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【『ゲーム「マイエクササイズ」発売記念 和田淳特集上映 私の秘かな動く愉しみ』出町座公開記念】「真利子哲也監督ゲスト 上映後アフタートークレポート」

ユーロスペースでの上映が終了し、来週末から今月末にかけて京都 出町座、大阪 シネ・ヌーヴォ、名古屋シネマテーク等全国各地での上映がスタートする『ゲーム「マイエクササイズ」発売記念 和田淳特集上映 私の秘かな動く愉しみ』。日本中で本上映が観れるようになるこの時期に、10/1に渋谷・ユーロスペースにて行われた、映画監督の真利子哲也さんをお招きしたアフタートークの模様をお届けします!

『ディストラクション・ベイビーズ』や『宮本から君へ』といった話題作でここ数年着実に邦画界においてのポジションを固めつつある真利子さんですが、実は和田監督とは同じ学校に通っていたこともあり、そうした距離感の近さから今回のトークが実現しました。

和田監督は真利子さんが卒業した翌年にイメージフォーラム付属映像研究所に入学し、その後2人は専攻は異なるものの、東京藝術大学大学院映像研究科に進学するなど同じ環境に身を置いていました。真利子さんは、アニメーションや実写の垣根を超え、インディペンデント界で和田監督の作品が話題に上っていたこともあり、作品のことも知っていたと語ります。

ふだんは実写映画を制作する真利子さんですが、だからこそ和田監督のようなアニメーションに憧れることがあると述べ、和田作品にイメージフォーラム映像研究所で観た和田淳子(和田淳監督との血縁はありません)『桃色ベビーオイル』と共通する、音響への関心があるのではないかと指摘します。

この日進行を務めたニューディアー・土居伸彰はこのことに対し、パーソナルな表現を好むイメージフォーラム付属映像研究所の伝統でもあるのかもしれないと補足します。実際、和田監督は初期から現在に至るまで、作品の音も自分自身の声や身体で出したものを使うことを好みます。

真利子さんは、過去作から現在までを一望できる本上映を観て、作家性の強い表現として変わらない部分がありながら、少しずつ変化をしてきていることも指摘します。たとえば『わからないブタ』以降、太ったキャラクターが増えてきているという変化に触れつつ、今後、『マイエクササイズ』でしっかりと腹筋をした結果、「どのように(体型が)変わるのか楽しみ」と言い会場の笑いを誘います。

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また、坊主の男の子が『Anomalies』において二重になっていることなど、様々な作品でバリエーションを持っていることに真利子さんは気づいたと言います。これに対し土居は、和田監督は製作国の地域や作品テーマによって細かく設定や描き方を変えていると回答しました。

そして土居は、真利子さんと和田監督には人間が持つ動物性、本能への関心が共通しているのではないかという仮説を提示します。『ディストラクション・ベイビーズ』に顕著な本能的暴力性をなぜ描くのか。それに対し真利子さんは「嘘がない感じの人を描くのが好き」とシンプルにレスポンスします。

真利子さんは自身が監督をする際は、人の縁を大事にしながら映画を作っていると言います。さらに、パーソナルなことを軽視せず、むしろそこから出発していることは、和田監督とも同じかもしれないと語り、ゲームの発売など活躍の幅を広げる今後に期待を述べ、トークは締めくくられました。

『ゲーム「マイエクササイズ」発売記念 和田淳特集上映 私の秘かな動く愉しみ』、京都・出町座にて10/23より公開、その後大阪・シネ・ヌーヴォ(10/24〜)、名古屋シネマテーク(10/28-11/6)、横浜シネマリン(11月)、長野・上田映劇(上映日未定)、金沢シネモンド(上映日未定)にて順次公開となります!

公式サイトはこちら!

10/24には大阪シネ・ヌーヴォ、10/25には出町座にて、和田淳とニューディアー・土居伸彰の対談もあります。グッズもいろいろ揃えました(ブルーレイ、すごく売れてます!)。特典満載のブルーレイ『和田淳作品集 2002-2020』の詳細は以下の記事をご覧ください!

本作の最新情報は、公式ツイッターアカウントをチェック!

https://twitter.com/GEORAMA_jp


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