日本が経済劣国になりつつある証拠、弥縫策で円安は止まらない!目先の生活が大事なのは分かるが、根本から変えなければ日本は消滅する
円安は日本の構造問題を映している
円安が止まらない。6月29日の外国為替市場で一時1ドル=137円台と、1998年9月以来およそ24年ぶりに円安水準を付けた。年初から115円前後で推移していたものが、3月半ばから下落基調を続け、短期間に2割も円安になった。140円台も十分考えられる。
当初、黒田東彦日銀総裁は、「円安は日本にとって良いものだ」と言ったが、何度弁解しても、金融市場を司る人物にはふさわしくない。もはや、日本は輸出大国ではない。円安メリットはかつてより遥かに少ない。産業界はプーチン戦争に加え、円安加速から、輸入資源の価格上昇に悲鳴を上げている。今まで抑えてきた製品価格の引き上げの嵐が巻き起こり、市民生活も圧迫している。
鈴木俊一財務相は「どちらかと言えば悪い円安」と答えたが黒田総裁よりはましだ。25年間デフレが続いてきた日本だが、今後、「コストプッシュ・インフレ」と経済停滞が重なる「スタグフレーション」に陥る公算が高い。また、円安は企業や技術が買収され、日本の土地が買い漁られる危険も孕む。
円安の原因は明白だ。インフレ退治第一に急ピッチの利上げを進めるアメリカと、景気重視と言い金融緩和を続ける日本との金利差拡大が、円安に拍車をかけている。