創薬、農業、エネルギーの次世代を担う 分子ロボット開発を進めるVR技術─分子ロボット総合研究所─
情報処理からゲノム解析へ
分子ロボットが未来を拓く
ロボットと聞くとドラえもんや鉄腕アトムを思い浮かべてしまうかも知れない。しかし分子ロボットは、金属の手足をコンピュータで制御して動く電子機械式の人工物とはまったく違う。微小なナノレベルの分子サイズのロボットである。
そもそもロボットは、感覚と知能を持ち自律的に運動する人工物のことを言う。分子ロボットはDNAやタンパク質、リン脂質などの生体分子で構成され、感覚、知能、運動の3大機能を持つ極小のロボットである。
生物と同じように生体分子でつくられていることから、人体や動物、植物との親和性が高いという特色を持っている。このため、医療や農業、あるいはエネルギー問題などの解決に活用できると期待されている。
特に期待が大きいのが医療の分野である。将来、人体の中で薬物を送達する分子ロボットや、組織の内部で疾病を診断する分子ロボット、さらには免疫機能をサポートするような分子ロボットがつくられる可能性もある。