newmoのプロダクトマネージャー&デザイナーに聞いた、サービス開発の思想とこだわり
newmoは現在、2024年秋に大阪市内で本格的にライドシェアサービスを提供する計画に向けてプロダクトを鋭意開発中です。
とはいえ、まだまだ少人数な開発体制です。大きな目標に向けて日々突き進んでいますが、開発の進捗はどのような感じなのでしょうか?また、少人数な開発体制のなか、プロダクトマネージャーやデザイナーはどのような働き方をしているのでしょうか?
そこで今回は、newmoのCXOである松本龍祐と、プロダクトマネージャーの円谷雄人、デザイナーの見上楓が登場。開発の進捗とともに見えてきたのは、彼らの「newmoにおける役割やこだわり」「求める人物像」でした。
newmoには「やりたいことが詰まっていた」
──まずは、みなさんがnewmoへの入社を決めたきっかけなど教えてください。松本さんからお願いします!
松本:僕は数年前までメルカリのグループ会社であるソウゾウの代表を務め、その後はメルペイで新規事業を担当していました。そのときに、直樹さん(newmo代表取締役CEO、青柳直樹)と一緒に仕事をしていました。メルカリグループを退職してからは起業したり、その会社を売却したり。その後、再び直樹さんと合流してnewmoを共同創業し、CXOに就任しました。現在はブランディング周りを担当するほか、新しい事業の検討を担当しています。
入社を決めたきっかけは……。そもそも僕は毎日使われるサービスを作るのが好きだったんです。モビリティは移動手段として日常での接点が多く、ずっと注目し続けているジャンルでした。ソウゾウ時代もシェアサイクル事業(現チャリチャリ)を立ち上げていたほどです。newmoが挑むタクシー・ライドシェア事業は、まさに僕がやりたいと思っていたことが詰まっていました。ちょうど1年ほど前にペーパードライバーを脱却して運転するようになったことも要因として大きいです。
円谷:僕も「移動手段」というものに強い興味がありました。僕は旅行が好きで、ここ数年は東南アジアへ行き、現地でGrab(東南アジアで展開されている配車アプリ)を利用したりしていたんです。このサービスがあることで、ドライバーの方が英語を話せなくてもちゃんと目的地へたどり着ける。この体験が日本でも増えるといいなと思っていました。
また、newmoに関しては昨年から直樹さんや曾川さん(newmo CTO、曾川景介)といろいろ話していました。今は運行管理システムを最優先に開発していますが、それがライドシェアの安心安全に繋がり、将来的には自動運転なども可能なサービスに繋がっていくのかと思うと、とてもおもしろいと感じたんですよね。ここで、僕自身がこれまで培ってきた経験も活かせるんじゃないかと思いました。
──これまでの経験、というと?
円谷:僕も松本さんと同じく以前まではメルカリやメルペイでプロダクトマネージャーをしていました。特にメルペイ時代はオンライン上で本人確認を行うeKYCを担当していて、その流れからID関連の業務も引き受けることが多かったんですよね。その後、デジタル庁へ転職。ここではマイナンバーカードの裏側にある認証システムを使ったサービスを開発していました。
自動運転の要となるのは「カメラ技術」「認証技術」です。ようするに、どこで・誰が・どのように運転・乗車しているのかを確認する技術が必要。そこで、僕がこれまで担当してきたeKYCやID、認証システム開発の知見を活用できます。さらに言うと、メルカリ時代にも車というジャンルに挑んだことがあり、そのときの経験もサービス開発に活かせるはずだと思っています。
──デザイナーの見上さんはいかがでしょうか?
見上:私の場合はビジネス的な視点ではなく、どちらかというとプライベートな視点として「newmoを通じて何かできることがあるのではないか」と思ったことが入社のきっかけでした。
私は松本さんが起業した会社でAppやECのデザイナーをしていました。その前まではフリーランスをしていたり、サイバーエージェントでUIを担当していたので、改めて振り返るとオフライン・オンラインどちらのデザインも経験させてもらいましたね。デザイナーとして今後のキャリアについて悩ましい気持ちはずっとあり「この次に、私は何をしたらよいだろう?」と考えたとき、newmoと出会いました。
私自身、車をよく運転するタイプです。でも、仕事をしながらだと子どもの送迎が負担になることが多々あり、「どうしたらよいだろう?」と思っていたんですよね。そのほか、あまり交通手段がない地域に住む両親が、そろそろ免許返納を考える年齢になりつつあったりして……。ライドシェアがあればそういった悩みを解決できるのでは、と。そこに可能性を感じました。
少人数な体制だからこその特性を活かしたコミュニケーションとは?
──松本さんはCXO、円谷さんはプロダクトマネージャー、そして見上さんはデザイナーとしてサービス開発に関わっています。newmoは創業して数ヶ月でまだまだ少数体制ですが、現在はどういった動き方をしているのでしょうか?
円谷:現在、newmoの開発チームは「プロダクト」「プラットフォーム」の2チームしかありません。プロダクトマネージャーやエンジニア、デザイナーはその中に入り、連動しながら動いている感じですね。
おっしゃるとおり、newnoは1月に創業してまだ数ヶ月。だからこそ今、大切にしているのは「みんなで共通の体験をすること」なのです。人数的にもまだマネジメントを必要としていないので、フラットな組織体制になっています。開発では週に1回スプリントを行うので、そこにあわせて各々が手を動かしていますね。今後、採用が進んでメンバーが増えれば、テックリードとプロダクトマネージャーを対にするかたちでスクラムチームを組むような方法を採用するかもしれません。
見上:お互いに声を掛け合いながらサービスを作れるのはいいですよね。デザイナーに関しては、私と業務委託メンバーの合計3名でデザイン業務を行っています。今はデザイン関連のことは何でもやっていますが、今後入社するデザイナーに向けてスムーズにTipsを共有できる状態を作っておかなければと準備も始めています。
松本:チームが小さいからこそ、その特性を活かして密にコミュニケーションをとりながら開発を進めていきたいんですよね。プロダクトチームでは出社推奨日を週2日ほど設けているのですが、これは不要なタイムラグを避けるためです。僕も大体週3日は出社しています。ただ、続々メンバーが増えてオフィスのデスクが足りなくなるので、集中して作業したいときはむしろ家で働いたりします(笑)。
円谷:大きなテーブルに複数人のメンバーが身を寄せ合いながら座っていますからね(笑)。
コミュニケーション促進の施策には出社推奨日があるほか、Stand Up Meetingを毎朝実施しています。オンラインでもいいので1日1回はお互いに顔を見せて、その日のタスクなどを伝え合うようにしているんです。
──みなさん、直近ではどんなことに取り組んでいますか?
円谷:僕は今、チームのみんなが共通の課題に向けて動くための情報整備や開発の優先順位決めなどをしています。少し前までは松本さんとともに採用活動にかなり時間を割いていましたが、開発の優先順位が明確になりつつあるので、今は仕様づくりに集中しているんです。
松本:僕は円谷さんと一緒に進めていた採用活動を引き続き担当しています。いろいろな人とお会いして話をしたいので、積極的にカジュアル面談を実施。おそらく、1週間のうち3分の1は採用業務をしていますね。
見上:私は現時点ではnewmoのブランドに関わる部分を担当することが多く、プロダクト開発に関わり始めたのがここ数週間なので具体的なものがまだないのですが……。
デザイン周りで気にしなければならないと感じているのが「負の遺産がたまらないようにすること」と「エンジニアとのコミュニケーションを円滑にすること」です。newmoでは初期段階からかなりバチッと仕様などが検討されており、緻密に作っていくことになります。立ち上げ期はスピードが求められますが、難易度が高いからこそ長期的な運用を念頭に置き、負の遺産をなるべく溜めないようにデザインをシステム化する作業を進めています。
newmoが「シンプルさ」にこだわる理由
──newmoで開発が進んでいるサービスや機能にはどんなものがあるのでしょうか?
円谷:4つあります。それがこちらです。
円谷:このなかで重要視しているのが、マップ機能です。なぜなら、ここには重要なマッチングの機能や、随時更新されるライドシェア関連の規制に関わる仕組みなどを加えていくことになるからです。例えば、ダイナミックプライシング(需要が高い時期は価格が上がり、少ない時期は価格を下げるなど、需要に応じて価格を調整する仕組みのこと)が法的に可能になれば、ルートと価格を連動させることになります。将来的な可能性も鑑みつつ、マップ機能を開発しています。
松本:全サービスでこだわっているのが「シンプルにすること」です。newmoのサービスは、多くのお客さまが使います。お客さまが迷わずにシンプルに使えるかどうかが何よりも大事だと思っています。理想は、ドライバーと乗客の垣根をなくし、時々双方が入れ替わるような世界観を実現したい。これは、newmoの事業戦略発表会で公開したコンセプトムービーでもお伝えしたとおりです。
円谷:フェアなライドを実現したいですよね。そんな思想もあるので、newmoではドライバーと乗客がお互いをレビューし合える仕組みも作りたいと思っています。
また、多様なケースにも対応できるようにしたいですね。子育てをしているファミリー層から依頼があれば大きな車を配車したり、ハンディキャップがある方であればサポートが可能な車を提供したり。やりたいことはたくさんあります。
見上:働き手の視点でも、、突発的にお金が必要になった人にとって、収入を得る手段になることはメリットが大きいと思います。私の知り合いには、急に子どもの進学資金が必要になったため夜勤を増やし、一時期は睡眠時間を削っていた人もいました。好きな時間にライドシェアで働ければ、空いている時間を使えるので生活のバランスがとりやすい。こういった機会が増えれば、人生の選択肢を増やすことに繋がるんじゃないかと思っています。
──進捗としては今どんな感じですか?
円谷:2024年3月の戦略発表会でもお伝えしましたが、我々は2024年秋に大阪市内でタクシーとライドシェアサービスを提供する計画があります。2025年4月から始まる大阪・関西万博に備えて、その半年前くらいである2024年秋頃にはMVP(Minimum Viable Product)を出そうとしているのです。
いわゆる「ニワトリ卵問題」ではありますが、ライドシェアサービスではドライバーを獲得しなければならないと同時に、そういった方々の労働環境を整える必要もあります。我々としては2024年夏までにドライバーに登録してもらうためのアカウント設計のほか、本人と車両の確認を強化し、安心安全に使えるプラットフォームを誕生させようとしています。
求められるのは「自走力」「気持ちの切り替え」「熱量」
──叶えたい世界観が見えているからこそ、作りたいものが多くて大変そうなイメージもありますが?(笑)
円谷:たしかに多いですね(笑)。しかし、やることがたくさんある状態はプロダクトマネージャーにとってワクワクできる環境と言えます。newmoのサービスは、作れば作るほど「あの機能もあったほうがいいのではないか」となるはずなので、プロダクトマネージャーとしては魅力が深まるばかりだと思います。
──デザイナー観点ではどうでしょうか?
見上:newmoのサービスを利用する方々はWebサービスに対するリテラシーが高い人ばかりではないので、幅広いユーザー層とオンライン/オフラインの掛け合わせという難題に挑戦できるおもしろさがありますよね。newmoのサービスに触れたお客さまからは、きっとぜんぜん想像しなかったリアクションがくるはず。それを、私は今から楽しみにしているんです。
松本:組織的にもスタートアップの創業期ならではの「わちゃわちゃ感」があります。そういったフェイズを楽しめる人には最高の環境です!
──そんなnewmoでは、どんな人を求めていますか?
松本:サービス立ち上げ期なので、やはり「自走力があるかどうか」「うまく気持ちを切り替えられるかどうか」は大事です。newmoの事業は外部要因による変化が大きいので、昨日話していたことが今日変わるなんてことは頻繁に起こります。そんな環境下でも自分の役割を見つけ出し、場合によっては「これは仕方ない」と気持ちを切り替えられるかどうかは大事です。
そして一番重要なのが、newmoのビジョンに共感しているかどうかですね。newmoはサービスを通じて世の中を変えようとしています。つまり、登る山がとても高いんです。時間もかかるし変化も大きいからこそ、ビジョンに共感していない状態では辛いかなと思います。
円谷:僕は、熱量があるかどうかにも注目しています。先ほどお話ししたように、newmoでは作るものが多い。大変な局面もあるので、ライドシェアに対する熱量や事業会社としてサービスをリリースするための熱量、交通に対する熱量を求めていますね。
見上:newmoのサービスはデザインだけで完結できる場面があまりありません。そのため、お客さまが求めるUIやUXをデザインにまとめ、さらに実装されたうえで役立つかどうかに挑んでいくことになります。このあたりを一貫して理解できている方、もしくは挑みたい方とはぜひ一度お話ししてみたいですね!
──ビジョンへの共感と熱量、全体的な仕組みを理解できること。どれも大事ですね。「興味がある」という方はぜひ、採用ページからご連絡ください。松本さん、円谷さん、見上さん、ありがとうございました!
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