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舐めたら倍返し

私の友達の話ep4
人生のワールドカップがまさかの男子とは。。。を経験した倫太郎に
更なる試練が待ち受けていた。

日本に戻りまた日常の生活を続けていた倫太郎。

会社の上司に呼ばれ『また接待か。。。』と思っていた。
来る日も来る日も接待。

お金、欲、権力、女、なんでも欲しいままに出来る世界
一見どこにでもいるサラリーマンが実は私服を肥やすなんてことはザラだった。

そういう世界を垣間見ながら、『俺がなりたいエリートトップはこんなんじゃなかった』と思いは募っていた。

いつものように上司に連れていかれ、銀座の高級クラブで飲み 接待先から
『では次の店に行きましょう』と言われ、上司と一緒にタクシーに乗り込んだ
倫太郎。
ほろ酔いの倫太郎と、ほぼ爆睡している上司
どこに行くのかもわからず、ウトウトしていた。

接待先が『着きましたよ』と言われて、ハッと見上げたらそこは駐車場だった。

『え??駐車場ですよ』倫太郎
無言で降りる接待先
まだ寝てる上司

『はよ!!降りんかコラ!!』怒号が聞こえた。

『え??何やこれ??映画?ドラマ_?』倫太郎は思った。

『はよこっちに来んか!!!』 寝ていた上司はふっと目を覚ましてギョッとした顔をしていた。

黒い服を着た男たちが一列に並んでいた。 その間に先日断った建設会社の関係者がいた。

『お前ら俺らを舐めやがって、電話一本でもよこんスカと思ったら無視し続けやがって、舐めるにも程があるやろ!!!』

そう、断るにも大人の対応があるにも関わらず、調子に乗り過ぎた上司は全くそこをぶっ飛ばしていた。
『す、すいません』
『すいませんじゃないやろ!!このボケ!!』
胸ぐらを黒い服の男たちに捕まれ、怒号を浴びせ続けられる上司
『この業界を知らんお前にしっかり教え足らなあかんからな』と
目立たない場所を殴られ、蹴られる上司を横目に倫太郎はすかさず

『申し訳ございませんでした』と土下座していた。
『本当にすいませんでした』と何度も何度も頭を地面につけながら叫んでいた。

上司も転げ回りながら、なんとか丸まって土下座になった。
『申し訳ございませんでした』

『お前わかってるやろな。舐めたら倍で返ってくるぞ』
『本当にすいませんでした。今後は一切このような事は致しません』
『お前の上司にもしっかり言っておけよ』
『わ、わかりました』

そして二人は泥々になりながら、解放された。

上司は放心していた。
そして倫太郎は心に誓った。
『エリートは捨てよ。俺、もう無理。旅に出よ』

こうやって倫太郎のエリート齧りの人生はたった3年半で幕を閉じた。
そして世界に旅に出た後に待ち受けていた、もっと衝撃的な人生を歩むことになるとはまだまだわかっていなかったのだ。
#私の友達の話#友だちの話#エリート#舐めたら倍返し

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