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ハンギョレコラム『「慰安婦」判決で韓日関係が破局? 大げさな』-- 韓国の認識がズレまくってて話にならない理由

ハンギョレのコラムです。

それではまた上の問いに戻ってみましょう。慰安婦判決は、強制動員被害者への賠償を命じた2018年10月の判決のように、韓日関係を破綻へと追い込むことになるのでしょうか。結論から言えば、そんなことにはならないだろうと予測することができます。

~中略~

本判決を支持する「正義の視点」ではなく、「現実外交的視点」に立つとしても、本判決について我々が大きな過ちを犯したかのように、過度に大げさに騒ぎ立てたり姿勢を低くしたりする必要はないと私は判断します。

記者のコラムですが、これを読むと韓国と日本の温度差がよくわかります。韓国…というとアレかな。文大統領と大統領府は多少ヤバいのはわかっているようですが。

日韓関係が報復措置だけだと思ってる?

 かなり長いのですが、いろいろと怪しいツッコミどころが多すぎてもういちいち反論するのも面倒ですが、基本的な論調としては「日本は判決に対して何もしない。実害が発生しない限り報復措置もない。静かにしてれば済む話」でしょうか。その根拠が長々と書かれています。

日本政府が報復措置を取ったのは、判決そのもののためではなく、原告が進めた強制執行と韓国政府の「意図的無視」のためだったのです。

~中略~

つまり、日本政府が動いたのは、判決そのもののためではなく、韓国政府の無対応と日本企業に実際の被害が及ぶのではないかという懸念のためだったということです。

上記で日本の報復措置と書かれているのは、2019年のフッ化水素などの輸出管理強化のことです。未だに韓国ではあれが報復措置だと思っていて、これが徴用工裁判への報復措置だと言っています。仮に報復措置だとしても、それをするとしたら火器管制レーダー照射事案の方が生々しくリアルじゃないかな?とか思いますけど(笑)

日本政府としては、韓国が国家として、国際法違反を是正するために適切な措置を早急に講じることを強く求めたところで、引き続きあらゆる選択肢を視野に入れて、毅然として対応していきたい。

 (質問:「あらゆる選択肢」というのは、いわゆる報復措置も含めていると認識してもよろしいでしょうか。)

 多分、報復措置と言うと、日本が何かやられていることに対して対抗措置を取るということだが、(今言っているのは)決してそういうことではなく、今、韓国が国際法違反の状態を起こしている、それに対して是正を促すということであり、それを報復とは言わない」

茂木外相は、報復措置は日本が「やられた場合」、つまり直接的被害を受けた場合に取るもので、そうでない以上は行う意思はない、と答えています。原告団が強制執行手続きを行わない限り、日本が先に動くことはないでしょう。そして、原告に強制執行を行う意思はありません。

どこの国でも“報復”措置とは、やられた場合に限られるのは当然だと思いますが、韓国じゃ違うのかな?そして、報復措置しか日本がやらない根拠はどこにあるんでしょう?ここでふと、感じることがあります。

『韓国が先制攻撃するのは良い(日本が常に悪だから)、日本は韓国にやり返すことしかできない(許されない)』

そう思っているんでしょうね。ま、報復措置も許しませんけど、殴られても手足を縛られやり返すことを許さないのは”いじめ”であって、殴り返す自由は残してやるが、殴り返せる立場ではない…という程度のことでしょう。


日韓の認識のズレ

ひとつ先に言えば、韓国が破局と感じる関係は、日本にとっては正常な関係だという認識のズレです。少なくとも『普通に無関心な国との関係』という意味では正常です。今までの関係と態度が異常だったのです

つぎに、日本が徴用工裁判で韓国に報復措置をしたことはありません。日本の基本姿勢は日韓基本条約および日韓請求権協定により韓国政府が補償すべきというものです。個人請求権については意見がわかれるところで、頭ごなしに無効とは言えませんが、請求する相手は韓国政府だということです。

日本が原告に対して報復行為をすれば、それは韓国の主権を侵す行為で、日本が当事者だと認めることになりますから絶対にやりません。

日本が裁判と判決そのものを日本への攻撃と受け取って報復措置を執ることはありません。韓国内の日本や日本企業の資産が差し押さえられ必要な措置を執ることは国際法で認められていますので、措置をとることは日本の主権の問題です。

今後、日本が韓国に積極的に関与することはなく、韓国の働きかけに対して「慰安婦合意を守れ、基本条約を守れ」と繰り返す積極的無視をすることが報復と感じれば、それもズレです。2015年の慰安婦合意からこっち、日本の態度はほぼそれです。今に始まったことではありません。『日本政府としては、韓国が国家として、国際法違反を是正するために適切な措置を早急に講じることを強く求めたところで、引き続きあらゆる選択肢を視野に入れて、毅然として対応』する措置です。

まぁ、韓国のことですから、日本が何か措置をしたらすぐに自分たちへの報復だと騒ぐでしょう。無駄に根拠のない自意識だけは高い国ですから、日本の思惑などどうでもよく、韓国の国格に対する劣等感からくる報復とね。


日韓関係が破局する、とは

事実関係をまったく無視してあり得ない判決が出たことには怒りと困惑はあるでしょうが、既にその予想はかなり前からあったことで、韓国政府に対してあらゆる機会にそのことを忠告していた。これから日韓関係が破綻するかもしれない報復合戦になるぞ…ではなく、日韓関係が破綻するぞ…です。

韓国では、慰安婦裁判の差し押さえ資産売却など実害が発生すれば、日本が報復措置をとり韓国が反撃、または克服して関係が破綻するかもしれないが、韓国は負けない!って認識があるようですが、これもズレてます。
韓国政府がきちんと問題点を把握し、韓国政府は判決内容と同じ認識ではないと明らかにしない限り、破綻です。

ただ、もう無理でしょう。

判決では日本併合による日本統治時代は植民地時代で不法という認識が判断の大前提です。そこを認めるか、意図的に無視して消極的同意をとる限り、韓国政府は世論や憲法裁判所に対して、日本と世界の共通した歴史観を認めることができません。そして、韓国政府が認めることを態度、行動で示そうと思えば、日韓併合から合法で、まともな併合で、今、韓国の常識になっているあらゆることを全て間違っていたと覆さなければならない。そんなことが今の韓国にできるわけがない。それこそアメリカの今以上に混乱して内乱です。

日本人が韓国内で旭日旗を背中にでかでかと貼り付けた服で歩いていても誰も気にしなくなってはじめて、普通の二国間の関係がスタートするとしたら、どれだけの時間と努力が必要になるか考えたら可能性が限りなくゼロなのがすぐわかります。

最近、上手い言い回しだなと思った K-成長(Kの字に成長分野と衰退分野の二極化が進む経済)、K-分裂(反日を放置し根拠を見せ克日を煽っておいていきなり態度を変えた大統領府にはしごを外され二極化されたあらゆる価値観の衝突)に加えて、ここはK-関係も加えたい。韓国と日本が、韓国と世界がどんどん離れてゆく未来。


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