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3Dプリンタで柔らかいフィラメントを出力する

某所でNinjaFlex SemiFlexという柔らかいフィラメントを格安で手に入れたので出力してみることにしました。
NinjaFlexというのは元祖の軟質フィラメントですね。
TPUフィラメントとかで検索すると各社の柔らかいフィラメントが出てきます。

SemiFlexのグレードはコシのある感じです。硬めの消しゴムぐらい?
写真のように結んでも元に戻せます。

レッツプリント!

エクストルーダーを改良しよう

今回使うSnapmakerは実は柔らかいフィラメントに向いていません。
エクストルーダーの送り出しギアの周辺に隙間があると柔らかいフィラメントが折れちゃうんですね。
そこで改造します。
このパーツを印刷して組み込むのですが、ちょっと3Dプリントモジュールを分解して組み込む必要があるのですこし大変ですが、頑張りましょう。
Thingiverseなどにそれぞれの3Dプリンター用のエクストルーダー部品があるので探してみましょう。

あとは送り出しのギアからノズルまでが近くフィラメントがつぶれずらいので、Bowdenタイプのプリンターよりもダイレクトタイプの方がセッティングは出しやすいと思います。

標準の印刷温度を調べる

しっかりと調べましょう。温度が特に重要です。
フィラメント専業メーカーが作っているフィラメントなら公式のガイドラインがあると思います。

フィラメントリールは滑らかに回りますか?

フレキシブルフィラメントは引っ張ると一時的に細くなります。
細くなると?フィラメントをエクストルーダーギアが挟めなくなるので、押し出しができなくなったり押し出し量が不安定になります。
というわけでベアリング入れたり、フィラメントリールの内径を絞って軽い力でフィラメントが出てくるようにします。
↓これなんか結構おすすめです。↓

今回はこんなのを用意しました。

印刷が難しい理由

きれいに印刷するのが難しいのには理由があります。
それを理解すると綺麗で速い印刷設定が作りやすくなります。
・強い押し出し力がかかるとフィラメントが滑るか脱線する
・無理に押し出そうとすると樹脂が逆流して詰まる
・染み出しを抑えるためにリトラクションを大きくすると詰まる
・温度と押し出し力によって押し出し量が変化する
・印刷物が揺れるのでうまく積みあがらないことがある

ということは....

綺麗な印刷の定番のやや逆を行きます。
・樹脂の粘性を下げる為に印刷温度を上げて樹脂が出やすくする
・リトラクションの量と回数を減らす
・印刷速度をシェルもインフィルも一定にする
・印刷物が反らない限りファンを回す

印刷する前に

印刷しながら印刷温度などを煮詰めていきます。
がその前に下記の3点を確認しておきましょう。
・ベッドとノズルの隙間
しっかりと調整しておいてください。
狭いと一層目で押し出せずにフィラメントが脱線したり滑ってしまいます。
・フィラメントの引き出しの確認
小さな力で滑らかに引き出せるか手で引っ張って確認しておきましょう。
・フィラメントを乾燥させる
フィラメントが柔らかく押し出し圧力を高くしずらいため、ノズル内部で水蒸気のバブルが発生すると印刷品質が著しく悪化する傾向があります。
よく乾燥された樹脂を使うか、数時間ヒートベッドの上で乾燥させるなどの手段を使いましょう。

テスト印刷パラメーター

・レイヤー厚み
まずはノズルの直径の半分0.2mmに設定してください。
0.05mm等レイヤー厚みが薄すぎると容易に詰まります。
0.2mmで設定が出たら0.15mmなどじわじわとレイヤー厚みを薄くして代わりにスピードを上げるなどしてみてください。
・ノズル温度
まずはフィラメントの推奨温度の上限で試してください。
・樹脂量
まずは100%で印刷してみましょう。
印刷してみて樹脂量が足りないようなら110~120%程度に増やしてください。樹脂がつぶれたり伸びたりすることによって押し出し樹脂量が減る分を調整します。
・リトラクション
ノズル内部の圧力を保つために通常と同じか少なめに設定してください。TPUの糸引きの原因はリトラクションの量よりは樹脂の乾燥やノズル温度、印刷スピードにある場合が多いです。
・印刷速度
まずは印刷速度は推奨速度の中間をあたりを試します。
InnerWallSpeedとOuterWallSpeedとInfillSpeedは同じ速度を設定してください。

モデルは先ずはリトラクションが少ないキューブなどがいいでしょう。

印刷してみて温度とリトラクションを調整する

詰まってしまいましたか?
一層目の終わりまで樹脂が出ませんか?
ベッドとノズルの間を少し広げましょう。
ノズルから出てきた樹脂がぶちぶちと泡立っていますか?
泡立っていないようなら温度を10度上げてみましょう。
泡立つようなら温度を10度下げましょう。
泡立たない中で高めの温度を狙います。
2層目以降で詰まりますか?
印刷速度を10mm/s下げてみましょう
リトラクションを1mm減らしてみましょう。糸が引いてもかまいません。

柔らかさも色々あります

柔らかいフィラメントも色々あってな....という記事です。ご参考に。

綺麗に印刷するために(裏技)

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