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【ぼくのかんがえたさいきょうのダイヤ】近鉄南大阪線ダイヤ改正に思うこと ①現状の説明と他路線の比較

1.はじめに

近鉄の路線図 近鉄ホームページより

今日はすごく勝手にダイヤを考える記事。
例の観戦症騒動に大袈裟に反応して振り回され、失われた3年間の間に大きく、鉄道各社で運転本数の削減、効率化がはかられた。
それは近鉄線でも例外ではなく、名古屋線の塩浜以南の普通列車削減、志摩線の普通列車削減、青山越えの普通列車削減に、阪伊特急の削減など挙げればキリはない。
そして、今回取り上げる近鉄南大阪線でも閑散区間を中心に本数や両数の削減、そして一部ワンマン化が実施された。
しかし、2021年と2022年の改正を見て思った事がある。

閑散区間ではなく都市部の大阪側に削減の余地があるのではないか?と

そもそも、ダイヤを増やせという意見はよくみられるが減らすべきと意見や記事はあまりないと思う。そういう意味で今回は逆張り

という訳で今回は近鉄南大阪線のダイヤについて2回に分けて考えます。

2.南大阪線の現状

①大阪口、日中の一時間あたりの運転本数

大阪阿部野橋駅

・全盛期(土休日)→
普通6本 準急6本 急行2本 特急2本
計16本

・現在→
普通6本 準急6本 区間急行2本 特急0-1本
計14-15本。

大阪口は特急以外変更されていない。急行以下は30分サイクルのパターンダイヤ。普通は藤井寺か古市で折り返す。準急は4本は河内長野方面に直通し、2本は橿原神宮前に直通または連絡する。急行または区間急行は吉野に直通または連絡する。

②古市以東、一時間あたりの運転本数

橿原神宮前駅

 ・改正前(土休日)→
普通2本 準急2本 急行2本 特急2本
計8本
・現在→
普通2本 区間急行2本 特急0-1本。
計4-5本

ほぼ半減した。
過去のダイヤでは普通、準急が県境区間を各駅に停まり、4本/hを線内で維持しており、並行する近鉄大阪線より各停が多い時期もあった(多分)。概ね10~13分ー17~20分間隔のサイクルだったと記憶する。
大阪ー高田間では最大の有効本数だった。
普通は古市始発で、河内長野行き準急の内、2本/hから連絡をとった。
現状、県境区間は古市止の準急に接続を取る形で各停2本/hだ。
区間急行は尺土以東各駅に止まるので、その区間は実質各停4本となる。
しかし、この区間も特急待避の兼ね合いなどで23分間隔が空くと思えば7分後に来るという不等間隔のダイヤが以前より増した。
但し急行通過の浮孔、坊城、橿原神宮西口の3駅と吉野線への利便性は増した。

③長野線、一時間あたりの運転本数

汐ノ宮駅


・過去ー現在→準急 4本

長野線については変化なし。
南大阪線から長野線に入ると準急が6→4本/hに減るため、古市や富田林で時間調整を行う。阿部野橋から河内長野まで準急通しで乗ると、所要時間は列車により5分ほど変わる。ただ後続の急行や区間急行に乗り古市で乗り換えることで阿部野橋基準では14分ー16分のほぼ等間隔ダイヤが実現する良くできたダイヤだ。

南大阪線の本数まとめ

このように閑散区間は30分に一本くれば多い方だが、生活リズムすら変わるレベルの大幅削減である一方、都市部はさほど本数は減っていない。

3.近隣他路線の現状 

過去のダイヤはほとんど記憶してないので現状メインで個人的に性質が近いと感じた路線を主に書いていく。基本、大阪都心ターミナル側の日中の本数だ。

①阪和線

天王寺駅阪和線ホーム

普通4本/h 区間快速4本/h 関空紀州路快速4本/h 特急3本/h
計15本/h

大阪市内をほぼ並行する阪和線普通は4本/時であり、南大阪線より少なくなっている。普通の通過待ちがやや長めで快速との時間差が大きくなることや、座れないことは気になるが、輸送力不足には感じない。
快速偏重なのは鳳まで緩急接続が出来ない駅構造と停車駅の問題や関空や泉州諸都市への需要からであろう。 

②大和路線

天王寺駅

普通4本/h、大和路快速4本/h
計8本/h
※和歌山線高田以北→普通1本/h

以前はJR難波から高田行き快速が2-3本走っていた時期もあるが、現在は走っていない。特に和歌山線内で1本/hとなる時間帯が発生し、不便になっている。
南大阪線との違いは都心側でも本数が大きく減った点。全体の本数も南大阪線より少ない。但し、日中快速は8両、普通は6両が基本で4-6両が基本の南大阪線より両数は長い。
尚、大阪市内から郊外へ向かう、JR宝塚線ーJR東西線ー学研都市線も快速系統が区間快速になり、宝塚線に1本/h程度特急が追加されるくらいで本数は大和路線と同等。

③近鉄大阪線

鶴橋駅

普通5本/h 区間準急3本/h 急行3本/h 特急3本/h
計14本

上本町50分発小運転特急の本数削減以外は目立った減少はない。ただダイヤ改正の度に行き先の見直しはしており三重県側に行くほど減少傾向。ただ南大阪線とは対照的に五位堂行きの区間準急が設定され、県境の山越え区間は3本/hから4本/hに増えた。

④南海本線・高野線

天下茶屋駅

・南海本線
普通4本/h 空港急行4本/h 特急3本/h
計11本
・南海高野線
普通4本/h 準急2本/h 区間急行6本/h 急行(快速急行)2本/h 特急0-1本/時 
計14-15本/h
 

いずれの路線も普通が4本/hである。高野線は頻繁にダイヤパターンが変わるが、本線の運行本数はさほど変わっていない。
高野線の運転本数は近鉄南大阪線とほぼ同等だが、堺東ー三国ヶ丘ー中百舌鳥と堺の中心地を通り、その先高野山方面と泉北高速鉄道線に分岐するので妥当と思える。
因みに、本線の特急は2本/hが和歌山方面のサザンで1本/hがラピート。阪和線も同じく特急が毎時3本走っているが、関空方面と和歌山方面の比率が逆になる。

⑥地下鉄御堂筋線(天王寺以南)

御堂筋線が走る北花田駅周辺


普通7-8本/h

地下鉄は1時間サイクル等ではなく、等間隔で8分おきに来る。そのため、60の約数の運転間隔にならない路線は一時間あたりの本数に差がでる。
今回紹介した中で1時間あたりの運転本数は最小だが、各駅停車の運転本数は最大。
人口集積地や都心部を走る地下鉄は殆ど通過運転はしない。10両の列車が行き来するので十分だろう。
天王寺以南に絞った理由は、都心からベッドタウンにいく性質を持つ路線で近鉄南大阪線と並行区間があるから。

⑦京阪本線

京阪の複々線区間

普通4本/h 準急4本/h 快速急行2本/h 特急4本/h
計14本/h

極めつけは京阪本線で年々運転本数が削減されもっとも都心側の本数が削減された路線だろう。並行していないが取り上げたのはそれが理由。
全盛期は普通6本/時、準急12本/時、特急6本/時の計24本/時だった。それが今や計14本/時体制で半分近く減っている。本数だけ見れば、近鉄南大阪線よりやや少ない。
快速急行が大阪側で守口市や寝屋川市など大阪近郊の街に停車し、京阪間と大阪近郊の速達列車の本数を6本/hに維持する荒業を達成しているがかなり不等間隔になっているのが課題。

☆ここまでのまとめ

なぜここまで、大阪近郊を走る路線を長々と見てきたかと言うと比較するためだ。
特に普通列車は各線、4本/hが殆どであり、針中野駅や河内天美駅はそこそこの利用者(乗降客が1万人をこえる)がいるとはいえ、利用者の多い阪和線ですら4本/hということを考えると本数過剰に思える。
また、利用者が多いとされる、準急停車駅の利用者も減少傾向にあり、主力種別の準急ですら削減の余地はあると考える。
という訳で、次にどのように大阪都心側で本数を削減するのか考えていくが長くなりそうなので次に続きます。
次の記事はこちらからどうぞ。(2023.6.9更新)


今回はここまで ありがとうございました


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