リレー小説「繭を継ぐもの」第七話
白々しく反射していた——その陽光が、魁偉な異形に遮られる。
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無数の瓦礫の破片と共に、一直線に落下してくる双頭の巨竜。全長一二〇メートル。推定体重七万八千トン。その速度が不自然なほど緩慢に見えるのは、あまりの大きさに遠近感が狂わせられるからだ。
だが、しかし、このときは。このときばかりは。
走馬灯よろしくこの一ヶ月を回顧する彼の脳髄の回転数が、世界の全てを置き去りにしたが故であった。
ピンポン。ピンポン。敷きっぱなしの布団。ドア越しの視線の耕作。先輩