見出し画像

映画「明け方の若者たち」を観て考えたこと

映画の種類をこんな2種類に分けてみたい。
1. ストーリーや演技に引き込まれて感動する映画
2. 余韻を味わう映画

こう分けたらもう予想がつくと思いますが、
今回は2番目の方でした。

この映画から何かを学ぼうなんて思うのは野暮です。
メッセージを感じ取ろうなんていうのも野暮です。
要約しようだなんてもってのほか。

心で感じたことを、
あっちに転がし
こっちに転がし
あーでもない、こーでもない。

大学生から社会人数年目までの、
とある人たちのリアル。
それがすごく自分と重なる気がした。
重ねられる気がした。

そこそこの大学に入り、大手企業に入社。
しかし、「世の中にイノベーションを」なんて言ってたのは就活の時だけ。
実際には自分じゃなきゃいけない仕事は回ってこない。
「環境のせいにしない」とか言っても、
結局、頑張っただけ虚しくなる。

一方、恋愛もうまくいかない。
本当に好きな人とベストなタイミングで会うのは奇跡のようのなことだ。
現実は、
「もっと早く出会えてたら…」
「先のない恋愛なんだけど….」
浮気は世間からは許されない。だからちゃんと付き合えない。
本音を隠すような恋愛をする気持ちは結構理解できてしまった。

このリアルさはなんだろう。
きっと「ヒーロー」や「ヒロイン」というより
「主役」と呼び方が合っているような役。

話の展開をする上で、
ヒーロー、ヒロインだから許されるような論理がないことが
等身大でリアルさを持って観られた理由だろう。

ドラマではあるが、
東京男子図鑑や東京女子図鑑のような感じだった。
それを大学生から社会人数年目までという
短い期間にズームを絞ったような映画。

原作は小説で、カツセマサヒコさんという人らしい。
初めて知ったので調べてみると、
どうやら有名になるためにTwitterの更新に尽力したらしい。
推せますね。
Twitterを覗いてみると、これが面白い。
さすが物書きの方だなと思うのと同時に、
自分もこうなりたいと嫉妬した。

さて、映画を観終わった感想ですが、
共感できるな〜と言ったところ。
仕方ないよな〜と
何が起こったのか気づいていないであろう彼女の夫はいいとして、
僕(北村匠海)も彼女(黒島結菜)も幸せではないだろうなと。

でも、思い出として昇華できるほど時が経てば、
それぞれ幸せになるのか。
いや、あの不倫状態の時は幸せだったに違いない。

もう少し余韻を感じていたい。
サウナでいう所の「整う」状態なのだ。
この浮遊状態を味わっていたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?