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5歳でポケモンカードができるまで(4)

初めてのデッキづくりとライチュウGX

40枚デッキを使うようになって、ついにサトシVSロケット団のデッキを卒業し各自がそれぞれのデッキをつくるようになった。とは言っても、今のようにプロキシをつかったり、ボックスで買ったりするわけではなく当時はちょこちょこ買ったパックから出たカードで組むという可愛いものだった。もちろんパパである自分もよくわからなかったので、「ポケモンカード デッキ構築」などでググりながらポケモン、エネルギー、トレーナーズの比率などを勉強していった。

デッキづくりもトレーディングカードゲームの面白さの一つだったので、自分が付け焼き刃で身につけた知識を息子に教えながら、自分でデッキを組ませていった。ピカチュウが好きな息子は「ひかる伝説」でひいたライチュウGXを主軸としたデッキを組んでいった。子どもにデッキを組ませると、とにかく強そうなポケモンを盛りたがる。エネルギーやグッズ、サポートも必要だということは勝ち負けを通して「ほらカードひけるほうが強いでしょ」と伝えていくしかなかった。

パワフルスパークと掛け算の微妙な関係

以前、ダメージ計算、つまり足し算と引き算はすぐにできるようになったと書いたけど掛け算は少し苦戦した。足し算や引き算は幼児にとっても日常生活と結びつけて理解しやすいらしいのだけど、掛け算という方法があまりピンとこないらしい。ただ、ライチュウGXを相棒に選んだ長男にとって掛け算は避けては通れない。なぜならライチュウGXの主力技であるパワフルスパークの計算には掛け算が必要だからである。最初は少し苦戦したものの、ライチュウGXのおかげで掛け算の概念を覚えていった。計算もできるようになっていった。

しかし、これには一つ問題があった。パワフルスパークで掛け算を覚えた長男は少し間違っていた形で覚えてしまったのである。本来の掛け算のあり方はどちらかと言えば「ライオットビート」型である。ポケモンカードの知識があまりない方向けに少し補足するとパワフルスパークという技のダメージは「20+」と書いてあり、テキストにはこうある「自分の場のポケモンについている雷エネルギーの数×20ダメージ追加」つまり基礎ダメージとして20あり、それに雷エネルギーの数×20ダメージ足すわけである。一方で、ライオットビートは「自分の場のポケモンの数×20ダメージ」という掛け算そのままなのだ。このパワフルスパークの基礎ダメージの20と追加ダメージの最小単位の20が同じだったことで、掛け算をそういうものと最初に理解してしまったのである。つまり、3×2を9と計算するような法則で理解してしまったわけだ。この間違いを理解し、パワフルスパーク型の技とライオットビート型の技のダメージをスムーズに計算できるというのが、ポケモンカードを遊ぶ上での最後の算数的課題となった。40枚デッキが60枚のフルデッキに変わる頃、つまり2017年の秋冬頃には、その使い分けも問題なくできるようになっていったと思う。

※写真は東京駅のポケモンストアで購入したナイトユニゾン

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