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【インタビュー】テクダイヤ株式会社 小山社長に聞く3Dプリンタノズル

先日テクダイヤからついに"kaika”ノズルが発売開始となりました。
今回はテクダイヤ株式会社にお邪魔して小山社長に気になる色々を聞いてみました。

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コロナ禍の中での訪問となりましたが、マスクとソーシャルディスタンスを守りつつ、インタビューの他、小山社長と購入されたKingroon KP3のノズル交換や3Dプリント談義、社内設備の見学や工程の説明などもしていただきました。
取材を快く受けて頂きありがとうございました。

3Dプリンターユーザーミーティングからノズルチャレンジへ

はるかぜポポポ(以下ポポポ)
まずは"kaika"ノズル発売おめでとうございます。

小山氏
ありがとうございます。

ポポポ
いろいろお伺いしたいことはあるんですけれど、
そもそも最初に3Dプリンターノズルに目を付けたというのはどなたが?

小山氏
それは私です。
たしか7・8年まですかね。AM(Additive Manufacturing)が世界を変えますよという話が話題になっていまして、それで3Dプリンターという物の存在を知りました。
3年ぐらい前に社長である私自ら新規開拓して行こうという事で3Dプリンターの展示会にいきました。それで当社は半導体グレードのノズルなどを作っておりますし、細い穴くて長い穴やノズルは得意ですので細いノズルは要りませんか?と海外メーカーの代理店の方とお話をしたんですけど、『0.4mm以下の小さいノズルは要りません』『短時間で試作用の型を出力するので大きな穴の方がトレンドです』と言われてしまいまして残念だなぁと思っていたんです。
そうこうしていると大塚化学さんと出会いがありました。ポチコンという樹脂を使って精密なギアを大塚化学さんは3Dプリンターで作成していたんですが、ギアの歯を作るのに穴の小さなノズルが欲しいと。それでお手伝いをさせてただいて、初めての3Dプリンター用のノズルを作らせていただきました。その時はギアの歯を後加工する必要が無くなったと非常に喜んでいただけました。
その時大塚化学さんからそれ以前に使用していたノズルをサンプルで頂いたんです。それを半分に割ってみたんですけれど、樹脂が流れる内面の粗さだとか角度などが良くなくてですね。これは詰まるよねと。

ポポポ
大塚化学さんのポチコンを0.15mmのノズルで出力されてましたよね。
そこからQholiaさんとかにコンタクトした形ですか?

小山氏
それがちょっと違うんですよ。ここからが面白くて。
大塚化学さんの件で3Dプリントのノズルできるじゃん!となったんですけど、ポチコン(大塚化学のティスモ配合の樹脂)という特殊な樹脂にしか活きないのかな?いや、他にもだれか居るだろうと思って、フィギュアやドールなどの3D造形をしている人を探し始めました。
それで和歌山だったかな?そういう造形をしている方に試作のノズルを送ってみたりしていましたね。それも結局音信不通になったりしてしばらく経ってすっかり忘れてたんですね。
それが昨年の夏に突然ですね、はるかぜポポポっていう方から問い合わせのメッセージが来てですね。びっくりしちゃって、本当にウチのノズル?とかって聞いちゃいましたよね。

ポポポ
京都で開催した3Dプリンターユーザーミーティングで私が頂いたやつですね。
色々な自慢の造形物や部品や樹脂を持ち寄って交換したりしたんですよ。

小山氏
最初は横流しか?!?って思ってたんですけど、そこからはズルズルとノズルチャレンジとかになっていった感じですね。
だからフィギアの神を探してたら、3Dプリンターのインフルエンサーに出会ったというわけですね。そこが神ってるというかですね。他の人じゃなくてポポポさんに拾ってもらえてよかったなぁと。そこから問い合わせがあって一つノズルを渡したら、俺も俺もと問い合わせがどんどん来ててノズルチャレンジが始まっていきましたね。
その中で久宝金属製作所の話を伺いまして、そちらにもコンタクトを取ったらとんとん話になりました。もう一回やってやろうと一気にやる気が出てきまして、ちょっと気おくれしていたSNS上でも勇気を出してやってきたという感じですね。

ポポポ
そういう順番だったんですね~
めちゃくちゃ面白い流れですね。夏のあのミーティングが切っ掛けになっていて非常にうれしいです。

指が焼けるほど頑張って販売にこぎつけました(笑)

ポポポ
そしてついに発売したわけですけど、販売ページとかパッケージとかかなり突貫作業だったのでは?

小山氏
そうですね~
本当は冬休み前に何とか発売してどっかーん!と行きたファンを増やしたかったんですけど、工場の方がかなり忙しくて12月の初旬の時点で年内間に合いませんという事になっていてですね。
半導体製造用のノズルと同じ工程で作ってますので、半導体の製造が盛んだとノズルの工場の方も忙しくなるわけですね。
フィードバックフォームへの回答をお願いしていましたけれども、それの回答が半分程集まったのを見ながらエイヤ!っと製造の発注を12月10日ごろにかけたという感じですね。
できるだけ早く提供したいということで0.1mmと0.4mm以外のノズルは今回の発売からは見送って、第二弾にまわそうという事になりました。
ツイッターの皆さんの反応が早いので、それにくっ付いていかないとダサいなとおもわれるなと思ってですね。

ポポポ
そうですね。みんな「まだかな~まだかな~」って2か月ぐらい待ってたら忘れちゃうかもしれないですからね。

小山氏
そうなんですよ。忘れられちゃうのもそうだし、ポポポさんとか銀巴里さんはもう夏のうちにチャレンジ終わっちゃってたじゃないですか。
第1波でアンテナ高い人に渡して、第2派はそれを見たエキスパートに渡して、そして第3波、第4波で12月10日まで開催の無料配布をやって.....
とにかく最初にインフルエンサーに忘れられたくないと思ってね。
大変でした......あっ!親指のここ!黒いんですよツイッターのやりすぎで!
これは低温やけどですよ。ノズルチャレンジャーたちと毎日やり取りをしてですね。今はタッチペンと音声入力を駆使してますけどね。

「値段どうするんですか社長!」とせっつかれ

ポポポ
値段はどのように決まりましたか?

小山氏
最初から4000円、6000円という案は最初からありました。上下に振ってみたり本当に色々考えてましたけれど、悩みに悩んでましたね。
0.1mmノズルは本当は8000円ぐらいにしたい気持ちもありましたけどね。
「社長どうするんですか?」なんてせっつかれてですね。年末年始にもう一回考えさせてくれと。
書いていただいたアンケートも見ながら相当悩みました。もちろん100円から10,000円まで書かれてるわけですけど、最後はがっちりノズルチャレンジに取り組んでくれたチャレンジャーの声を信じてこの価格に決めました。

ポポポ
価格も本当に今年始まってやっと決まったんですね。本当にギリギリだ。

小山氏
社員みんなパパパッ!とスケジュール決めてくれてですね。だから「とにかくこの日までに決めてください!」とお尻を叩かれましたね。
あと図面は最後は久宝製作所の多夢さんにチェックしてもらったりしてね。
これ(3Dプリンター)も手元になかった時なので。

(Kingroon KP3で造形してみる小山社長)

ポポポ
バラエティー豊かなマシンをたくさんの人が持ってますからね。
そのフィードバックをもらうのが良いんじゃないでしょうか。
もちろん経験しておかないといけないですけど。

社内はノズルで大盛り上がり?

小山氏
評判よかったじゃないですか、無料だからかも?というのはちょっとだけありましたけど。
好意的な評価をいっぱいいただきましてね。
それでノズルを作っている社員がお客さんから直にいい評判を聞けるって技術者冥利に尽きるというか、やる気を刺激されたみたいで頑張ってくれました。
BtoBの企業なので製品のフィードバックってお客さんから営業に、そして営業から技術に届くわけです。でもお客さんが「良かったよ」と営業に言っても技術に届くまでにその感動って半分になっちゃうし、営業がちゃんとフィードバックしないと0になって、アレどうなったの?って不安になっちゃいますからね。
今回のノズルはいろんな社員がツイッター見て元気が出ちゃって、コロナでちょっと元気がなかったところなので、みんな張り切っちゃってね。喜ばせたいから俺もいっぱい配っちゃってね。配りすぎだなんていわれたりもありましたけどね。
突貫でしたんで、0.1mmと0.4mm以外のノズルが出せていないというのはありますが、社員の頑張りでリリースすることができました。

ポポポ
0.1mmで今まで造形できなかったという部分の可能性を開くという方向と、
0.4mmで既存の造形をもっときれいにという方向、大きな2方向をリリースできたわけですから、第1弾として十二分に良いんではないでしょうか。

販売数など

販売数はどれぐらいになりました?
とは言ってもまだ3日目ですが。
(※発売開始1/12、インタビュー1/15金曜日)

小山氏
初日で90件ぐらい、現在は130件ほどですね。
件なので、本数でいえば180本ぐらいですね。
0.4mmの方が断然人気です。
土日に自分のノズルタイプを調べて、パソコンやスマートフォンの前で悩んでほしいです。

ポポポ
0.4mmはとりあえず今の置き換えができるのでほとんどの人は0.4mmでしょうね。
0.1mmを欲しい人はいきなりはそれほど居ないとおもいます。
やっぱり0.4mmと0.1mmでは難易度が全然違いますから、中間のノズル直径が欲しいところです。

高品質ノズルは内製の切削工具や治具から

ポポポ
Qholia専用のノズルもありますが、そちらとの違いはどのあたりにありますか?

小山氏
詳しくは言えませんが一般販売向けよりもさらに手の込んだ工夫をして、Qholia向けのさらに厳しい要求にお応えできるようにより精巧に作らせていただきました。

ポポポ
自社加工の強みというところでしょうか?
そういえば一般的にはノズル内のテーパ角度は60度なところ、kaikaは30度となっている訳ですけど、これはどうやって加工されているんですか?
センタードリルビットや一般的な工具でテーパの尖ったものでも60度ほどがだと思うのですが?しかも非常にきれいに加工されています。

小山氏
実はそのあたりの工具類は内製してます。
自分たちで作ってますのでこのテーパ角と面粗さを実現できています。
Youtubeで製品発表会で図面の一部公開している事について、他メーカーが真似してきたりすることを心配する声を頂いたりしますが、簡単には真似できないので「まっいいか!」と。

ポポポ
なぜその製品が良いのか、数字や理屈をしっかりと示してくれることが安心して購入できる理由になります。

第二弾は3月頃?

ポポポ
今後のノズル展開等について教えてください。

小山氏
今0.1mmと0.4mm以外のMk10用ノズルについては検討中ですが、今月は製造ラインが埋まっていますので、たぶん3月のどこかで発売ができたらな......と思っておりますが、日付はまだ決まっておりません。
あと私が日にちを決めるだけですね。

ご自身のノズルチャレンジはいかがです?

ポポポ
今日のインタビューも印刷をしているプリンターを見ながらですけど、ご自身のノズルチャレンジはいかがですか?

小山氏
KP3を12月に購入して沢山の人の教えを頂いたりしてしながら、チャレンジが始まったばかりです。
やはりkaikaノズルを使っている人が困った時に、アドバイスできるようにならないとと思っています。それにノズルチャレンジャーが実際に使って誉めてくれた部分ですが、どれぐらい変化があるというのを自分たちでも検証する必要がありますし。

ポポポ
上達の近道はいろんなものを印刷する事ですので、ぜひいろいろな物、特に自分の趣味の物なんかをたくさん印刷してみてください。
印刷してうれしいものが一番ですけど、仕事道具やその整理用品なんかもいいと思いますよ。

小山氏
じゃあ釣りが趣味の人がルアーを印刷しているのは良いわけですね。

ポポポ
目の色が変わりますからね。真剣さも集中力も気づきも違いますよ。

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