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[レポート] 福祉と全国各地の伝統工芸や職人技術をつなぐ リサーチ&ワークショップシリーズ を開催しました|竹①

10月某日、京都府長岡京にて、竹製品を製造販売する高野竹工株式会社のご協力のもと 「素材をめぐる、障害のある人とサポーターのためのワークショップ ─ 「竹」に触れて・感じて・考える一日─」 を開催。たんぽぽの家とGJ! Center KASHIBAのメンバーのほか、関西近畿エリアからもお集まりいただきました。 

 ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます!



▼ 当日の様子は下記からどうぞ!
[ 開 催 内 容]

高野竹工×たんぽぽの家
素材をめぐる、障害のある人とサポーターのためのワークショップ
── 「竹」に触れて・感じて・考える一日──


[概 要]
❶.  [竹について知る] 竹をめぐるお話し
❷. [竹に触れる] 竹林に入ってみよう!色んな種類の竹を見て触れてみよう
❸. [竹を使ったモビール づくりワークショップ] 組みあわせる・つなぎ合わせる
日時: 10/26(火) 10:00-16:00
対象:障害のある人とサポーターの方 


1. [竹について知る] 
 ワークショップの会場となったのは、京都府長岡京にある、高野竹工のショールーム。株式会社高野竹工は80年に渡りさまざまな技を持つ職人を中心に、茶道具から日用品に至るまで多彩な商品を製作し続けています。現在は良質の竹の産地として知られる、京都府長岡京市を拠点に、竹を育てながら製造から販売に至るまで、また企業やアーティストとのコラボレーションなどの取り組みも意欲的に行っています。

午前中は室内で高野竹工の東前さんから、竹の特性や特徴、竹林に生殖するキノコや小さな生き物の話しなどの生態系にまつわるお話しを映像を見ながらお伺いします。東前さんは、竹を材料にして使うまでの工程の一連の面倒を見ている「竹」のスペシャリストです。

竹は、硬さと柔軟性を兼ね備えた素材です。日本では古くから台所まわりの生活道具や調度品など生活に密着した素材として用いられてきました。高野竹工では、こうした竹製品を製造するだけでなく、竹を栽培し、材料として使えるようにするまでの「製材(せいざい)」を行っています。竹にまつわるお話しをお伺いしたあとは、参加者全員で、高野竹工の裏手にある竹林の中に入ってみます。


2. [竹に触れる]  
 竹材として国内で栽培されているトップ品種は大型品種の「マダケ(真竹)」と筍としても食される「モウソウチク(孟宗竹)」の2種類です。
今回会場となった「チクブエン(竹生園)」では、モウソウチクを始め、インテリアなどで好まれる「黒竹」や、節(ふし)が斜めに入り亀の甲羅のように見える「キッコウチク(亀甲竹)」、黄色い棹に一節おきに緑色の筋が入った「キンメイチク(金明竹)」など様々な品種が見られます。

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写真中)黄色い棹に一節おきに緑色の筋が入った「キンメイチク(金明竹)」

写真下左)「実竹」
地上では一本一本生えて見える竹も全て「地下茎(チカケイ)」でつながっており、この、地下茎の節にある芽が地上に伸び竹へと成長します。地下茎は地上に顔を出すことがありますが、日光を浴びると地下へと潜り込もうとする特徴があります。稀に地下茎が地上に出てそのまま成長するケースがあり、これは「実竹」と呼びばれ珍重されています。

写真下右)「ひげ根」 
竹の節から伸びる無数のひげ根は、地下水や養分を地上に生える竹におくります。


3. [竹を使ったモビール づくりワークショップ]
 午後の部では、竹を竹材に加工するスペシャリスト、高野竹工の職人橋本さんに、実演してもらいました。小ぶりな「なた(鉈)」や、小刀を器用に使って、竹かごを編むための細い竹材を作っていく様子をみんなで見学しました。

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写真上)参加メンバーからも積極的に質問が飛び交います。


 いよいよ、 [竹を使ったモビール づくりワークショップ]です。
高野竹工で、竹製品を作るときに出た端材や、組紐、GJ!Center KASHIBAからも3DプリンターやCNCルーターで小物を作るときにでた端材を持ち寄って、竹の小物を作りました。

サポーターの手も借りながら、普段使ったことのない工具を使ってみたり、モビールは作らずに、アクセサリーを作ったり、竹笛づくりに没頭する参加者の方も!みなさん真剣そのもの。夢中で思い思いの創作に打ち込み、あっという間に時間が過ぎていきます。

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作品が完成した後は高野竹工のショールームに、それぞれの作品を吊るしてもらい、発表会を行いました。素材を組み合わせて、音が出る小物を作った人や、猫のおもちゃを作った人、竹やプラスチック端材を使って、人形を作ったり、素材の組み合わせを楽しんだ方もいました。

京都市の事業所一般社団法人 暮らしランプさんの屋台サービス 暮らしランプオリジナル・旅する珈琲屋台「3yatai」から届けていただいた珈琲や梅シロップで一息ついて、ワークショップは閉幕しました。

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写真このページすべて:林 智子

株式会社 高野竹工 https://www.takano-bamboo.jp/


福祉と全国各地の伝統工芸や職人技術をつなぐリサーチ&ワークショップシリーズ 

Good Job!センターとたんぽぽの家では、障害のある人と伝統工芸に関わる職人が互いの施設や工房等を行き来し、技術交流することを通して伝統工芸と福祉のこれからについて考え実践へと変えていく取り組みを行っています。

今回は、京都府長岡京市を拠点に、竹を育てながら製造から販売に至るまでまた、企業やアーティストとのコラボレーションなど先進的なプロジェクトに取り組む高野竹工株式会社と一緒に、素材をめぐるワークショップを行いました。福祉と全国各地の伝統工芸や職人技術をつなぐリサーチ&ワークショップシリーズは今後も続きます。ぜひ、noteやホームページからチェックしてみてください。

問い合わせ先
福祉と全国各地の伝統工芸や職人技術をつなぐリサーチ&ワークショップシリーズ担当 < nt@popo.or.jp >

助成:日本財団「障害のある人の表現と伝統工芸の発展と仕事づくり」




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