるのMy Routine」という歌詞は、一見恋愛の歌詞にも思えるんですけど、これを夢のステージに向かっての気持ちと考えるとすごく私らしいなと思います。あとは「マジっ!ツヨい主役演じたい」や「おでこ☆パチン」もそうですし、「ケセラセラの呪文」……あ、そうだ! この「ケセラセラ」という言葉は私に対するメッセージとのことで、私が頑張りすぎたり空回ったりしちゃう性格なので、「ほわっと流せる力をもつと、この後の人生が生きやすくなるよ」と、打ち合わせのときに森さんから言っていただいた思い出があります。

――歌い出しが「だから」から始まるのもおもしろいですよね。
熊田 確かに、言われるとそうですね。普通は前の文章があってからの「だから」ですもんね。ライブのときもこの歌い出しは絶対忘れないです(笑)。

――アニメのエンディング映像でもヒロイン3人の姿が描かれています。
熊田 めちゃくちゃかわいい!と思いました。それこそ私は「第七王子」のオタクと言えるくらい好きになってしまって、アニメを何周もするくらい見ているんですけど、そのなかでヒロインたちが集まっている映像というのもなかなか珍しいですし、私服を着てロイドとデートしたり、お茶会に出かけたり、本編ではなかなか見られない衣装が見れたりするところもエンディングの魅力だなと思います。

――「第七王子」のオタクになったとおっしゃっていますが、アリーゼ役でご出演もされていますよね。
熊田 アリーゼはサルーム王国の第六王女で、ロイドのお姉ちゃんです。動物と直接会話ができて、レッサーフェンリルという高位の魔獣ともコミュニケーションが取れちゃうような女の子なんですけど、本人はその力が魔術ではなく愛情による信頼関係にあると信じています。そういう素直でまっすぐな、動物に好かれる女の子というのが私的には理想だし、大好きになれる子なので、注目していただけたらうれしいなと思います。

――作品の魅力はどんなところにありますか?
熊田 自分の欲望をかなえるために繰り広げられる主人公の物語がとても魅力的だなと思っています。自分が好きなことを極めることの楽しさを教えてもらえるような気がします。

「夢がかなった」思い出の1stライブがBlu-rayに!

「ハッピーの秘訣」アーティスト盤ジャケット

――ちなみに、熊田さんにとっての“ハッピーの秘訣”は何ですか? お決まりの質問で恐縮ではありますが……。
熊田 いやいや(笑)。たくさんあるんですけど、どうしようかな? ここで私もお決まりの返答をすると「みんなとのライブの時間です」になっちゃうので、それは大前提として別の答えを挙げるとするなら「ひとりの時間」です。みんなとの時間という答えとは逆みたいになっちゃいますけど、私はひとりの時間がないとダメなタイプで。お仕事でのちょっとした隙間時間もそうですし、ちょっとしたお休みができたときに旅行にいったり、ひとりで何かを楽しんだり、おいしいものを食べたりする時間がハッピーの秘訣ですね。

――特に好きな食べ物はありますか?
熊田 お寿司が大好きで、ひとりで回転寿司によく行くんですけど、最近初めて回らないお寿司にひとりで行きました。それはちょっとドキドキしましたね。1貫1貫味わって食べる時間が幸せで、すごくハッピーになりました(笑)。

――プライベートではお寿司を食べにいきつつ、ジャケット写真では甘いものに囲まれていますね。
熊田 私は食べることが大好きで、おいしいものに囲まれているのが私らしくハッピーだということで、熊田を甘いもので囲んでいただきました(笑)

――ここに写っているものは食品サンプルとかですか?
熊田 これは本物です。食べられないものもあったんですけど、食べられるケーキとかは撮影の後スタッフさんたちと全部食べました。

――「ハッピーの秘訣」のMVはどんなものになっていますか?
熊田 ひとり3役演じました! 男の子、女の子、そして熊田茜音という3役どころになっていまして、「第七王子」のヒロイン同様に、恋に落ちる女の子、恋される男の子を演じました。女の子が恋に落ちてから、男の子へ会いに行くためにメイクアップをして……というストーリー仕立てになっていたりもするので、男の子役のときが特にそうなんですけど、今まで出したことがないくらいのほぼすっぴん状態から、メイクアップされた熊田茜音のところまで、だんだん完成していく映像となっています。

――この曲は振付けもありますよね。
熊田 今回、サビの振付けをシンガーソングライターでTikTokクリエイターとしても活躍されている、うじたまいさんに付けていただいたんですけど、すごくかわいい振付けになっているんです。ただ、結構難しいので、初めて見られる方はサビのラストにある「OK!」のポーズだけやっていただければうれしいなという感じでライブをやっています(笑)。

――カップリングの2曲は、どちらも既存曲の新しいバージョンになっています。
熊田 以前、樋口楓さんとフィーチャリングで歌った「Take My Chance」のソロバージョンが収録されています。、樋口さん歌唱パートも私が歌っているので、そういった部分を熊田茜音の歌声でも楽しんでいただけたらいいなと思います。もう1曲の「Brand new diary(R・O・N Remix)」は、STEREO DIVE FOUNDATIONのR・O・Nさんによるリミックスとなっていて、私の曲の中ではライブで盛り上がる定番曲なんですけど、オリジナルとは雰囲気がまたガラッと変わるので、違う曲のような感じで楽しんでいただけるかなと思います。

――樋口さんとは、くしくも2作連続でオープニング・エンディングを同じ作品で担当することになりましたね。
熊田 めちゃくちゃうれしいですね。ラジオなどで共演できて距離も縮まりましたし、勝手にタッグを組んでいる感じがあって、それこそツーマンでライブができたらいいなというくらい。2作品連続ってなかなかないと思うので。いっしょに何かイベントとかができたらいいなあ、なんて思っています。

――ライブといえば、2022年6月12日に科学技術館サイエンスホールで開催された1stライブの模様を収録したBlu-rayがアーティスト盤に同梱されています。
熊田 もう2年前ですよ! 信じられない!

――ライブ当日を振り返っての思い出や、Blu-rayの見どころを教えてください。
熊田 見どころは、MCがほぼノーカットで、見にきてくださった方はもちろん、見にこられなかった方も「こんなライブやってたんだ」と、全編を楽しんでいただけるところかなと思います。思い出としては、本当に夢がかなった瞬間、一歩目の1stライブだったので、絶対に見ていただきたいなというのと、客席に座っている人たちがみんな私を見にきているんだという空間自体が初めてだったので、あんなに大きくて温かい空間は後にも先にも1stライブでしか経験したことがないなって。その空気感も含めてBlu-rayに収録されているので、その場にいるかのように何度でも楽しんでいただけたらうれしいなと思います。

――本当にすばらしいライブだったなという思いは伝わりましたが、2022年当時はまだライブでの声出しが解禁されていませんでした。
熊田 そうなんですよね。なのに、私は声が聴こえたって錯覚しているくらい、みんな本当にすごかったんですよ。いい意味での圧がありましたし、こんなに人からのパワーってステージ上まで伝わるんだというくらい、マスクをしていて声も出せないのにみんなの声が聞こえてくるような感じがして。ライブが終わった後、SNS上のコメントで「熊ちゃんが出てくるときにこっちのほうが緊張してた」といっしょにドキドキしてくれたり、みんなが「楽しむぞ!」という気持ちを全身で表現してくれたのがうれしかったです。

――今は声出しも解禁されていますし、2ndライブも実現させたいですよね。
熊田 声出しでライブができたらエモいなあ……! 熊田茜音のワンマンは楽しいんだぞ、というのがお伝えできたらいいなと思っています。

――最後に改めて、読者へのメッセージをお願いします。
熊田 「ハッピーの秘訣」は、アニメを見ていただけるとより色鮮やかになる楽曲ですので、ぜひアニメといっしょに楽しんでいただけたらうれしいなと思います。……と同時に、この「ハッピーの秘訣」を今後いろんなライブイベントで歌っていきたいなと思っているので、イベントがあった際はみなさん遊びに来てくださるとうれしいです!

プロフィール

●くまだ・あかね/2月3日生まれ、東京都出身。2017年、次世代声優アーティストオーディション「ANISONG STARS」にてグランプリを受賞。2020年、自身も出演したアニメ「織田シナモン信長」OP主題歌「Sunny Sunny Girl◎」でアーティストデビューを果たす。その他の主な出演作は、「チート薬師のスローライフ」(ミナ)、「ヒーラーガールズ」(森嶋響)、「英雄教室」(アルティア)など。

【取材・文:仲上佳克】


■熊田茜音「ハッピーの秘訣」

発売日:2024年5月29日
発売・販売元:バンダイナムコミュージックライブ
価格:アーティスト盤 3850円(税込)/アニメ盤 1650円(税込)
リンク:熊田茜音オフィシャルサイト
    熊田茜音 Official YouTube Channel
    熊田茜音公式X(旧Twitter)
    「ハッピーの秘訣」各配信サイト


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