ロシアを呪い殺す「青銅の騎士」

ネヴァ河のほとりにそそり立つその人は

 「……柵めぐらした巌の上の高みには/片手を前にさしのべて/青銅の馬に跨る像があった。/……微動だにしなかったあの人物を/みずからの運命的な意志によって/海のほとりに市を築いたあの人物を……/立ちこめる靄をすかしてほの見えるその像の怖ろしさよ!/額の上に現われた、なんたる思考!/身内にひそむ、なんたる力!/あの馬の躯にみなぎる、なんたる熱気!/おごれる馬よ、どこへおまえは飛んで行くのか?/どこに蹄をとめるのか/おお、運命や威力ある支配者よ!/おんみこそ、ロシアの国を、あの馬さながら/深淵の際、目くるめく高みの上に、後脚で立たせたのではなかったか?……」(木村彰一訳)

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