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スピリチュアルからUFOおじさんに遭う倫太郎

私の友達の話 ep5

当時は私は日本人ブランドを友人の靴デザイナーと一緒に立ち上げていた。
日本のセレクトショップに営業に行くも
『日本人が作った靴なんて、流行らないわよ』と、啖呵を切られていた。
我々は悔しい思いをたくさんしていた。
こんな日本人が日本人を馬鹿にするなんて!!絶対に有名になってやる!
海外で売ったらどないやろか!?
外国なら我々の良さをわかってくれるかもしれない。

気持ちはあっても全く英語も話せない我々。
そこで私は倫太郎のことを思い出していた。
なんか話せば道が開けるのではないか?と思っていたのである。
『そうや!!海外によく行っている倫太郎がいる。今大手通信会社で働いているから連絡してみよう!!』
何を思ったのか?大手通信会社に直接電話して
『新人で大阪から転勤になった〇〇倫太郎という方はいらっしゃいますか?』
親戚で急用があるということで連絡していた。
さすが大手だけに、探し当ててくれ部署に繋いでもらった。
10分後電話に出た倫太郎
『え??何何??元気??』とびっくりしていたが、喜び会おう会おう!と
我々は会うことになった。

そして倫太郎から色んな話を聞かされたのはその時だった。
当時は1998年頃。 倫太郎は大手の嫌気がさして絶対に2000年になったら
世界旅行に行ってヒッピーになるんだ!!と豪語していた。
もうエリートコースなんて絶対に無理! 声を荒げていた。
人生が終わってしまう。人間がダメになる。 金も酒も女もどうでもいい!!
20代前半でこの世界の仕組みを知った倫太郎。

『海外でうちの靴売りたいからちょっと手伝ってくれへんか?2000年なったら』
そんな約束をして別れた。

そうやって2000年前にして我慢できず会社を辞めた倫太郎。
世界中を回ってから、我々の海外営業のお手伝いすることになった。
ニューヨークのBARNEYS NY にアポイントを取って、我々はセールスをしたのだ。
結局価格が合わないから連絡はこのまま送りながら、その時は見送ることになった。
その後、N.YのMOMAというアート美術館で働く私の可愛い妹分アコちゃんに会いに行った。

その瞬間 倫太郎は我が妹分のアコちゃんに一目惚れしていたのだ。
4人で日本食レストランでご飯を食べてから、セントラルパーク近くのホテルに泊まっていたので、そのままホテルの部屋に行った。
部屋はめちゃくちゃ広かったので3人で泊まっていたのだ。

その前から男同士と私一人でクイーンズにあるモーテルを2部屋取って泊まっていた。
その時から倫太郎がデザイナーの寝言がすごい。
寝言を聞いてるのか?
『朝方になると自然に涙が出てくる。すごい寝言なんよ!!』と。

『あんたまたこっちまで来て、葉っぱとか吸ってないよね!?』と問い詰める。
『そんなんアメリカに持って来れるわけないやろ!!』と。

あまりにも不便な場所にホテルがあったため、我々はマンハッタンのセントラルパークの近くのホテルに泊まることにした。
バブルもいいところで、この時一部屋しか空いてないからそのまま三人で泊まることになった。

妹分のアコちゃんも合流後、4人でホテルに到着後、デザイナーはそのままベッドに入り寝てしまった。
その後私は日本食を食べたものが当たってしまい、トイレに1時間こもっていた。
トイレから出て来たら、デザイナーの寝言を言っていたのをアコちゃんと倫太郎は笑っていた。
『すごい寝言言ってるから聞いてみて』
私は寝言を聞いた。

それがとんでもない寝言だった。
この世の終末について話をしていた。
思考が現実になる
恐怖 不安に目を向けるな
全ては思考から生まれていること
人間が闇ばかり見ていること
光の中だけに答えはある

これを聞いた我々は驚いていた。
しかもデザイナーは寝たまま話し始めた。
『光の中だけを見ろ光の中に答えはあるから』

倫太郎にはこの言葉が一番響いた
『この世はやがて無くなる。人間は何回も生まれ変わる。だから恐怖を持つな。恐怖はやがて形になる』

倫太郎はこの言葉を胸におきながら、このNYの旅が終わり、世界中に旅に出た。 
この世界は絶対に終わるんだと。
元々大学の時から東南アジアを回ったりして、究極のスピリチャル好きでもあった。
一目惚れしたアコちゃんには何度もラブレターを書いていたが、フラれた。
『エメラルドタブレット』という本をご存知だろうか?
『これはえっちゃんが絶対に読まないといけない本だ』と言って渡されたこともある。
そうやって、自分探しの旅から戻ってきた倫太郎。

ポケットには最終の所持金500円 しか残ってなかった。

東京で友人のツテをたどり、新橋の場末の喫茶店で住み込みで働くことになった。
お客さんも場末の疲れた年寄り、疲れた主婦、酔っ払いの親父。
風俗嬢、ヤクザ、あらゆる人が来た。
お金もない、どうせこの世は終わってしまう。

そんな倫太郎にいつも来ていた疲れた主婦の知子さんが話しかけた。
『あんた若いのになんでこんなところで働いているの?』
倫太郎は今までの話をした。

知子さんも話した。

知子さんは年老いた弁護士事務所で事務員の仕事をしていた傍ら、子供2人を抱えたシングルマザーだった。当時56歳
この弁護士事務所で働くにあたり、結局愛人にもなっていた。
『子供二人大学に行かせるために、生きるために愛人になった』
と話した知子さん。

『もう疲れた。あんた何時に終わる?』
『18時です。』
『ねえ一緒に占い行かない?』
『え??興味ないです。』
『私が行くから隣で聞いててよ。なんかさ、新橋で有名な占い師がいてさ、その名前も"UFOおじさん"って言うのよ。』
『何それ!!興味ある。UFO見れるんかな?』
『わかんないけど行きましょうよ』

そうやって連れて行かれた倫太郎。
UFOおじさんは全く知子さんには眼中にせず、イキナリ倫太郎を見るなり言った。

『君!!若いんだからしっかり働きなさい!!君みたいな人間は
ホストにでもなった方がいいよ!!いや!!ホストになりなさい!!』
『え???ホストですか???』
『そうだホストだよ!!』
知子さんも便乗した。
『そうよ!!ホストになりなさいよ!』
『みんな何言ってるねん!!ホストなんかなれるわけないやろ?』
『わからないじゃない!ホストクラブに電話してみましょうよ』

UFOおじさんと、疲れ果てた主婦知子さん達に半ば強引にホストクラブに連絡する
ことになった倫太郎。 
まさかこの後の人生がとんでもなくなるとは夢にも思ってなかった。
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