暗闇から覚醒へ 10

話しかけてくる人の選別を始めた。
友人を選ぶように、恋人を選ぶように。
私と気が合う人を探すには、どうすればいいか。

その頃の私は20代。とても若かった。
とりあえず、ハンサムで甘い言葉を吐く男はやめておこう。
心の中も、甘い言葉、優しい言葉、崇めるような言葉。
そういう言葉の人は、ざくざく切っていった。
批判的な言葉、辛辣な言葉、そういう人を残していった。
そして、ひとりひとり、じっくりと吟味していった。

私からもそういう人に話しかけてみた。
いろいろな話題で、意見をきいてみた。
この人とは意見があう。
この人は意見がおもしろい。
そういう人を、心の中の友人として残していった。
自分とウマが合う人、が、心の中にもいるようになった。
どこかの世界にいる人と、テレパシーが通じるようになった。

この力が、私のためにあるのではない、ということは、最初からわかっていた。
普通の人生をすることは、とても困難で大変なことだ。
普通の人生に四苦八苦している私は、こんな力を持っていても困る。
なんとか、この力を潰そうとした。

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