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【小説】続・エモいデザートはワインの後に(前編)

エモいデザートはワインの後に第一話と続編予告

あれから約1年の沈黙を破り、ついに猿時さんが乳野くんの元を去った理由が明らかに!

天才シェイクスピアさんが発表したゲーム「勇者になったnoterたち」で回収されたエモデザの伏線が回収されました!

私もまさか時を超えてゲームであの伏線が回収されるとは夢にも思いませんでした。

こうなっては私のクリエイター魂に火がついてしまいます。

せっかくシェイクスピアさんが回収してくれた伏線を元に、続編を作りました。

エモデザファンの皆様、大変お待たせしました!

これより続編をお楽しみ下さい!

※画像のパーティやシーンがストーリー通りになってない箇所が多々ありますが、ご了承下さい。

続・エモいデザートはワインの後に(前編)

あの夜の事を思い出すと、今でも涙が止まらなくなる。

僕はこれまでの人生で、こんなにも人を好きになった事はなかった。

もう彼には会えないのかな。

寂しいよ。会いたい。

猿時さんと離れてから1年弱の月日が経った。

その間、魔王が復活したらしく、僕の店はその影響で国に接収されてしまっていた。

幸いにもお友達の白さんの如水珈琲店を間借りさせて貰い、Barを存続させる事ができていた。

世界はいずれ魔王に滅ぼされてしまうのだろうか。

本当にこの世界が滅びてしまうのならば、その前に最後、猿時さんに会いたい。

あれから一年の間、Barを切り盛りしながらも、空っぽの毎日を過ごしていた矢先、ひょんな事からフリーザさんに魔王退治に誘われた。

「よっノシニューノマンさん、魔王退治いこうぜ。」

そこからフリーザさんはBarのお客さんを次々とスカウトし、

最終的なパーティーメンバーは、フリーザさん、かこさん、ピスタチオさんと僕の4人となった。



いずれもBarの常連さんたちだ。

僕はただのバーのマスターだったので、戦いに関しては素人だった。

しかし、仕事でキッチンもやってきたので、切るのは得意だった。

二段斬りや乱れ斬りを駆使して魔王軍のモンスター達を倒してきた。

なんとかアタッカーとして活躍する事ができた。

だが時として、本当にピンチもやってくる。そんな時、僕はやっぱりあの人の事を思い出してしまう。

そう、猿時さんの事を。

あの激しい夜の事、猿時さんのヘラクレス、ムシキングバトルの事を思い出して夢中になっていると、いつの間にか敵は殲滅されていた。

猿時さんは側にいなくても、僕の事を見守ってくれているんだ。そう思うといつも勇気が湧いてきた。

だけど、彼は目の前にはいない。そう思うと、この自分を慰めるとも言えるこの行為に、虚しさも込み上げてきた。

※※※

ある日のこと、眠れる森に突如現れたワープホールから秘境(意味深)に向かうと、猿時さんにそっくりのモンスターが出てきた。名前は滝のヌシというらしい。

猿時さんと同じでワイルドなイケメンだった。

金の斧か銀の斧かを選べと言われたが、ついついお前が欲しいと言ってしまった。

そんなつもりはなかったのに、口が勝手にそう言っていた。

お前が欲しいと言ってから、滝のヌシ様は私たちに襲いかかって来た。

滝のヌシ様のイカのように激しく吸い付く荒技に心奪われそうになった。

ちゅぱちゅぱちゅぱっ!!

どぴゅっ!!

うわっ!黒い液体まで吐いてきた!

でもダメ!今度のもう一つの誕生日(意味深)は猿時さんと祝うって決めたんだから!

「猿時さぁあああああああん!!」

猿時さんの事を想った瞬間、猿時さんが現れ、ヘラクレスオオカブトで滝のヌシをメッタメタにしていた。

滝のヌシ様を倒すや否や、猿時さんはどこかへ消えてしまった。

やはりいつもの猿時さんのマボロシだったか。

滝のヌシ様は私たちに感服した。



すると、滝のヌシ様はいいものをくれるとのこと。

えっ、このセリフ前も聞いたことあるような、、

僕ったら何で照れてるんだよ!

わああああああ!完全に油断していた!

あっさり2回目の誕生日のお祝いをされてしまった。

猿時さああああああん!

ごめんなさぁあああああい(涙)

ああああああああ!

・・・

・・・ガバっ‼️

僕はベッドから飛び起きた。

ああ、滝のヌシ様の一連の出来事は夢だったのか。

横を見ると寝ぼけたピスタチオさんがナイトメアの呪文を唱えていた。

もう、ピスタチオさんたら、寝ぼけて僕に変な魔法かけないで下さいよ。僕は心の中でそう呟いた。

「ムニャムニャ、いいですね。もっと蹴って下さい。」

ピスタチオさんはきっとヒーローショーの夢でも見ているのだろう。

僕は我に返った。

夢とはいえ、別の男性に心を許してしまった事に自己嫌悪に陥ってしまった。

しかし、そんな自己嫌悪とは裏腹に、僕のカブトはジンジンと疼いていた。

この今までとスケールが違うジンジン具合に、僕は自らのカブトをヘラクレストリカブトと名付けた。

僕の成長したこのトリカブトなら、この愛の斧ならば、きっと猿時さんも喜んでくれるはずだ。

その日の夜は、それ以降、なかなか寝付けなかった。

※※※

そんなこんなで、僕たちのパーティは無事魔王イーノットを倒した。

これで世界に平和が訪れる事だろう。

これまでと変わらずBarで接客をしていると、かこさんが来店してきた。

「この前ニューノマンさんに頂いたホメルマンチケットを使いに来たんですけど、宜しいでしょうか(´∀`*)ウフフ」

かこさんには等身大(183cm)チョコレートのお礼に、ホメルマン専属チケットをプレゼントしていたのだ。

「もちろんですよ。ホメルマン、かこさんの接客頼むよ!」

「そういえばここに来る途中、王様のお城の近くでニューノさんのお名前をブツブツおっしゃつてる人がいましたよ。」

「えっ、その人は何て言ってたんですか?」

「何でも『俺が世界をいや、ニューノくんを守る』とかなんとかって。イーノットは私たちが倒したのを彼はご存知なかったのでしょうかね(´∀`*)ウフフ」  

かこさんのセリフに僕のトリカブトはピンっと反応した。

「その人ってもしかして、スキンヘッドじゃなかったですか?」

「ええ、そうですね。いかにもフラッシュの魔法が得意そうな頭をされてましたよ。」

間違いない、その人はきっと猿時さんだ。

「かこさん、ごめんなさい!ちょっと急用を思い出したので、お店は他のマン達に任せていきますね!」

「あら残念。ニューノさんが不在の間、ホメルマンさんを独り占めさせて貰っちゃいますね(´∀`*)ウフフ」

「えぇ、心のゆくまで楽しんでいって下さいね。それでは、僕はこれで!」

僕は店を飛び出し、お城へ向かったのだった。

トリカブトが導く心のままに。

続く

こいつに小銭でもめぐんでやろうか。そう思われた神のようなあなた!大変ありがとうございます(ノ∀`*)