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アートを通じた社会課題の向き合い方への挑戦 WINGS EVENTREPORT

こちらは、2021年12月18日に開催された #HEROCAMP  の裏側で伴走しておりました学生&運営によるWINGSチームによるイベントレポートのご紹介です。こちらのレポートは、WINGSチームの嶋田 姫由がお届けしております!

《#100本の傘》 EVENT REPORT

2021年12月18日開催 #HEROCAMP より

「社会課題」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持たれますか?
どこか漠然としていて、つかみづらいですよね。

ビジョンに『社会問題の解決』みたいなコトを掲げている企業をよく見かけます。
このうたい文句を見るたびに、社会問題という言葉を簡単に片づけてしまっているようにいつも思います。
社会問題は、簡単に片づけることができない、重たい意味を持ち合わせていると思います。
重たいから、あまり考えたくないなと思ってしまう人もいるのではないでしょうか。

では、「アート×社会課題」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持たれますか?
なんだ?なんだ?って思う方が多いのではないでしょうか。
“アート”という言葉が掛け算されると、とっつきやすくなるのではないでしょうか?

今回は、“アートで社会問題”を発信する、chart project共同代表で、ひとしずく株式会社代表のこくぼさんにご登壇いただきました!
ファシリテーターはNEWHEROの高島さんです!

【SUPER GUEST プロフィール】

  • こくぼひろしさん

ひとしずく株式会社 代表
1982年、神奈川県生れ。 学生時代に国際協力NGOの日本国際ボランティアセンターにて政策提言・アドボカシーチームでインターンとして勤務の後、 広告代理店、PR会社、制作会社、 ベンチャーを経て後方支援ファーム「ひとしずく株式会社」 を起業。「脱炭素(カーボンニュートラル)」 の社会デザインに取り組む。そのほか、一般社団法人チャートプロジェクト 代表理事、一般社団法人RELEASE; ディレクター、一般社団法人ルーデンスジャパン 理事も務める。



「アート」が社会問題の事実を伝えるための隠し味になる

こくぼさんが#100本の傘への想いを教えてくださいました!

高島さん:こくぼさんは「chart project®」というすてきなプロジェクトをされています!

こくぼさん:「chart project®」(https://www.chartproject.org/)は、社会課題を表すグラフ(チャート)の形を活かし、アート作品として表現するプロジェクトで、#100本の傘はこのプロジェクト内のひとつです!

#100本の傘は、ダウン症の子供たちに関わる「ダウン症の9割の人が「しあわせ」に感じていると回答している」という社会的にあまり知られていない事実を表すデータを、傘にプリントして、雨の日を社会課題に思いを馳せる日にしようというものです!

高島さん:「#100本の傘」のプロジェクトをスタートしたきっかけを詳しく教えてください!

こくぼさん:社会課題の事実が伝わりにくいから、先にアートを見せて社会課題が隠れているものをつくれたらいいなという妄想がありました。そして、「Silent Voice」

(https://silentvoice.co.jp/)の尾中さんとアーティスト(SUSTO)のKATO YUIさんにアイデアを伝えたら、是非やりましょうと言ってくれたんです。

話していく中で、ダウン症の家族を支援している「IKKA」の久保さんを紹介いただいたのですが、「毎日幸せに感じることが多いですか」というアンケートで、 ダウン症の9割の人が「しあわせ」に感じていると回答したというデータを厚生労働省が発表していることを教えてくださいました。この事実を多くの人に知ってもらいたいという想いで、このプロジェクトはスタートしたんです。傘をお届けしていく過程で、しあわせな瞬間の写真を撮っていきたいと思っています。

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社会問題は素通りされてしまうことが多くあると思います。自分の知らないところでこんなことが起きているんだ!と、毎日のニュースで知ることができます。しかし、それもいつの間にか「過去」の事実となってしまい、やがて忘れ、再び目にしたときに、新しい事実として知ることになってしまう。

一度知った事実を心に留めてもらうには、その人に刺さる伝え方をしなきゃなんだと思いました。そして、より多くの人に印象的に伝える手段として、アートがあるんだと感じました!

社会問題への向き合い方と伝え方

「『社会問題に向き合う』ってもなんか難しそう」と感じていました。
こくぼさんは、社会問題への向き合い方と伝え方について教えてくださいました!
日々の社会問題の捉え方のヒントが詰まっているので、皆さんも参考になるかもしれません。

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高島さん:こくぼさんはどのように社会問題に向き合っていきたいですか?

こくぼさん:エンパワーメントしたい!その人の抱えている課題を解決したい!出会った人の課題を解決していくお手伝いをしたいんです!

高島さん:僕もその考えに同意です!「chart project®」は周りからどういう風に思われているんですか。

こくぼさん:正直なところまだわかりません。今はお問い合わせベースで進めているので、何で見つけてくれるんだろうと思います。せっかく見つけてきてくれたからこそ、その人たちと本気で一緒にやっていきたいですね!

高島さん:NEWHEROもあえて発信しないんですよね(笑) 「chart project®」の団体としての見え方の設計は上手だなと感じています!

こくぼさん:カタチになったときに共感が生まれるから、アウトプットすることは大事だなと実感しています!あとは、いろんな方とのご縁をいただいているので、それを大事にしていきたいですね。その人の仕事を創るみたいな考えで進めている段階です。

高島さん:アートワークへの期待はなんでしょうか?

こくぼさん:「chart project®」は当事者とアーティストが触れ合うプロセスで、どれだけ新しいものを引き出せるかが大事だと思っています。

高島さん:「#100本の傘」のプロジェクトを見た人のどんな顔が浮かびますか?

こくぼさん:これがいいという人とグラフの社会問題の内容が重たいからいいと思わない人は出てくると思います。ファクトが大事だからこのプロジェクトが波及していって、結果的にソーシャルインパクトが最大化していけるとよいと思います。

高島さん:広め方、伝え方とかについてこくぼさんに聞きたいんですが、今のSNSが安心してしゃべれる場所になれば、もっと社会に伝わるのではと思うんですが、こくぼさんはSNSどう向き合っていますか。SNSって有効活用できていないなって思うんです。

こくぼさん:発信するよりも中の実態を創ることの方が大事だと思っています。自分たちのアイデンティティをエンパワーメントしてカタチにしていけるかが重要で、全員がじわじわと自分たちの作品を言いたくなる仕掛けみたいなものを作ることが結局一番強いんじゃないかなと。

高島さん:NEWHEROがお手伝いできることはありますか?

こくぼさん:構想は膨らむんですけど、調整とか労力が必要なんですよね。一緒にタイミングを見計らって仕組みを創っていけたらうれしいです。当事者の不在で、プロジェクトだけ進んでいってしまうのは良くないので、ちゃんと話を聞いて誰かの課題を解決していきたいです。

高島さん:まだ言っていないことはありますか(笑)

こくぼさん:「chart project®」のCMをお見せしてもいいですか(笑) すごく大好きなんですよ。

CMはこちら https://www.youtube.com/watch?v=GjF2bW2zpW4

高島さん:コンセプトがはっきりしているから、本当にいいですよね!

こくぼさん:社会課題を気軽に持ち帰ってもらえるかがこのプロジェクトにおいて重要なことだと考えています!ビジネスモデル特許をとっているんですが、クリエイティブコモンズ、つまり著作権者の許可する範囲内であれば自由にコンテンツを使用できるようにしているので、多くの人に広めてもらえるようにしています!「chart project®」を見たらポジティブになった!そういう視点で社会課題に出会うきっかけにしてもらえたらいいと思っています!

高島さん:最後に今後の展望を教えてください!

こくぼさん:メンバーと議論しつつ、クラウドファンディング、写真展などをやっていきたいので、NEWHEROでもご案内できるようにしたいです!

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#100本の傘 」は、私にとって社会課題の向き合い方を考えるきっかけになりました。社会課題というと広すぎる!と思っていたのですが、こくぼさんの「出会った人を助けたい」という言葉が最も心に残っています。その人の抱える悩みを知り、一緒に本気で考えていく。アートがその事実を印象的に伝える手段としてどんどん広がっていくような気がしました!


執筆:【WINGSチーム】嶋田 姫由 プロフィール
立教大学経営学部国際経営学科在学。大学では人材開発・組織開発について学ぶ一方、自然環境に関心をもつ。再生可能エネルギーや海洋保全について勉強中。



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