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5歳でポケモンカードができるまで(3)

同じ計算の繰り返しで、小さな円を描く。

ダメージ計算に関しては、どんどん計算が早くなり割りと早い段階で何の問題もなくなった。覚えているのは最初の頃は「(ポケモンの)残りHPいくつ?」と、よく聞かれたこと。その度に、「いくつだと思う?」と計算させたり、それでも分からなければ「HP80のポケモンに、40のダメージだから40だね」と計算の過程を説明しながら答えていた。

今、思えば計算が早くなった理由の一つとしてサトシvsロケット団の同じデッキで対戦し続けたことがあるかもしれない。使う技と、それを受けるポケモンの組み合わせがいつも同じようになるので、自然と何度も同じ計算をするようになり、それがある種の復習として作用していた気がする。

『習得への情熱』という本がある。詳しい内容は、こちらのhonzさんの記事を読んでもらうとして、著者はチェスの天才少年ともてはやされのちに太極拳で世界大会にしたジョッシュ・ウェイツキン。チェスと太極拳。まったく異なるように見える2つの分野を極めた著者による物事を習得するプロセスに関する本だ。

本は普通に面白いのだけど、中に「小さな円を描く」という概念が出てくる。上記のhonzさんの記事でも紹介されている。簡単にいうとチェスで言えば、最後の詰めの局面など複雑さの少ない単純化された基本のような練習を繰り返すことが大事というような考え方だ。ルールの習得にしろダメージ計算などにしろ、このハーフデッキで対戦し続けた日々が結果的に「小さな円を描く」ことにつながったような気もする。それを支えたのは、子どものポケモンへの愛であり、ポケモンというコンテンツの魅力なわけだけど。

そしてハーフデッキから40枚デッキへ

とは言え、さすがに同じデッキで対戦していると親としてもしんどくなる。サイドが3枚だと、逆転も起こりづらいし。ちょうど、その頃「ひかる伝説」が発売され40枚デッキ、サイド4枚のシールド戦が公式のイベントで行われていた。「そういうのもアリなのか」と思い、ハーフデッキから40枚デッキへと移行しはじめた。

※写真はちょうど1年前の対戦風景。当時、長男は4歳7ヶ月。この頃には60枚のフルデッキで対戦している。バトルブーストで大量にひいたジジーロンGXが、我が家で活躍していた時期。

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