プラユット時代の終焉誘うタイの与党内紛タクシン派も変化、親軍政党と組む

ソムキット前副首相と「前進党」ピター党首


 現在のタイの与党は親軍の「国民国家の力党」を中心とする20党もの連立だが、内紛が激化して揺らいでいる。2014年5月のクーデターからタイを牛耳るプラユット首相(元陸軍司令官)は、23年3月の下院の任期満了を待たずに解散、総選挙に追い込まれるかも知れない。例えば、今年2月8日にバンコクの都市鉄道の事業権について話し合う閣議を、連立与党の「タイ威信党」の閣僚が7人も欠席して抗議。また、20年7月には、閣僚ポストをめぐって現職のスリヤ工業大臣が起こした内紛で、辞任した当時のウッタマ財務相やソンティラット・エネルギー相らは、去る1月19日に「タイの未来を創造する党」を結党、共に辞任したソムキット副首相を来る総選挙で次期首相候補に担ぎ出すと見られている。

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