ファクトフルネス100000000

世界的ベストセラー「ファクトフルネス」著者に小川キャスターがききました

(2019年7月19日(金)放送)

今月12日、静岡県内の高校で行われた授業。

●日本大学三島高校 早坂知也教諭

さて、正解は・・・。


生徒31人中、5人が正解し、
正解率は約16%
ちなみに、日本人の正解率10%でした。

「ファクトフルネス」を基に行われた、
この日の授業。
クイズは全部で13ありますが・・・。


●日本大学三島高校 早坂知也教諭
「ちなみに私もやったんですけど、
私は4点でした。
大体そんなもん!大体そんなもんですよ!」


「世界には多くの貧しい人がいるって
教えられてきたけど、貧しいと思いすぎてた」


「ファクトフルネス」
つまり、思い込みをなくし、
事実やデータを基に世界の現状を認識すること。


世界で100万部を超えるベストセラーとなり、
日本でも発行部数40万部を超えるなど、
いま話題の一冊なのです。



「ファクトフルネス」著者の一人、アンナ氏。
小川キャスターが話を聞きました。


「ひとつは、世界のトレンドや割合など、人々が見慣れていない“世界の全体像”を見せていること。この本を読むことは、ある種の癒やしのプロセスでもあります。実際のデータを見れば、自分達が考えていたほど世界は悪くないのだということが分かりますので、それだけでも安心できるのです」

例えば、平均寿命が伸びていたり
戦争による犠牲者や、災害で亡くなる人も
減っているというデータがあります。


データが全てを反映している
ワケではありませんが、
多くの国で半数を超える人が
「世界はどんどん悪くなっている」と
考えているのはなぜ、
なのでしょう?

「新聞やテレビのせいでしょうか。地震でこんなに人が死んでいる、ひどい、というニュース。でも自然災害の犠牲者数は実際減っているということを覚えておかなければいけません。」

「私たちが忘れてしまうのは、珍しい話がニュースになるということです。ソーシャルメディアで私たちは恐ろしいニュースを共有しあっているので、以前より、そういったニュースを目にする機会が増えているのです」

フェイクニュース
何かと話題になっている今の世の中。
アンナ氏はどう見ているのでしょうか。

「誤解は生まれます。私たちの脳は情報に対処するのが苦手ですから。正しい情報を取り入れたとしても、頭の中に残るのは、“一番ゆがんだ情報”ということもあります。部分的な情報の方が話として面白かったりしますからね」


日本では、いよいよ日曜に迫った参院選。
政治家たちはそれぞれのデータを示して
選挙戦を展開しています。

●小川キャスター
「例えば、ある人はデータAを見せて、
『人々の生活が向上する』と話し、
ある人はデータBを見せて、
『いやいや生活は悪化する』と話します。
彼らの意見が一致することは決してありません」

「それが政治家の問題です。彼らは権力を勝ち取るために戦っているので、
自分達が善人で、相手が悪者であることを示す何かを見せなければなりません。国民全員が政治家の言うことに耳を傾けたら恐ろしいことになります。
当選するのは、一番カリスマ性がある人かもしれないし、一番魅力的なデータを持っている人かもしれませんね」


必要なのは、データを正しく読み解く力
情報があふれる社会の中で、
今後ますます重要になってくると
アンナ氏は指摘します。



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小川)
アンナさんがインタビューの中で繰り返しおっしゃっていたのは、「謙虚であれ」ということだったんですね。自分が知る一面的な事実がすべてではない、という姿勢で多面的な現実に向き合っていく。そういう姿勢が大事だと。そのメッセージはどこか情報を発信する身としては身につまされる思いもあったんですけれども。折しも参院選直前ということで、選挙の話にもなりましたね。

星)
そういう点から政治のほうを見ますとね、昔かつては政治家もいろんな政策のプラスマイナスを並べることがあったんですね。例えば、竹下総理は消費税の時に、プラスもあるけどマイナス、懸念もあるよと言っていたんですけど、最近の政治はどうも自分達のいいことを宣伝に終始する、傾向がありましてね。有権者からするとちょっと戸惑いますよね。そこでやっぱり大事なのは、歯切れのいい言葉に流されるということではなくて、じっくり自分の頭で考えていくということなんですね。日曜日の参院選挙もぜひじっくり考えて投票してもらいたいと思いますね。ここでやっぱり大事なのは、歯切れのいい言葉に流されるということではなくて、じっくり自分の頭で考えていくということなんですね。日曜日の参院選挙もぜひじっくり考えて投票してもらいたいと思いますね。