脆弱なる新政権の正当性「韓国のトランプ」、祝福されない新大統領

僅か0.73%差の勝利
有権者の5割以上が信任を見送る

 韓国史上稀に見るスキャンダル合戦となった大統領選挙は最後までもつれた。与党「共に民主党」の李在明イジェミョン候補と最大野党「国民の力」の尹錫悦ユンソギョル候補による事実上の一騎打ちは、僅か0.73%(票24万票余り)差で尹が勝ち、5年ぶりに保守が革新から政権を奪還した。尹が当選を確信できたのは投票日(3月9日)の翌日、夜明け間近まで判明に時間がかかる接戦だった。

 また、無効票が前回及び前々回の大統領選の倍近くの約30万票も出て、尹・李2人の票差を上回った。これに李陣営は不正操作の疑いがあるなどとして票の再点検の要求することはなかった。それは、無効票の大半が在外投票のもので、しかも選挙最終盤、尹と候補一本化に合意して選挙戦から撤退した安哲秀アンチョルス候補への票だったからだ。

 最終的な集計結果は以下の通りだ。

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