令和2年12月8日、僕は死んだ。
もう少し正確に言うと、殺されてしまった。
もともと、長生きしたいと思うタイプではなかった。
太く短く生きられればそれでいいと、若い頃から思っていた。
それでも自分の人生を“太い”と思うことは、結局少ないままだった。
嫌なことばかりではなかったし、どちらかと言えば恵まれていた筈なのに。
何故そう感じてしまっていたのかなど、今となっては分からない。
妻がいて、子供もいた。
涙よりかは遥かに笑顔の方が多い生活だった。それなのに。
こんなことになるくらいなら遺書くらい書いてお