3Dプリンターできっちり嵌めたい
ピタッと嵌めたいですね。「はめたい」と読みます。
私は漢字で書く自信ないです。
嵌め合いとか勘合とか言いますね。なんかちょっと陰謀のにおいがする文字です。
ケースの蓋を本体にピタッと入れたいとか。
自作キーボーダーの人はキーボードの軸にキーキャップをきっちり嵌めたいとか。
3Dデータの設計の話から行くと、射出成型の場合は嚙合わせる長さが短い場合(5mm以内)であれば0.1mmのクリアランスを作るとか言いますね。
それより深い場合は0.2mmとかなのかな?
3Dプリンタの場合も基本はそれでよいと思います。
ただし、正確に3Dプリント出来るのであれば....
射出成型部品の設計ってしたことないので詳しく知りませんが、各社イロイロ基準があるでしょう。
「0.1mmのクリアランスで設計したけど3Dプリントしたパーツが入らない」!と言っている人の設計を見ると結構思うところがあります。
接触させる必要がある部分だけ接触させましょう
蓋のはめ込み等で一周全部を隙間0.1mmで作っている人を良く見ます。
これ、結構調整が大変です。
接触させる面は4か所~8か所ぐらいで十分じゃないでしょうか?
他の部分は0.5mmぐらいのクリアランスで逃がしておきましょう。
上手く嵌らなくてやすりで削るとしても、ちょっと削れば済みます。
差し込むところには面取りをしておきましょう
「直径10㎜ピッタリの穴に直径10mmピッタリの棒を入れるのは至難」という話がありますが、面取りでとっかかりがあれば押し込めば入るかもしれません。片方orあるいは両方に面取りをしましょう。
その出力物、寸法はきちんと出ていますか?
まずはノギスで出力物を測ってきちんと寸法が出ているか確認しましょう。
正確な形状が出力できれば苦労は半減します。
3Dデータを共有する場合にもその方がいいでしょう。
20mmのキューブを出力してみて、幅で0.1mm以上誤差が出るならプリンタの調整か設定の変更が必要でしょう。
まずは下記のデータを印刷してみましょう。
どうでしょうか?
よくないようなら調整を行います。
ノギスを使って測りましょう。
ミツトヨのABSデジマチックキャリパ が個人的にはおすすめですが
https://www.amazon.co.jp/dp/B00IIBM6FU
少し値段が下がってシンワのやつも十分良いと思います。
アナログの物は初めてノギスを使う人には扱いが難しいかもしれません。
あと、2000円以下の物は総じて正確に測るのが難しいです。
エクストルーダーの吐出し量を調整する
メーカー側の設定や設計にもよるのですが、造形の完了を優先して樹脂を多めに出すプリンターがあったりします。
「100mm樹脂を送るGCodeを送っても実は110mm送ってたり...」ということですね。
実際に正確な量の樹脂を送っているのか確かめてみてください。
フィラメントに100mm間隔でマジックで印をつけて、実際に樹脂を送ってみる等するとわかります。
3DプリンターとパソコンをUSBで接続し、M92のコードを送信すると1mmあたりのステッピングモーターの動作量を確認・変更できます。
別記事のRepetier-Hostから変更する方が簡単かもしれません。
記事中のE axis resolutionが1mmあたりに送るためのステッピングモーターの動作量です。
調整したら再度キューブを出力して、寸法を測りましょう。
Horizontal Expansion で調整する
樹脂が正確に出ているようなら、別の記事で使用したCuraのパラメーターにHorizontal Expantxionという項目がありますので調整してみましょう。
穴や外表面がデータよりずれている場合の修正に使用できます。
参考記事:【FDM3Dプリンターで肉薄部を印刷する】
項目はShellの大項目の中にあります。
Horizontal Expansionはすべての層が水平方向に指定した値の分大きくなります。マイナスの値なら小さくなります。
値は片側分なので、出力した20mmの寸法からの誤差の"半分"を入力しましょう。
なお、Initial Layer Horizontal Expansionは一層目だけの個別設定です。一層目だけ広がってしまう場合にはこちらで補正します。
最後にもう一度キューブを出力してみてください。
どうでしょう?正確に20mmのキューブができたでしょうか?
お手製ケースをプリントしてみましょう
ぜひお手製ケースを設計してプリントしてみましょう?
綺麗に嵌りましたか?
記事をサポートしていただくと、一層のやる気と遊び心を発揮して新しい記事をすぐに書いたり、3Dプリントを購入してレビューしたりしちゃうかもしれません。