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通信制高校での「学び」について勘違いされていること

こんにちは。ニュースク編集部のTです。私は進路相談会にて保護者や中高生から相談を受ける機会があります。

その中で特に多く「誤った先入観を持たれているな」と感じることを二つ書いてみたいと思います。

①「通信制高校」は自宅で勉強するのが基本 という間違い

「通信」なのだから家で勉強してレポートを提出。スクーリングは月1回~年数回、これが通信制高校の仕組み。
という先入観をお持ちの保護者はとても多いです。全てが間違いというわけでは無いのですが今はそれに加えて「毎日登校可能」な通信制高校が当たり前のように日本中に存在します。「通信での勉強も可能だけれど全日制高校となんら変わらない」通信制高校生活を送る高校生はたくさんいます。

通信制高校なのに大きな校舎や体育館がある。修学旅行などの行事や部活動などがある。そういったことに驚かれる保護者の方が大勢いること。

②「ゲーム」「声優」などのコースを選択したら大学進学は出来ない という間違い

特に保護者からはよくこのような相談をされます。「声優コースを選んで就職がダメだった時が怖い」

ここで私が過去に聞いた実際の例を話いたします。
その子は小学校で不登校になり、中学はほとんど行っていませんでした。しかし、両親の助けもあり奮起し通信制高校を選択します。

その子はアニメやゲームが好きだったことから声優コースのある通信制高校を選びました。結論から言うとその子は無事に高校を卒業しましたが声優の道は選ばず短大進学を選択しました。

ですがその子本人、保護者ともに「声優コースに行って良かった」「行かせて良かった」と言うのです。それはなぜなのか。

本人は「高校に入るまでは声優になるのが夢だったが実際に授業を受けることで自分の適性がよく分かった。努力はしたけれども納得した上で違う道を選ぶことが出来た。恐らく通信制高校で声優コースを選んでいなかったら声優の専門学校に行きたいと思っていたはずだ。専門学校に行ってからやっぱり他の道へ、と進路変更するのは多大な学費と時間を失ってしまうことになる。そうならなくて良かった」と。

保護者は「何より本人が高校へ通うモチベーションを得られたのは好きな声優の授業があったから。今日はどんな授業をしただとか同じ趣味を持つ友達がすぐ出来たと言ってくれることがうれしかった」と言っていました。

そうです。「声優」「ゲーム」「音楽」などのコースを選択しても短大・大学進学は可能なのです。
声優コースに入ったら毎日声優のスキルを磨く為の授業だけを行うのだと思っていた中学生にたくさん会ってきました。それは違います。
高校卒業資格を取る、ということは国語、数学などの普通科目をしっかり学ぶ必要があるということです。
高校卒業資格の要件を満たすための授業をしっかりやった上で声優やゲームの授業も行うというのが一般的な通信制高校で組まれるカリキュラムになります。

ですからこういったことも可能です。
1年目はゲームコースに通い勉強、2年生から大学受験コースに変更。または別の通信制高校へ単位を持ったまま転校。

これは保護者の方には特に知っておいて欲しい事柄です。例えば不登校のこどもが「ゲームの授業があるなら高校に行けるかもしれない」といった場合。「高校に行けるようになるのはうれしいがその先が不安……」そのように考えることもあるでしょう。しかし、高校生活の中でも進路変更はいつでも可能であることを忘れないでください。

まとめ

①「通信制高校」であっても毎日登校可能な学校が数多くあること
後悔のないよう色々な学校を調べてみてください。

②「高校卒業資格」を取るということは基本科目をしっかり学ぶということ
声優やゲーム、音楽、スポーツどの分野であってもそれは同様。
ゲームコースに通いながら大学受験の為の塾に通う高校生もいます。

③コース変更や単位を持ったままの転校はほとんどの場合可能だということ。
自分の腕試しで声優コースを選んでも良いですし、不登校だったけれどもゲームの授業がある高校なら登校する気になれるからという理由で高校を選んでも大丈夫。

以上が私が相談の場でおこたえすることが多い内容になります。
みなさんの進路選択の参考になればうれしいです。

新しい学校選びガイドニュースクでは全国の通信制高校情報やコラムを掲載しております。ぜひご覧ください。


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