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回り道

練習曲に16分音符が登場し、また新たにそびえたつ壁。
指が全然回らない。

20数個くらい16分音符が続く右手が全然弾けず。
ともかく練習した、細分化したり、ゆっくりにしたり、リズム練習とか、いろいろ。
でも、打率2割くらい。
10回のうち8回くらいは引っかかってしまって弾けない。

レッスンの時も案の定弾けなくて、右手の弾き方、練習の仕方を教えてもらえるものだと思っていたら、「そこはたぶん右手じゃなくて、左手が原因だと思います」と先生に言われた。
え?弾けないのは右手なんだけど?

その左手は重音を2回弾くだけ。
右手に比べたらなんてことのない音の少なさで、こっちなの?という半信半疑の気持ち。

でも、その場で左手の弾き方を教えていただいて、家でもそのとおりに練習して両手を合わせたら、弾けた。
打率8割くらいになった、右手の練習しなくても。

すげー!
右手が弾けなかったら右手が悪いと思うじゃん。
右手が回ってないから、と思うじゃん。
違ったの。左手だったの。
たった2回音を鳴らす左手を直しただけで弾けたの。

あとから思い返すと、左手も決してスムーズに弾けていたわけではなかったんだけど、右手が弾けないから左手も引きずられて弾けないんだとばかり思っていた。
素人が最初からこの解にたどり着くのは無理だよな。
だから先生に習っているんだけどもさ。
細分化したときに、徹底的に全部をばらばらにしたらわかったんだろうか。
いやー、でもやっぱり、右手が弾けないのに左手が悪いとは思いつかないんだよなー。

どんなに練習の仕方を工夫しても、努力の方向が違ったんだよね。
無駄とは言いたくないし、まるっきり無駄ではないんだろうけど、でも使わなくていい時間だったかもしれない、とかいろいろ考える。

そう、練習の仕方、工夫の仕方にも素人の限界ってあるんだよね。
いや、だから先生に習っているんだけどもさ。
こういう考え方ってダメなのかもしれないけど、意味のない方向への努力って、どうなんかな。
どんな経験も無駄にならないと思うよ。
でも、そういう回り道の時間をもったいなく感じてしまう。
効率厨ゆえに。

念のために言うと、ピアノではすべての道が目標に通じているのはわかる。
回り道もきっと全部必要なんだろう。

でも、ショートカットがあるなら使いたいよね。
にんげんだもの。



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