見出し画像

ありえないことが起こること

夫の病気を治すことはできなかった
けれど、奇跡はあちこちで起きていたことに気がついた。

夫に関わる奇跡を、少し挙げてみよう。

余命宣告の10年よりも、データよりも、ずっと長く生きた
しかも最後まで元気で、寝たきりになることなく、生きた。

亡くなる少し前まで飛行機に乗り、遠く離れた息子の家に遊びに行けた。
ずっと行きたかったホテルに泊まる私の夢を叶えてくれた。
女性ナースと私との2人で、動けない夫と旅をする、普通ではありえないだろうことをやってのけた。

重度の障がい者が何度もハワイへ旅をする。
夫の退職金と保険金を充てた。
体温調整のできない夫にはハワイの気候が合っていたし、ハワイが好きだからという理由だけ。
車椅子で全ての旅をした。

車椅子のまま乗れる車が欲しいなぁと口にしたら
車椅子のまま乗れる車がやってきた。
しかも2台。

夫のような重病患者をみてくれる、24時間看護で、しかも腕のいい施設があったらなぁと口にしたら
ピカイチの腕を持つナースのいる老人保健施設が出来上がった。
しかもすぐ近くに。

何度も旅をして、息子の新居まで見に行けて、初孫にも会えた、なんと恵まれた人だったんだろうなぁ。
その都度、助けてくれる人がたくさんいた。
夢を形にしてくれる人がいたから、叶った数々の出来事。

人との出会いも奇跡だ。
人との出会いは奇跡の始まりだ。

一人では生きていないと感じられる人間になれ
介護の経験は、私の人生に大きな学びをくれた。
キラキラ光る奇跡をたくさん見せてくれた皆様ありがとう。

新堂きりこ

よろしければサポートをお願いします。 いただいたサポートは社会復帰への新しいチャレンジの活動費とさせていただきます。