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2020年に主要なFDM/FFF用ノズル各種の寸法を確認しておく

この記事ではタイトルの通り現時点で主流を形成するFDMプリンタ用のノズル形状を再確認し、適切に選択できるような道標をつけておきたいと思う。
もちろん形状が違うので、印刷に与える影響もそれぞれ違うことになる。この辺りも整理しておきたい。

基本的にはホットエンドはヒートシンク、ヒートブレイク、ヒーターブロック、ヒーター、サーミスタ、ノズルを含む部分を指す。これらは一体で開発されているが、互換性がある場合もある。

主要なホットエンドとノズルたち

・E3D V6ホットエンド&ノズル
・Mk7/Mk8ホットエンド&ノズル
・Mk10ホットエンド&ノズル

E3D V6ホットエンド&ノズル

最も一般的な高性能ホットエンドとして有名な、E3DのV6ホットエンドとノズルです。
エクストルーダーシステムとしてはTitan、Titan Direct、Titan Aero、Titan Aqua、Hemeraなどがありますが、基本的には送り出しギアのシステムやヒートシンクの違いであってノズルは同じです。
(Volcanoという長いノズルのシリーズもある。高速吐出向き)

純正のノズルは最も安い真鍮ノズルで£4.50程度から、最も高いNozzleXで£22.5程度で購入可能です。
もちろん有名・無名問わず互換品があり、ノズル1つ100円以下から、耐摩耗性の高い特殊な材料のノズルでは1つ10,000円を超えるものもあります。

寸法については公開されており、全長12.5mm、取り付け部は7.5mmでM6のネジが切られています。

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Mk7/Mk8ホットエンド&ノズル

Makerbotのreplicatorシリーズで使われていたホットエンド形式です。

もちろんreplicatorからのクローンや派生品がたくさんありますので、そちらでも互換性のあるものがたくさん使われているでしょう。

全長13mm、取り付け部は5mmでM6のネジが切ってあります。

V6ホットエンドとはネジ部の長さが違いますが、ヒートブレイクの差し込みを調整すると取り付けができる場合もあります。
全長についても違いがありますので、注意が必要です。

なお、Replicatorの原設計データは下記で公開されています。

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Mk10ホットエンド&ノズル

Replicator2からはMk10ホットエンドが採用されていました。
大きな違いは取り付け部がM7のネジに変わったことでしょう。
全長は13mmでMK8と変わりませんが、取り付け部はM7で6mmと1mm長くなっています。

M7のネジに変わったことで、ノズル内までTPFEチューブが入るデザインが基本になり優れたサーマルバリアによって印刷品質が向上しています。
しかしその場合はPTFEチューブの耐熱性の限界により、260度以上での印刷はできなくなります。

PTFEチューブが入らずヒートブレイクのネック部分が細くなっている物もあるので、ノズルやヒートブレイク購入の際は入り口にチューブが入るタイプか、入らないタイプかよく確認をしましょう。
この場合はより高い温度まで造形が可能なセットアップが可能です。

なお、かなり探しましたがMakerbot公式の図面を見つけることはできませんでした。公式の図面や寸法入りの図など見かけましたらご連絡いただけますと幸いです。

まとめ

・E3D V6ノズル 
    全長 12.5mm 取り付け部 M6 7.5mm
・Mk7/Mk8ノズル
    全長 13mm  取り付け部 M6  5mm
・Mk10ホットノズル
    全長 13mm  取り付け部M7 6mm

微妙に全長やネジ部の長さが違うのがあったりしますが、ほとんどこのどれかが適合するはずです。
ノズルを変更した際は、ベッドのレベリングをお忘れなく。

最後に

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