1次産品12年周期“上昇”にプーチン戦争資源・食糧が共鳴し価格高騰は止まらない

長期化の様相呈すウクライナ戦争
繰り返す戦争とインフレの歴史

 邪悪な独裁者による侵略戦争によりロシアが高い生産シェアを持つ原油、天然ガスなど資源エネルギーに小麦など穀物、パラジウムやニッケルなど工業用レアメタル等の国際商品が高騰。20年春に底入れ反転。上昇した12年周期の新たなコモディティ「スーパーサイクル」と、食料危機と戦時インフレが共鳴し、この先10年はインフレの時代が常態化するかもしれない。

 「(ウクライナ戦争は)非常に長期化した紛争として、数年単位で続くだろう。北大西洋条約機構(NATO)や米国、ウクライナを支援する全ての同盟国はかなり長い間、この紛争に関わることになる」。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は4月5日の下院軍事委員会の公聴会で「プーチン戦争」の長期化を見通した。

 ロシア革命からベトナム戦争に至るまで、世界で起きた戦争は、「軍事特需と生産能力不足」、「制裁・禁輸措置によるサプライチェーン途絶」、「軍事費調達に伴う国債増発と紙幣増刷」などにより、確実に物価を押し上げ、インフレを招いてきた。

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